京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

花は花だから咲く

2022年02月01日 | 日々の暮らしの中で

二月には「初花月」という異名があることを教えていただいた。

年の初めには雀にも晴れ着を着せてやり、「初雀」と言祝ぐ季語がある。
寒明けが近いが、実際にはまだまだ寒さは続く。そこに春を待つ花、水仙が蝋梅が咲き、椿にマンサクもと花を咲かせ始める。梅便りなど耳にすると寒さを忘れて観梅に足が向く。私たちは寒風の中に咲きそむる花を愛で、健気さや美しさを賞賛する。褒めたたえる気持ちを込めて、二月を「初花月」と呼ばせるのだろうか。

けれどそんな思いはみな人間側のこと。花は花だから咲くのだと言う。高田敏子さんの詩の一節に〈花は咲く 誰が見ていなくても 花の命を美しく咲くために 人は人である ・・〉とある(「あなたに」)。
ここに、47歳で癌のために還浄された坊守さんの手紙の文面(一部)がふと重なってくる。
  したい したいが 
  こころが走るが できない
  これもナンマンダブツ
  何一つ 自力なしと
  お礼いえぬ身が 教えてくれた
  我がつくる善にはあらず 悪にはあらず
  これ一色の 四十七年でした

手紙を通して学ぶ自然法爾の世界…。知識でも教養でもない。それで得るような信心ではない。一生をかけて聞法し、果たしてそれで?…、が私か。あれこれの思いに、ちょっと理屈っぽくなった。
コメント (2)
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