大阪・阪急梅田駅近くの新梅田食道街にある居酒屋(北店と分店がある)。
「おでん」と「たこ甘露煮」が看板だが、造り(刺身)から揚げ物まで、居酒屋メニューが豊富にそろっている。
酒は分厚い錫のぐい飲みで飲ませてくれるのがユニークだ。
創業弘化元年とあるから、今年で160年の歴史を誇るということになる。とはいえ伝統を売り物にした、構えた店ではない。威勢のいいかけ声とキビキビした店員たちの動き、せまい店内はいつ行っても満席。親しみやすい庶民の店である。
わたしがここに初めて来たのはもう30年ほども前のこと。
おでんの、さえずり(ひげ鯨の舌)がえもいわれぬ美味。一度は食べてみたい味である。少量一串で900円。油断していると庶民の店とはいいい難い値段となるのはいたしかたのないところか。
2004.12.5
墨田区・鐘ヶ淵にある居酒屋。
東武線鐘ヶ淵駅、東向島駅のこの界隈は昔玉の井といい、私娼街のあったところ。永井荷風の「墨東綺譚」の舞台にもなった。
不規則につながる細い小路をのぞけば、今はその面影はほとんどない。落ち着いた住宅街、商店街が広がる。浅草などとはまた違った、生活感あふれる東京の下町をここに見ることができる。
十一屋はそんな地元の人々の日々の生活に溶け込んだ居酒屋である。
何の飾りも気取りもないが、実質があり、やすらぎがある。刺身、煮魚、焼き魚、野菜の煮物、ポテトサラダ……。豊富なつまみはどれも安い。
勤め帰りの人も、銭湯帰りの人も(裏に銭湯がある)、お年寄りも、若いカップルも、若くないカップルも、安心して一日の疲れを癒すことができる。
居酒屋の原形、居酒屋の理想がここにある。
2006.3.5
東武線鐘ヶ淵駅、東向島駅のこの界隈は昔玉の井といい、私娼街のあったところ。永井荷風の「墨東綺譚」の舞台にもなった。
不規則につながる細い小路をのぞけば、今はその面影はほとんどない。落ち着いた住宅街、商店街が広がる。浅草などとはまた違った、生活感あふれる東京の下町をここに見ることができる。
十一屋はそんな地元の人々の日々の生活に溶け込んだ居酒屋である。
何の飾りも気取りもないが、実質があり、やすらぎがある。刺身、煮魚、焼き魚、野菜の煮物、ポテトサラダ……。豊富なつまみはどれも安い。
勤め帰りの人も、銭湯帰りの人も(裏に銭湯がある)、お年寄りも、若いカップルも、若くないカップルも、安心して一日の疲れを癒すことができる。
居酒屋の原形、居酒屋の理想がここにある。
2006.3.5
武蔵野の古刹、平林寺脇の蕎麦屋。
そば、うどんのほか、刺身、焼魚、揚物など酒のつまみもいろいろあり、酒目当てに来てもうらぎられない。
なんといっても、お盆で出される「さか重そば」が秀逸。
茶そばを蒸したあま鯛に巻いて焼き、大きめのお椀に入れ、うす味の熱い出汁をかけたものがお盆のメイン。ほかに、季節の魚の刺身少々、野菜の天ぷら少々、小椀に軽くご飯。小皿の梅干、漬物、季節の果物。少量ずつながら、それぞれに手間がかかっている。
メインのお椀の、あま鯛の旨味と少し焦げた蕎麦の香ばしさが、たまらない。酒の肴としては、このセットだけでわたしなど十分である。
東京の郊外にある、ユニークかつ魅力的な蕎麦屋の一つである。
そば、うどんのほか、刺身、焼魚、揚物など酒のつまみもいろいろあり、酒目当てに来てもうらぎられない。
なんといっても、お盆で出される「さか重そば」が秀逸。
茶そばを蒸したあま鯛に巻いて焼き、大きめのお椀に入れ、うす味の熱い出汁をかけたものがお盆のメイン。ほかに、季節の魚の刺身少々、野菜の天ぷら少々、小椀に軽くご飯。小皿の梅干、漬物、季節の果物。少量ずつながら、それぞれに手間がかかっている。
メインのお椀の、あま鯛の旨味と少し焦げた蕎麦の香ばしさが、たまらない。酒の肴としては、このセットだけでわたしなど十分である。
東京の郊外にある、ユニークかつ魅力的な蕎麦屋の一つである。
いわゆる大衆居酒屋の有名店。庶民の店である。刺身、焼き魚、煮魚、煮こごり、ポテトサラダ、カレー味のコロッケ、煮込み、らっきょう、どれもほんとうに安い。安心して一日の疲れをいやすことができる。
疲れたおじさんだけでない、若い人も来ていつも店はいっぱい。わたしは入れないことを心配して、空いていそうな8時過ぎをねらっていく。
混んでいても、一人自分の席を確保できれば、そこは自分の世界。まわりを気にせず、まわりに気にされず飲むことができるのは、長年多くの酔客を扱ってきたこの店の力でしょう。
疲れたおじさんだけでない、若い人も来ていつも店はいっぱい。わたしは入れないことを心配して、空いていそうな8時過ぎをねらっていく。
混んでいても、一人自分の席を確保できれば、そこは自分の世界。まわりを気にせず、まわりに気にされず飲むことができるのは、長年多くの酔客を扱ってきたこの店の力でしょう。
酒を適度な燗で、おいしく気持ちよく飲ませてくれる、誰もが認める居酒屋の名店。
入り口を入ると、「コ」 の字型のカウンター席があり、知らない人と直接差し向かいになる心配はない。 一人で行っても落ち着いて飲めるのが魅力だ。
銘酒の品揃えも豊富、酒菜も気が利いている。
酒を静かにじっくりと味わい、ホッと自分を取りもどすことのできる数少ない店の一つだ。
入り口を入ると、「コ」 の字型のカウンター席があり、知らない人と直接差し向かいになる心配はない。 一人で行っても落ち着いて飲めるのが魅力だ。
銘酒の品揃えも豊富、酒菜も気が利いている。
酒を静かにじっくりと味わい、ホッと自分を取りもどすことのできる数少ない店の一つだ。
おでんの名店は数あれど、ここ平河町・稲垣も舌を唸らせる一店。
大根が、こんにゃくが、カウンター内の三つの鍋で舞い踊る。濃口醤油の関東風、出汁をきかせた関西味、味噌煮込みの名古屋風。同じ素材がここでは三つの味で楽しめる。
おでんの冬期限定お薦め種は名古屋風味の牡蠣。味噌が染み込み、ぷりぷりに膨らんだ身はまさに絶品。
また四季を通しての人気レギュラー種つみれは、よく煮込んであり口の中で溶け出してしまう。
サイドメニューの〆鯖、鰯の梅肉煮もうまい。
美味に美酒、女性店員の心利いたサービス。酩酊するころにはここ稲垣、酒徒のサンクチュアリと化す。(池)
05.2.26
大根が、こんにゃくが、カウンター内の三つの鍋で舞い踊る。濃口醤油の関東風、出汁をきかせた関西味、味噌煮込みの名古屋風。同じ素材がここでは三つの味で楽しめる。
おでんの冬期限定お薦め種は名古屋風味の牡蠣。味噌が染み込み、ぷりぷりに膨らんだ身はまさに絶品。
また四季を通しての人気レギュラー種つみれは、よく煮込んであり口の中で溶け出してしまう。
サイドメニューの〆鯖、鰯の梅肉煮もうまい。
美味に美酒、女性店員の心利いたサービス。酩酊するころにはここ稲垣、酒徒のサンクチュアリと化す。(池)
05.2.26
炉端焼きの店はいまや日本のどこにでもあるが、発祥の地は北海道釧路市だと聞いた。幣舞橋に近い栄町にある「炉ばた」が、日本さいしょの店だという。
20人も入ればいっぱいになるこじんまりした店で、天井までまっ黒にすすけている。ランプの灯のほの暗さと寝ぼけたように時を打つ柱時計が、なかなかいい雰囲気で落ち着いた気持ちになる。
メンメ、カレイ、ホッケ、シシャモ、サケ、銀ダラ‥‥、82歳のおばあさんが焼いてくれる魚はどれもうまい。
釧路は漁師町だから魚がおいしいのはあたり前だが、ぬる燗の酒が焼いた魚や野菜によく合っていた。(国)
■ 営業時間:17:00~23:00
■ 定休日:木曜日
2005.3.10
20人も入ればいっぱいになるこじんまりした店で、天井までまっ黒にすすけている。ランプの灯のほの暗さと寝ぼけたように時を打つ柱時計が、なかなかいい雰囲気で落ち着いた気持ちになる。
メンメ、カレイ、ホッケ、シシャモ、サケ、銀ダラ‥‥、82歳のおばあさんが焼いてくれる魚はどれもうまい。
釧路は漁師町だから魚がおいしいのはあたり前だが、ぬる燗の酒が焼いた魚や野菜によく合っていた。(国)
■ 営業時間:17:00~23:00
■ 定休日:木曜日
2005.3.10
浦霞は宮城県塩釜市の酒である。全国的にも広く知られているブランド浦霞の、これは本醸造酒。
「やわらかい口当たりとキレの良い後味」と瓶に解説がついていたが、まさにその通り。くせがなく、おいしい酒である。
2005.4.9
「やわらかい口当たりとキレの良い後味」と瓶に解説がついていたが、まさにその通り。くせがなく、おいしい酒である。
2005.4.9
新潟は村上の酒。わたくしの日ごろの愛飲酒。
くせのない素直な飲み口の中に、上品な甘みがある。冷やでもうまいが、燗酒の好きなわたしはだいたいいつも燗。
この酒を近くの酒屋で普通の値段で入手できるのは、一つの幸せであると思っている。
くせのない素直な飲み口の中に、上品な甘みがある。冷やでもうまいが、燗酒の好きなわたしはだいたいいつも燗。
この酒を近くの酒屋で普通の値段で入手できるのは、一つの幸せであると思っている。