Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「人、神、自然」展@東京国立博物館

2020-02-06 16:16:57 | 機内食・映画・美術展

去年「正倉院展」を見に行った時にチラシを見て、どこでやっているのだろうと聞いたら「まだやってません」と冷たくあしらわれた展覧会に閉会間際になって行ってきた。


「人、神、自然」 ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界

 
アール・サーニさんとはカタールの王族だそうで、この人の集めた主に中東、中央アジア出土の古代工芸品117点が東洋館で展示されている。

会場はふだん大谷探検隊が持ち帰ったシルクロードの出土品が飾られている所。なのでそれほど広くないスペースだが、展示品は小さいものが多いのでコンパクトにまとめられ、暗い会場内にスポットライトがうまく当てられてとても見やすい。

それぞれ小さいとは言え展示品はどれもすばらしいものばかり。
古いものは紀元前3000年から、新しくても5,6世紀のものまで、時代も場所も異なるものがテーマごとにまとめられているので比較ができてとても面白い。

以下は展覧会HPより
 
小さな女性像も、精巧な鹿の形をした酒の容器も、紀元前2000年、つまり今から4000年前に作られたとは信じられないほどの細工の美しさ。

権力の象徴であった金の装飾品は特に凝っていて
 このブレスレットをはじめ、今使ってもまったく違和感がない、どころか現代のデザインよりもしゃれている。

しかし今回の展示で一番気に入ったのはこちら。
 紀元前3000年ごろにアナトリア半島で作られたという大理石製の女性像。どのような目的で作られたのかは不明だそうだが、抽象化された頭に小さな耳が付いているのがかわいくて、これに「スターゲイザー」と名付けたセンスが素晴らしい。

コンパクトながら本当に質の高いものばかりで予想以上に楽しめたこの展示、博物館の通常の観覧料だけで見られるのもありがたい。入場無制限のメンバーズカードを持っているので追加料金なしで見られたのだ。
アール・サーニ・コレクションはこの春からはパリのコンコルド広場の特設会場で公開されるそうだが、今回展示されたもの以外にもいろいろあるのだろうか、気になるところ。

この日は東洋館の見学だけでサクッと切り上げ、お昼はなんとなく中華の気分だったので上野駅入谷口からすぐの晴々飯店へ。
 この素敵すぎる店構え、上野の人気店だそうだが、このご時世なので空いているかと思いきや1時過ぎでも日本人のお客さんで満席。中国人らしき人は店員さんたち以外には見当たらず。
 四川料理のこちらで「リアル回鍋肉定食」を頼むと、キャベツなし、たまねぎとインゲン、ねぎと豚肉がラー油と豆鼓で炒められていて、これがとてもおいしくてご飯がすすむ。
満足度が高くて、ここはトーハクから定番コースになりそう。

上野駅に向かうと大きなスーツケースを転がす団体、先頭の子供は青天白日旗を振りながら歩いていた。その気持ち、実によくわかる。
日本人も海外を歩くときは当分日の丸振りながら歩いた方がいいんじゃないだろうか。


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「ドン・キホーテ」&「パラサイト」

2020-02-01 12:21:58 | 機内食・映画・美術展

我が偏愛する映画監督の一人はテリー・ギリアム。

「未来世紀ブラジル」でぶっとばされ、「12モンキーズ」「フィッシャーキング」も大好き。
だからこの映画が完成したと聞けば見に行かないわけにはいかない。なにしろ何度も制作が中断して、構想から30年近くもかかってようやく完成したと言う因縁の映画なのだから。

 「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」The man who killed Don Quixote

ギリアムの分身である映画監督を演じるのはアダム・ドライバーで、この人は土の中を転がったりロバから落ちたりめとちゃくちゃ大変そう。
その彼が若い時にドン・キホーテ役に選んだ靴職人がジョナサン・プライスで、「未来世紀ブラジル」ファンとしては感慨無量。過去にはジャン・ロシュフォールとジョン・ハートが予定されていながら二人とも病気で降板(その後死亡)してしまったこの役、プライスが年を取るのを待ってちょうどよかったのではないか、こちらもギリアムの分身で素晴らしい。

映画の初めの方はいささかノリが悪くて、これはテリー先生もさすがに年に勝てなかったかと不安に感じたが、プライス・キホーテが登場するあたりからエンジンがかかって、自虐ネタもまじえつつ、クライマックスの仮装パーティーシーンはお得意のイメージの氾濫。フェリーニ晩年の「カサノバ」をちょっと思い出した。

さすがに全盛期のような傑作とはいかないが、この前の「ゼロの未来」よりは面白かったし前向き。
テリー先生、もう一本ぐらいSFを撮ってくれないだろうか。


劇場までわざわざ足を運んだら2本立てがお約束なので、続いては今話題のこちら。
 「パラサイト 半地下の家族」

努力しても這い上がれない貧乏な家族と、何でも手に入る金持ち家族の対比は韓流現代ドラマで定番の設定。この設定を見るたびに「そんなに金持ちがうらやましいか」とそのいじましさにうんざりすることが多いのだが、この映画の貧乏家族は全員めちゃくちゃ有能で、それだけに社会の不公平さ、閉塞感が伝わるようにできている。

この家族がちょっと卑怯な手も使いつつ金持ち家族の元に入り込むあたりはコメディー。なんで場内もっと笑いが起きないのかと不思議に思うほどおかしくて、特に北朝鮮のアナウンサーネタには爆笑。

後半はだんだん不穏な空気になって、クライマックスはこれも韓流らしいバイオレンスな展開になるのだが、この辺りはわりと予想の範囲内。
ストーリーは全く違うが、全体の構成はちょっと前に見たタランティーノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に似ている。

感心したのは貧乏家族のにおいの件。どんなに取り繕っても貧乏くささが匂ってしまうと金持ちのガキにまで指摘され、これに反応するお父さん役のソン・ガンホがさすがのうまさ。
豪雨の日に駆け降りる階段のシーンも絡み合う電線まで象徴的で印象に残る。

いろいろな意味で韓国らしさいっぱい、うまい映画だが、これがアメリカのアカデミー最優秀賞を取ったらびっくりかも。

それにしてもこの2本立て、自分の好みではあるが、続けてみると脳みそがウニになる。


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ボルネオ行きマレーシア航空の機内サービス

2020-01-28 22:39:00 | 機内食・映画・美術展

今回のボルネオ行きにはマレーシア航空を使用。

購入したチケットはもちろんエコノミーだが、KLへの往路はビジネスクラスへのアップグレードに入札してみた。
最低入札額は35000円、途中で「増額しませんか」とのメールが来たので2000円増額したところ、搭乗3日前に無事アップグレード成功のお知らせが来た。
ただし実際に搭乗してみるとまだ2つ空席があったので最低額でも大丈夫だったかも。
ついでに入札に楽天カードを使うと、前回のポーランド航空同様、支払いを拒否されたとのお知らせ。カード会社に問い合わせると海外からのオンライン決済は申し出がないと止めているとのこと。よほど不正利用が多いのだろうか。

さて当日、成田発KL行きマレーシア航空は今一番好きなA350。

 
ビジネスクラスの座席配列は1-2-1と1-2-2が交互に並び、1-2-1の左席は両脇にテーブルがあって一番広いが、当然この席はもらえず、真ん中席。ただし隣は来なかったのでラッキー。
 
フルフラットになるので足元広々、操作もスムーズ。モニターも大きい。
 各座席に薄いベッドマットとデュベが置かれているが、昼便なのでベッドマットは使用せず。
 
後からスリッパとアメニティポーチが配られるが、スリッパはかなり残念なペラペラの不織布製。

 飛び立って間もなく、飲み物とおつまみが来て
 昼食のスタートはマレーシアらしくサテー。チキンとビーフが各2本づつ、かなり甘めのサテーソースが掛かっているが、これだけでもかなりのボリューム。
 前菜は3択だったと思うが、チキンロールを頼むとこれがスパイスの香りが効いてしっとり、とてもおいしい。
 そしてメインに選んだフィッシュ・カレー、これが秀逸で辛すぎず風味豊か、まぐろとおぼしき魚も脂が程よく乗って、今まで食べたビジネスの機内食の中でも5本の指に入ると思うほどおいしかった。
 デザートはハーゲンダッツかフルーツ、これは盛り付けもお粗末でがっかりだが、食後のコーヒーやお茶の選択肢が多いのはうれしい。

8時間近いフライトなのでこの後はいつでもオーダーできる軽食もあったが、これだけの食事でお腹一杯、もう一食いただく余裕はなかった。

そのフライトの合間に映画を2本。
ただしラインナップはいまいち、特にハリウッド映画に見たいものがないが、これはマレーシア航空のせいばかりではないかもしれない。

そこで1本目は今回もインド映画。
 Zero
シャールーク・カーンとアヌーシュカ・シャルマ主演って、最近機内でこの人たちの映画ばかり見ている(笑)。

今回のシャールークは小人症、アヌーシュカは脳性麻痺で脚と言語に障害があると言う役。
この二人がいい年してまだ未婚、なので結婚相談所に登録していて出会ったという設定で、男の方は家族が、女の方は本人が、「こんなチャンスはもうないから」とすぐに結婚しようとするところがインドっぽい。
それぞれの障害を冗談にするところも日本ではありえないきわどい表現で、しかしこれはこの方がむしろあっけらかんとしていいかもしれない。

劇中にはインド映画らしく歌や踊りがいっぱい、特にシャールークがダンスコンテストでサルマン・カーンと対決するところなど、おお、と盛り上がる。
シャールークが結婚直前にドタキャンして会いに行くカトリーナ・カイフもわがままスターぶりが好演だし、なによりシャールークを小人症に見せる所はどのような特撮を使っているのか、全編を通してなだけにすごい。

ただしストーリーはかなり強引で無茶、いくらえくぼがかわいいからと無学なお調子者に障害があるとはいえ宇宙計画に参加する才媛が惚れるかね。
退屈することなく見られたけれど、もうちょっと短くても良かった気がする。

もう1本は珍しい所でマレーシア映画にしてみた。
 Sangkar
こちらは総合格闘技の選手たちのお話。
不幸な家庭環境から悪い仲間に入ってしまった主人公が、家族思いのまじめな好敵手を場外乱闘で全身麻痺にしてしまう。
警察に捕まりはしなかったが責任を感じて入院費の面倒を見たり、介護の手伝いまでするうちに相手の家族と心が通じて、というわかりやすいストーリー。

監督はインド系だそうだが、試合やトレーニングの場面はミュージックビデオのようでなかなかかっこいい。ただし血まみれの荒っぽい場面が多く、これとイスラムの教えが共存しているところが実に面白い。
映画を見るとその国についていろいろわかるのがいい。

主人公を演じたのはちゃんとした俳優で、この役のために相当トレーニングを積んだであろうことは体つきだけでもわかる。
マレーシア版ロック様みたいな感じで、この映画、予想以上に楽しめた。


KLからはサンダカンへ、2時間40分。
 機材は737-800でほぼ満席。
 こちらの昼食にも魚を選んだが、衣を付けて揚げた白身に甘辛のあんかけがかかった中華。ご飯がぱさぱさでおいしくないけれど、おかずは◎。


そして復路はコタキナバルから成田への直行便。
夜中出発の737-800は小型機でも3割ほどの搭乗率で、存続が危ぶまれるほど。
 
機材も相当古そうで、ビジネスクラスもフルフラットにはならない種類。
KKから成田の帰路はわずか5時間ちょっとの飛行時間なので、こちらはアップグレードするに値しない。

 小さなモニターに映っているのはイスラム教の「旅のお祈り」。飛行前に必ず映されるのが面白い。

夜中1時近くの出発ながら、機内食は夕食、朝食は出ない。
 食事は済ませていたので味見のためだけにもらったが、また選んでしまった魚の揚げ物がやっぱりおいしくて、マレーシア航空の魚にはずれなし。パプリカのサラダもかなりいける。

客席がガラガラだったのでこの後は3席を独占して横になることができ、2時間ほどはうとうとできた。

久しぶりに乗ったマレーシア航空、新機材のビジネスクラスはいいし、機内食はエコノミーでもおいしい。
CAのおねえさんたちのサービスにあまり愛想はないけれど、自分はエアアジアよりこっちがいい。


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「カルティエ、時の結晶」展@国立新美術館

2019-12-15 22:32:44 | 機内食・映画・美術展

10月から開催されていた展覧会に今頃気づき、閉会3日前に慌てて出かけた。

 
六本木の国立新美術館で開催中の「カルティエ、時の結晶」展。

週末は20時まで開館とのことなので土曜日の17時ちょっと前に行くと、「ただいま入場まで50分待ちです」と無情なお言葉。
しかしもうすぐ終わってしまうし、せっかく来たのだからと長い列の末尾に着く。
 こんなに人気があるとは思いもしなかった。
若いお姉さんたちが多いけれど、カップルのおデートも多い。

結局40分ほどで入場出来て、最初の部屋には一番の目当てだったミステリークロックが10点も展示されていて興奮。
1920年代に作られたアールデコのものが洗練されすぎていて、その後に作られたもの、特に最近のものは宝石で飾られすぎて無粋に見える。

その先にはハイジュエリーがいやというほど飾られて、途中からは本当にうんざりするほどのダイヤ、サファイヤ、ルビーにエメラルドなどなど、宝石の洪水。
カルティエの代表的なデザインが生まれたのは20世紀初頭で、その頃のものと、その流れをくむ最近のものが並べて展示されているのがとても興味深く、おっと思うものは自分の好みのためでもあるだろうが1910年代、20年代のものがほとんど。

カルティエの腕時計が生まれたのも1906年だそうだが、1910年代のサントスやトノー、タンクも展示されていて、これがまったく古臭く見えないのが驚異的。むしろ最近のものよりも100年前のカルティエ・ウォッチがほしい!

最後の部屋だけは写真撮影OKとなっているので、他の部屋も渋滞していたけれどここはさらに人の列が進まなくて大変。
 こんなウィンドウにみんなへばりつく。

この部屋には他文化や自然からモチーフを取られた作品が並んでいて
  
 
これらは日本風のデザイン。
 印籠そのもののヴァニティケースも1930年のカルティエ製。

動物がお得意のカルティエのパンテールももちろん展示されていたが、その他にも
  
鳥やへび
 
虎やワニまでジュエリーになっている。

 
でもやっぱり惹かれるのは100年も前のデザイン。

と、大いに目の保養をさせていただいた展覧会だったが、会場は「お好きな所からご覧ください」と動線が決まっていないので混雑していると非常に見にくく、各作品の説明もスタイル重視で小さな文字が暗い会場では読めない。

が、19時に会場を出ると入場の列はもうまったくなくなっていて、この時間に入れば悠々と会場を回れたはず。
空いた中で見られれば会場全体の印象もだいぶ変わっただろう、とその点がもったいない展覧会だった。


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「テルアビブ・オン・ファイア」@渋谷ヒューマントラストシネマ

2019-12-14 22:50:59 | 機内食・映画・美術展

すねこすりさんのブログで紹介されている映画に興味を持って、渋谷のミニシアター、ヒューマントラストシネマに初めて足を運んだ。

 「テルアビブ・オン・ファイア」 Tel Aviv on Fire

エルサレムに住むパレスチナ人監督によるこの映画は、パレスチナ側のテレビのメロドラマ脚本を巡るコメディー。
主人公のパレスチナ人青年はプロデューサーであるおじさんのコネでやっと番組のアシスタントに雇ってもらっているダメ男なのだが、仕事場であるラマッラと自宅のあるエルサレムの間の検問所でユダヤ人係官に絡まれ、脚本に口出しされるようになると意外にもこれが受けてしまって正式な脚本家になってしまう。

係官が脚本に口出しするのは実は奥さんが「テルアビブ・オン・ファイア」というパレスチナ製ドラマの大ファンだから、という設定から面白い。
パレスチナのテレビ局というのは実際にあるようだが、そこでメロドラマなど作られているのかどうかはわからないし、ましてその番組をユダヤ人が見るとはあまり考えられないのでここはファンタジーではないかと思う。

そのドラマの中ではパレスチナ人女性スパイがイスラエル軍の将校に近づくのだが、検問所のおやじはユダヤ人将校をかっこよく見せたくて、この二人が恋に落ちて結婚するよう脚本を変えろ、とダメ男のIDカードを人質に取ってまで迫る。
そんな無茶な設定、できるわけないじゃないかー、とダメ男がやっと頭を働かせるようになり、これをどう解決するかがラストのオチになっていて、これは本当に意外なオチで笑わせてくれる。

パレスチナ人の主人公が強引なユダヤ人おやじにあれこれ指図されながら、結構仲良く二人で脚本を書いて行くところもおかしい。
映画には検問所やパレスチナ人地区の高い塀なども出てくるし、中東戦争を経験したおじさんはドラマの主人公たちの結婚式に爆弾を持ち込もうとしたりして、現実のユダヤ人とパレスチナ人の関係はもちろんずっと厳しいだろう。
しかし反日だ、嫌韓だと言いながら韓国の若者たちが日本のアニメに夢中になったり、日本のおばさんたちが韓流ドラマにはまったりするように、エンタメは国境も人種も越えられる。
ファンタジーではなく、パレスチナとイスラエルの両方で受ける番組があったらどんなにいいだろう。
厳しい現実を皮肉や笑いに包んで見せるこの映画も大成功。

それにしても途中で出てくる「パレスチナ一番のフムス」がおいしそうで、これを食べにパレスチナに行きたいぐらい。
缶詰でもいいからフムスが食べたい!


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「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」@渋谷シネクイント

2019-10-24 19:04:06 | 機内食・映画・美術展

渋谷に行く用があったのでついでに映画を見ようと思い立ち、ラッキーにもまだ上映していたこちらを。
 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

クエンティン・タランティーノのオタク心炸裂、60年代の音楽やら映画やらTV番組のネタだらけで、タラは1963年生まれだそうだが自分はそれよりちょっとだけ年上なので、子供の頃とは言えネタの多くはリアルタイムで知っていて、それだけに大いに楽しめた。
逆に元ネタを知らない人には面白さの半分もわからないのでは。映画の後で若いお姉ちゃんたちが「なんのことだかわからなかった」と言っていたがそりゃそうだろう、お気の毒。

ローハイドやら逃亡者、FBIネタにニヤつきつつ思うのは、いかに昔はアメリカのTV番組をゴールデンタイムに放送していたかと言うこと。
おかげでアメリカと言う国のことがよくわかったし、今なら字幕放送でもすれば子供は簡単に英語を覚えてしまうだろうに。

車やファッション、化粧も懐かしかったが、食品パッケージなどまで凝りまくっていて、特にドッグフードの「ネズミ風味」には笑った。

タラがやりたかったのは60年代の再現だったのか、ストーリーは結構ゆるく、その代わり主演のデカプリオとブラピにはたっぷり見どころが用意されていて、監督はこの二人が好きなんだろうなあ、と思う。
デカプリオはさすがの演技のうまさ、ブラピはもう55歳というのにこんなにいい男だったっけというほどかっこいい。

シャロン・テート役のマーゴット・ロビーはそれほど本人に似せている感じではないが、天真爛漫な感じが良く出ていて、この女優は最近のお気に入り。
それよりちょっと出てくるスティーブ・マックィーンが本人に驚くほどそっくり、「大脱走」の場面は爆笑ものだし、ブルース・リーのくだりも遺族からクレームが付いたそうだがおかしい。

ゆるいストーリーの締めは来るぞ、来るぞ、と思わせておいてタラらしい、けたたましい大残虐シーン。
そのくせラストは「ええ~?」という肩すかしに、そう来るか。

久しぶりにハリウッド映画を楽しんだ。
ひねくれてるけど、そこが好き。


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「正倉院の世界」展@東京国立博物館

2019-10-16 19:44:21 | 機内食・映画・美術展

台風明け、開幕早々におでかけされたtrintrin様がまだ空いていると報告されていたので、今のうちに、と東京国立博物館の「正倉院の世界」展へ。

「御即位記念特別展、皇室が守り伝えた美」と立派な副題がついているが
 
平日午後ならまだこんなにガラガラ。展示品の数も会場の広さに比べて少ないので、かなりゆったり見ることができた。

trin様流に言えば「舶来ブランド物好きの旦那のコレクションを米蔵に入れた」正倉院御物、確かにシルクロードの香りプンプン、とにかく1200年もよくぞ残してくれたというものばかりで、中でも工芸品好きの自分が楽しかったのは布物の数々。
エキゾチックなライオンや羊などが織り込まれた錦など断片でも興味深く、元はどんな色だったのだろうと想像するのも楽しい。

正倉院では床や箱の隅にたまったゴミやチリでも捨てることはなく、すべて糸くずから金属のかけら、木片などとより分ける作業をするそうで、そのさまを映したビデオを見ると気が遠くなりそうだが、頭が真っ白になりそうなあの作業はちょっとやってみたいかも。
拾い集めた断片が大きな品の欠損部分にぴたりはまることもあるそうで、そんな時はどれだけうれしいやら。

もう一つ今回の展示で楽しみにしていたのは高名な香木である「蘭奢待」。
正式には「黄熟香」と呼ばれる沈香だそうで、織田信長や明治天皇が切り取ったのは有名な話。
実物を見るとずいぶん大きなもので、これだけ大きければ少し位もらったっていいよね、と思うのも無理はないかも。
切り口には上記二人の他に足利義政の名札も付いていて、近くで見ていた人「義政が一番でっかく切ってるじゃん」。
信長の切り取り跡は明治天皇より小さいと思う。

 展示の最後には記念撮影コーナーがあって、ここには今回の展示の最大のスターである琵琶のレプリカがあるが
  
 
これらとて120年前の明治時代に作られた素晴らしいコピー。
工芸品の場合には技術を残すためにもこういうコピー制作が大切だろうし、オリジナルの展示室で流れていた最新のコピーの演奏音もとてもよかった。

特別展の外にあるショップも今回はグッズを作りやすかったのか、品物豊富で大盛況。
 細かい鳥の絵の付いた碁石を模したマーブルチョコまであって、今回は趣味がいい(買わなかったけど)。

 見学後は中庭のキッチンカーで揚げ焼きパンとイチゴミルクなどいただいて
 上野公園では青森物産展などやっていたもので
 紅玉や漬物などついお買い物。

上野は楽しい。


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初めてのポーランド航空の機内サービスと映画

2019-10-12 16:19:23 | 機内食・映画・美術展

今回のポーランド行きにはポーランド航空の直行便を選択。

購入したチケットは当然エコノミーだが、プレエコへのアップグレードを最低金額で入札しておいた。
すると出発4日ほど前に「登録されたクレジットカードで引き落としができなかった」とのメールが入り、別のカードで再入札したがあえなく失敗。
初めのカードが有効であればアップグレードできたかもしれないと思うとなんとも残念。

というわけで、当日はB787のエコノミーで出発。
 
8割以上座席の埋まった機内は日本人よりヨーロッパ人が多い。
座席間隔はエコノミーとしてはこんなものだろう、フットレストはあるが途中で止まらず下りきってしまうので意味なし、タッチパネル式のモニターはそこそこの大きさ。

 飛び立ってしばらくすると飲み物とピーナッツが配られて
 選択した機内食は鶏照り焼き。タレがいささか甘すぎるが、キヌアとポテトのサラダもついてまあまあの内容。

さあ、それでは昼間の飛行、映画を見ましょうとラインナップを見るが、ハリウッド映画は新作がほとんどない。あるのはアメコミの実写版ばかり。
そこで選んだのはインド映画。まず1本目は
 Sui Dhaaga: Made in India

親戚のミシン店に勤めていた主人公、屈辱的な待遇に耐えかねて店を飛び出すが、母親が心臓病になったりして金に困る。
そこで得意の裁縫の腕を生かそうと奮闘するも、自分のミシンを持っていないので苦労する。
ここで無料でミシンをもらおうとまた苦労する一場面が出てくるが、これは貧困層救済事業の一つなのだろうか。

ここで主人公と共に苦労する若妻役が「PK」や「スルターン」に出ていたアヌーシュカ・シャルマ。
貧しい主婦役なので終始地味なサリー姿で最初はこの人と気づかなかったぐらいだが、けなげに姑に仕え、夫を励まして、この人は本当に演技がうまい。無料のミシンをもらうのに苦労するところなど、もらい泣きしそうになった。

親戚のせこい奴らにひどい目にあいながら、主人公は周りのムスリムや町井の職人たちの手を借りて、やがて自分のデザインでファッション・コンクールに出場する。
この場面でアヌーシュカがやっとゴージャスな姿を見せてくれて、お約束とは言えこれもいい。

予定調和の結末ではあるが、こういう映画はこの方が気持ちいいのだ。

続く2本目もまたインド映画。
 Swades

ボリウッドの大スター、シャールーク・カーンの主演だが、2004年の映画なのでシャールークが若い!
そしてNASAの科学者役なので背広ネクタイ姿の登場、これがまたかっこいい。

この育ちもいいであろう科学者が子供のころ世話になった乳母をアメリカに呼ぼうとインドの田舎の村に出かけていく。
そこで学校教育に身を捧げる美女と恋に落ち、インドの貧困や差別も目にしてアメリカでのキャリアに悩むというストーリー。

これまたお約束のストーリー展開ではあるが、インド映画は社会問題を娯楽映画に絡めるのがうまいと思う。

さらに3本目、せっかくポーランドの飛行機に乗っているのだからポーランド映画を見ようと思うが、選択肢は多いものの何を選べばよいのかまったく手掛かりがない。

そこで選んだのは中編ドキュメンタリー映画。
英語のタイトルが「Treasures in the River」となっていたが、ワルシャワを流れるヴィストゥラ川から17世紀の遺物を引き上げる話。
というのもポーランドは16世紀に黄金期を迎え、銅や塩の貿易で大変な繁栄を見せたのだが、それを狙ったスウェーデンに1655年から5年間侵略を受け、この時にワルシャワが被った破壊は第二次世界大戦時以上だったというのだからすさまじい。
スウェーデン人たちは宝石やら美術品、家具、衣類などはもちろん、大理石の床から柱まで船に乗せて運び去ったと言うことで当然沈没した船も多く、映画の中で引き上げられる柱など見ると当時の技術で一体どうやって運び出したのだろうと思うほどの大きさ。

ポーランドのこととなるとこのたぐいの侵略の歴史を知らずにはすまない、とこの後の旅行で学ぶことになった。

やがてワルシャワ到着が近づいて2食目の機内食。
 パスタはやっぱり機内食向きではないと思う。カピカピ。


そして帰路。
まずはヴロツワフからワルシャワへの国内線。
 小さなエンブラエル190は変なペイント、と思ったら製菓会社とのタイアップらしく
 40分ほどの飛行中にはこんなお菓子と水が配られた。
それにしてもポーランドはウェハース菓子の好きな国だ。

 ワルシャワから東京への便は今度は圧倒的に日本人が多くて満席。
帰路もプレエコへの入札は空振りでエコノミー。

機内食には期待できないから、とラウンジで食べておいたのが大正解。
 すぐに出されたローストポークはこのしょぼさで食指もわかず、メロンだけいただいたがこれは意外に甘かった。

映画は友人が往路に見て面白かったというのでこちらのイギリス映画を選択。
 「世界一キライなあなたに」 Me before You

2016年にこんな映画があったとは知らなかったが、この日本語タイトルはいかがなものか。

お話は労働者階級の女の子が事故で首から下の自由を奪われた上流階級の御曹司の世話をすることになり、心を閉ざしていた彼と交流しつつ、自分も影響を受けて変わっていくと言うもの。

障害者役のサム・クラフリンが超イケメンで、顔だけしか動かせないのに魅力的。
実際に同じような障害を負ったクリストファー・リーヴに似ているように思ったが偶然だろうか。
調べるとこの後に「レイチェル」の主役もやっているが、やはり機内で見たこの映画ではあまり魅力がなかったのはなぜだろう。

ヒロインの方は素っ頓狂なファッションのエミリア・クラーク。
眉毛が良く動いて表情豊かだが、ちょっと豊かすぎてうざいかも。
ただしこの女優さんは役によって化けそうな気もする。

この後は3時間ほどうとうとして、配膳のカートを座席にぶつけられて目を覚ました。
往路は普通だったサービス・スタッフ、帰路はかなりひどくて、食事の後は飲み物を持って回ることもなく、トイレのペーパーの補充もしないので最後の方はペーパータオルまですべてなくなっていた。

 最後の機内食はキッシュだったが、これも見ただけで終了。

飛行時間の割に帰路はひどく疲れて、ワルシャワの出発ゲートではビジネスクラスへのアップグレードを45000円だったかで盛んに勧誘していたが、あれに乗ればよかったか。

ポーランド航空は安く、早くヨーロッパに行けるし、空港も小さいので乗り継ぎも楽だと思うが、少なくともエコノミーの機内サービスには期待しない方がいい。


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リアル三国志@東京国立博物館

2019-09-11 17:21:15 | 機内食・映画・美術展

台風一過、残暑厳しい中を上野におでかけ。

 
NHKが盛んに宣伝していた「リアル三国志」に誘われたのだが、いつも素早いtrintrin様情報でオタク男子率高しと聞いたので9月に入ってからの平日昼間に行ったらシニア率高くて、やっぱりかなりの盛況。しかしおしゃべりおばさんは少ないのが救い。

会場に入って正面、スポットライトを浴びて目立つのは関羽様。
 
へましてごめ~ん、と謝る張飛像なんてのもあって、しょっぱなからニヤニヤしてしまう。

三国の主役たちは昔NHKに登場した川村喜八郎の美しい人形で紹介。
   
 要所要所には横山光輝の漫画の原画も展示されていて、このわかりやすさは素晴らしい!

実際自分など三国志の知識は一部吉川英治(途中で脱落した)、ほぼ横山光輝なので
 劉備ってムシロ売りじゃなくて公職に付いてたんだ、といまさらながらお勉強になって楽しい。
それにしても曹操、孫権の紹介では二人がいかに優れた為政者であったかと解説されているのだが、劉備に関してはそういう説明がない。小説を読んでいても、自称漢王室の末裔と言う以外に関羽や諸葛孔明と言った切れ者の部下が忠誠を誓う理由がよくわからない。
部下をうまく使う人、必ずしも本人が有能である必要はないということだろうか。

展示品はなにしろ1800年も昔のことだから墓からの出土品がほとんど。
一番興味があったのは10年前に発見されたばかりという曹操の墓だったが
 
こんな造りになっていますという配置模型と質素な焼き物が並ぶだけ。
曹操と言う人、自分の墓などに金をかけるなと遺言したのは本当だったらしく、かっこいい!

他の墓から出土したのは死後の世界でも豊かに過ごせるようにと言う意味だろう、穀物倉の模型がいっぱい。
  
中に豚便所の模型があるのは、来世にも便所が必要ってこと?

動物をかたどったものも多くて
 
ヒョウなどそのままカルティエのブローチになりそうだし、象もリアル。
  
これが1800年前のものとは、さすが4000年の歴史の中国。
 
こんな犬もいるし
 
龍の肩にはキョエちゃんまでいるけど。

この特別展、考古学的価値は別にして展示品のほとんどは正直とても地味。
しかし先の人形や漫画に
 映画「レッドクリフ」を思い出させるようなこんな矢の展示があったり、なにより全作品写真撮影OKということで自分なりの記録ができるのがいい。
最近のトーハクは頑張っていると思う。

三国志世界を満喫した後は
 法隆寺館の抹茶パフェで一息入れて
 帰る前に本館の特別企画、「奈良大和四寺のみほとけ」の部屋をさくっと。
奈良・平安時代のかなり大きな仏像も並ぶ中、一番魅かれたのは
 岡寺の小さな半跏思惟像。
これは岡寺のHPから借りた写真だが、正面から見るお顔がやさしくてうっとり。

さて、今回の来館を機に前ほどお得じゃなくなった、と文句を言いつつ、また年間プレミアムパスを買ってしまった。
 今年は5000円で、全国の国立博物館4館の通常展は入り放題、特別展は東京のみ4枚のチケット付き。
次は正倉院展だけれど、激混みになりそうなこの展覧会、いつ行ったものだろうか。


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モンゴル行き大韓航空の機内サービスと映画

2019-08-05 15:24:16 | 機内食・映画・美術展

今夏のモンゴル行きはソウル経由の大韓航空。

成田から仁川へはB777-300でわずか2時間の旅。

なので離陸前からなるべく時間内に見終わるものをと映画を物色して
 鶏のあんかけご飯を食べながら映画鑑賞。
ちなみにこのご飯は想定通りのお味、以前はよく配っていたコチュジャンが見当たらず、周りの韓国人の皆さんももらっている様子がないのはどうしたわけか。
チョーヤのパウチ入り梅ゼリーがさっぱりして、乾燥した機内のデザートにはぴったり。

選んだ映画は98分とコンパクトなこちら。
 Stan & Ollie
この地味な映画が「僕たちのラストステージ」というタイトルですでに日本公開されているとは知らなかった。

スタン・ローレルとオリバー・ハーディーは1930年代のハリウッドで大人気だったコメディチームで、さすがにリアルタイムで見ていたわけではないが、自分の子供の頃にはテレビで見たことがあるように思う。
そんな二人のキャリア最晩年、イギリスで興行をして回ったさまをスティーブ・クーガンとジョン・ライリーが本物そっくりに演じて見せる。
この二人の芸達者ぶりが、特に最後の舞台など見事なのだが、映画としては平たんで盛り上がりがなく、引退間際の話が話だけに地味の一言。
ハリウッド黄金期のスターの話なのだからもう少し毒があってもいいと思う。
正直98分と言う短さにもかかわらず、いささか退屈してしまった。

 ソウルからモンゴルのウランバートルまではA330-300で4時間弱の旅。

こちらで大韓航空の傑作機内食、ビビンバが出るかと期待したが
 あれは長距離でなければ出ないようで、残念ながら鶏肉ハンバーグのような料理。でもこれも、カップにたっぷり入ったかぼちゃサラダも東京からの機内食よりうまし。

今度は時間の余裕があるので少し長めの映画を、と選んだのは
 「ホテル・ムンバイ」 Hotel Mumbai

2008年に起きたムンバイ同時多発テロ、駅やカフェの襲撃から映画が始まり、舞台は何百人もの宿泊客のいるタージマハル・ホテルへ。
客を守ろうとするフロント係が情け容赦なく殺されてしまう場面などショッキングだが、そんな中奮闘するインド人シェフがかっこいい。
もう一人奮闘するウェイター役をまたデヴ・パテルがもらっているが、主役とは言え超人的な活躍をするわけではなく、他にも「えっ、この人がこうなっちゃうの?」と言うような役がいくつもあってそれがかえってリアル。

とにかく最初から最後まで緊迫感がすごくて、初監督というオーストラリアのアンソニー・マラスはたいしたもの。
エンド・クレジットには犠牲者174人のうち多くはタージ・ホテルのスタッフだったこと、にもかかわらずこのホテルが見事に復活したことが告げられるが、ここはもうちょっと盛り上げても良かったかも。

9月に日本公開されるらしいが、この映画はおすすめ。


帰路のウランバートル発ソウル行きは夜11時過ぎの出発。

夕食をたらふく食べていたので
 この鶏の辛い煮込みは見ただけ、映画も見ずにお休み。

ソウルで長いトランジットを過ごし、
 東京行きは10時20分に出発。

 ビーフを選択したら結構甘い味付けのプルコギで、これこそコチュジャンがちょっとほしかった。

最後の映画はこれも106分と短さで選んだ
 Saint Judy
アメリカの移民専門弁護士、ジュディ・ウッドと言う人の実話だそうで、国に帰れば親族に殺されかねないアフガン女性を亡命者として裁判所に認めさせるお話。

女性と言うだけでは弱者として亡命は認められないという裁判所に「女性だから」ではなく、「弱い立場の少数派だから」と言う理由で認めさせ、最終的には「弱い女性の保護」を認めさせたのだとか。
「我々の仕事は以前は移民希望者を助けることだったが、今はそうではなくなってしまった」というようなセリフが劇中にあることがこの映画が今作られる意味を示していて、そういうところがアメリカ映画の良心。

しかし同時に「アメリカに生まれて幸せ」とアフガニスタンなどほかの国を否定するようなセリフには「おい、おい」と思ってしまうし、思わせぶりな脇役がいろいろ登場する割に彼らがほとんど活躍しないのは脚本があまりうまくないと思う。
最後にジュディ・ウッド本人が出てくるのも、でずっぱりで頑張った主役のミシェル・モナハンのイメージが崩れて必要なかったんじゃないだろうか。


それにしても今回の大韓航空、韓国映画は4本しかなくてしかも食指の動くものはなく、これはちょっと期待外れだった。


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