Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ブータン戴冠式ツアー 3

2008-11-19 23:18:35 | ブータン
11月7日

戴冠式祝賀行事2日目。

今日は会場が泊まっているホテルのすぐ裏のチャンリミタン競技場。徒歩3分とはいえ、昨日の盛況ぶりに恐れをなした添乗員は朝食を6時半からに設定した。
食後にまたゴやキラを着付ける予定だったが、「今日は昨日以上に早く人が集まっています。着替えるのはやめてすぐ席取りに出かけましょう」ということで7時過ぎには早々とホテルを出る。

するとホテルの前には既に人の列。またセキュリティーゲートを設け、手荷物検査をしているのだ。そして今日もカメラの持ち込み厳禁。せっかくの機会に、ああ、残念。

列が出来ているとは言えまだそれほどの長さでもなく、今日はおとなしく最後尾につく。が、ぼやぼやしていると今度はブータン人が横入りしてくる。私たちの前にも若い坊主が二人、三人、四人。昨日の今日でおあいこだ。

会場の周りにはおまわりさんが一杯。ブータンにこれだけおまわりさんがいたというだけでもうびっくりするぐらい。
 
婦警さんもいっぱいいて、坊主頭にベレーをかぶった勇ましい子も多い。がボディチェックの時に小声で「触っていい?」と言ってからおずおず触るなど、実にかわいい。

ゲートを通って収容人数4万人のスタジアムに入ると、7時半で既に7、8割席が埋まっている。その中でやけに人の少ない一角、そこは外国人観光客のために確保されていて、我々もありがたくそこに座らせてもらう。今日もまたブータン人に申し訳ない。

日は次第に高くなり、今日もまた雲ひとつないピーカン晴れ。またもや屋根のないスタジアムで、配られた小さな国旗がかろうじて日よけの役を果たしてくれる。


じりじり陽に焼かれつつ待つこと3時間、10時半近くなってようやく正面のVIP席が埋まってきた。
 Bhutan Observer 紙より
ずらりと並んでいるのは新国王の弟妹たち。前国王には王妃が4人いるので兄弟もたくさんいるのだ。

王妃様方も入場されて、次に入ってきたのは前国王。憧れの君はしかしあまりに遠く、表情までうかがうことが出来ないのが残念。

前国王は貴賓席に着くことなく門の前で待機。そしてやってきたのは今回のメインゲスト、インドのバティル大統領。さらにソニア・ガンディーとその娘一家もVIP席に着く。

今回の戴冠式、日本の皇室からも1人ぐらい出席するのかと思っていたが、外国のロイヤルファミリーに招待状は一切出されておらず、招待客は各国の大使たちだけ。そんななかでメインゲストはインドの大統領。実質インドの属国であるブータンの立場がよく現れている。

この後、ようやく新国王が入場。パパと一緒に貴賓席に上がり、やっとフィールドが動き出した。

で行われたのは近衛兵、ブータン陸軍、ブータン警察、婦警隊の閲兵式。延々と行進が続いたが、ずいぶん練習したんだろうな、と思わせる、ブータン人らしからぬ統制のとれ方。

この後、国王がジープでフィールドを一回りし、貴賓席に戻った所で国民に向けて初めてのスピーチ。かなり長いスピーチを原稿も見ずにされていたが、ゾンカ語でなされたこのスピーチ、翌日の英字新聞によると次のようにおっしゃっていたらしい。

いわく「私は支配者として統治するのではなく、皆さんを親のように守り、兄弟のように気遣い、息子のように奉仕したい。すべてを皆さんと分かち合い、何も私しない。」
また「この国の将来は子供たちにかかっている。私は彼らの見本となるよう努めたい。」
わかりやすくて実にいいスピーチではないか。ブータン人の評判もたいそうよかったらしい。

この後は様々なお祝いの踊りが続く。お坊さん達による宗教的なものあり、子供たちや村人によるものあり。広いスタジアムにいろいろな図形を描いて、こちらもずいぶん練習したんだろう。

そうこうしているうちにお昼もだいぶまわった。食事休憩があるらしいと言うので、出口が込み合う前に早めに会場を出る。

スタジアムの前にはテントの出店が並び、ブータンとしては大変な人の出。
 
  
綿菓子に群れる小坊主がいたり、晴れ着でアイスクリームをなめる子供がいたり、お祭りの縁日のようだ。

そんななか、正門の前にはこれからでも入りたいと言う観客が大勢押しかけている。
 後から聞いた話では朝、入場の列は何キロにもなり、入れなかった人たちが押し合って一時は大変だったのだそうだ。

この後、午後はスタジアムには戻らず観光に出かけてしまったが、会場では王様がまた観客席を回り、国民と身近に接したらしい。

若いのによく出来た王様、とまた感心してしまった。


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コメント (4)
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