Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

シリア周遊 2 ウマイヤド・モスク

2009-05-20 02:58:03 | 中近東/北アフリカ
4月30日

朝、ホテルの中庭で朝食をいただく。
 
物静かなお兄さんにサーブされつつ、オムレツや果物もいただいて、優雅な一日の始まり。

ダマスカスの観光のスタートはやっぱりウマイヤド・モスクから、と昨晩も通った道を歩く。
 店もまだ開かない朝の道は静かで、夜とはまた違った顔。

とは言えパン屋やお菓子屋さんはもう開いているもので
 
つい寄り道、つまみ食い。

モスクの裏側を通って、今朝はちゃんと外人用入り口から入る。ここで入場料の50ポンドを払い、フードつきコートを着て、まずはすぐ裏側にあるサラディーン廟へ。
  
 
サラディーンは12世紀のアラブの英雄。十字軍からエルサレム以外のほとんどの土地を取り返し、なおかつ敵にも騎士らしい寛大さを示し、心あるヨーロッパ人からも尊敬されたという。そんな騎士崇拝からだろうか、現在のこの廟は1898年にドイツのカイザー・ヴィルヘルム2世が再建したもの、2つ並ぶ棺の白い方もヴィルヘルム2世の寄進だそうだ(実際の棺は緑の布がかかった方)。

そもそもサラディーンのことを知ったのは子どもの頃に買ってもらった子供のための百科事典のような本だった。その1ページにサラディーンとイギリスのリチャード獅子心王が対決している絵があり、イギリスの王様よりアラブの王様がずっとかっこよく見えたのだ。

実際サラディーンとリチャードが直接対決した事実はないそうだが、サラディーンは知れば知るほど高潔で素晴らしい統治者。一武将からスルタンまでのぼりつめながら、自分のための贅沢などは一切しなかったという。そのためか再建されたこの廟もアラブ一の英雄のものとはとても思えないほどの簡素さ。他にお参りする人もいない静けさもこの場にはふさわしく、ここに来られて良かった!

なおサラディーンについてはこちら↓のブログにとても詳しい特集がある。
写真でイスラーム
サラディーンのこと、もっと多くの人に知ってもらいたい。

英雄へのお参りが済んだ所で昨日も入った西門に回る。
 ここから明るい日の差す中庭に入ると
 
参拝者がいっぱい。
そして入ってきた方の壁や天井を見上げれば
  
 
金色のモザイクが美しすぎる。今はほとんど西側の壁にしか残っていないこのモザイク、8世紀の創建時にはすべての壁を覆っていたというのだからすごい。
 有名な正面のファサードも
 
見れば見るほど細かい装飾にうっとり。

中庭を堪能した所でやっと礼拝堂の中に入る。
 
 
内部は驚くほど広く、ステンドグラスやアーチを多用した柱のせいでどこかキリスト教会の香りもする。

 礼拝堂の中でも人気を集めているのはこちらの聖ヨハネ廟。中にはヘロデ王に切られた聖ヨハネの首が収められていると信じられていて、聖ヨハネはイスラム教徒にとっても大切な預言者なので祈る人が多いのだそうだ。
キリスト教とイスラム教の近さがよくわかる。

ウマイヤド・モスクはここを訪れるためだけでもダマスカスに来る価値がある。


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コメント (5)
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