Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

キプロスのギリシャとトルコ

2010-08-19 17:36:04 | ヨーロッパ
キプロスが分断国家であることは出発前から知識としては知っていた。

南側はキプロス共和国という独立国であり、グリーンラインと呼ばれる緩衝地帯の北側はトルコに占領され、トルコのみが認める「北キプロス共和国」である、うんぬん。

しかしキプロス紛争の勃発から35年が経ち、2003年からは北と南の間の通行もかなり自由にできるようになったと聞いていたので緊張は緩んでいるものと思っていた。

しかし実際に行ってみると分断国家の現実は厳しい。

北のトルコ側に行けば
  
白い「北トルコ」の旗の隣には必ず赤いトルコ国旗があがり、いたるところにアタチュルクの銅像やら肖像やらが見える。

がこれはある程度予想していたこと。
驚いたのは南の方で、EUにも加盟している独立国でありながら、白いキプロス共和国国旗以上にギリシャの国旗がやたらと目に付く。
  
海岸でも、大司教の宮殿前でも両方の国旗がはためき、
 修道院などキプロスの国旗すら上がっていない。
ギリシャ正教の修道院とはいえ、ギリシャの領土ではないだろうに。

ギリシャ系のガイドに聞くと、「自分達はあくまでキプロス人であってギリシャの一部とは考えていない。学校などに必ずギリシャの旗が立っているのは、トルコ人とギリシャ人を分断統治しようとしたイギリス人のせいだ」と言うのだが、それなら独立した後までギリシャの旗を掲げる必要はないではないか。

ギリシャ系とトルコ系の確執はオスマントルコに占領された16世紀にまで遡り、70年代の紛争時にはギリシャの軍事政権やらアメリカのCIAまでからんでやたらと複雑。ギリシャ系は独立よりもギリシャの一部となることを望むことの方が多かったようだし、簡単に「1つのキプロスになりましょう」とは到底行かないことが現地に来れば実感できる。

キプロスは予想とは違い、能天気なリゾートなどではなかった。


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コメント (2)
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