Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

奈良で仏像三昧 2日目

2017-05-30 17:26:42 | 国内旅行
駅前ビジネスホテルのかなりしょぼ~い朝食をいただいたら、
 すぐそばのバス停から20分で唐招提寺へ。 

 
ここに来たのは何十年ぶりだろう、開門間もないせいか人の姿も少なく、個人ガイドさんの声ばかりが響く。
 
美しい柱の金堂でご本尊の廬舎那仏、奥の講堂で弥勒如来に手を合わせて優美な奈良時代の建物を愛で、
 
鎌倉時代の鼓楼や、かつては僧坊であった礼堂・東室の脇を抜けて奥へ。

 有名な鑑真和上のオリジナル座像が納められた御影堂は毎年3日しか公開されないとのことで、ここは門から覗くだけ。

さらに静かな道を土壁に沿って歩いて行くと奥まった所に鑑真和上の御廟がある。
 
門を入ってまっすぐに伸びる道の両側には緑の苔がびっしりと生え
  
頭上の青もみじも小さな池も清々しくて、なんと気持ちの良い場所だろう。
御廟も質素極まりなく、伝え聞く鑑真和上にふさわしいように感じられる。

ここから門の方に戻ろうとすると、途中に新法蔵という博物館があった。
 あまりにもひっそりしているので開いていないのかと思ったが、期間限定の公開中。
中に収められた仏像は欠損のある物が多いが、奈良時代の古いものばかりでどれも素敵。
 特に頭部と両手の欠けたトルソーはギリシャ彫刻にそっくりで、ここは覗いて良かった。

新法蔵には金堂の屋根上にある鴟尾のオリジナルも展示されていて
 外に出ると思わず現在の鴟尾を見上げてしまう。

最後に出口そばの売店に寄ってみると、ここがなかなかの充実度。
 
各寺にある売店の中でもここは品ぞろえのセンスが良くて、思わず「天平の甍」や「唐招提寺の塗香入りハンドクリーム」まで買ってしまった。

気持ちよく唐招提寺を出たら、
 川沿いの道を10分ほど歩いて薬師寺へ。

 広ーい境内のまずは玄奘三蔵院伽藍に入り
 
三蔵法師にご挨拶。
 その奥の大唐西域壁画殿には平山郁夫画伯の砂漠やヒマラヤを描いた力作が並んでいるが、なぜか顔料が高かっただろうなという感想しか湧かない。この違和感はなんだろう。

道を渡って白鳳伽藍の方へ行くと
 紅白幕が張られた中に大勢の人が座って、なにやら行事が進行中。
 
何でも食堂の復興工事が完了したとのことで、本日はその落慶式。
現在は東塔も解体修理中で、このお寺は常にどこか工事中なんじゃないだろうか。

それというのも天武天皇の時代に始まったこのお寺の古い建物はほとんど戦国時代までに焼かれてしまい、

おかげで立派な金堂も大講堂も昭和、平成の建物。

ただし中に祀られた薬師三尊や弥勒三尊は白鳳時代のもの。
よくぞ残ったものよ、と修学旅行生に囲まれながらお参りして
 これは鎌倉時代の東院堂で聖観世音菩薩にもお参り。

 南門から薬師寺を出たら、広い駐車場にあるバス停から次の目的地、法隆寺までは約40分。
奈良ってほんとに広い。

ここもずいぶん久しぶりの法隆寺。
 
こちらも中門が修復中で、どこにもネットの掛かっていないお寺はないんじゃなかろうか。

ここで京都在住ながら法隆寺は小学生の遠足以来という友人と待ち合わせ、
 
おなじみ五重の塔や、飛鳥時代の仏像を祀る金堂を見学。
  
周りの回廊も国宝だとか、五重の塔の柱には龍や象がいるとか、ガイドさんがたくさんいるので情報もいろいろ耳に入る。
団体は次々にやって来るが、皆ほとんど立ち止まることもなく行ってしまうので意外に見学の邪魔にはならない。
自分の修学旅行もこんな感じで、何も見ていなかったのだろうな。

昔はなかった大宝蔵院で百済観音様にお目にかかったら
 
少し離れた夢殿へ。
夢殿と言えば聖徳太子、聖徳太子と言えば「日出処の天子」で、東大寺では「火の鳥」を思い出していたし、歴史の知識はすべてマンガ由来というのがなさけない。

夢殿の裏からは隣の中宮寺につながっていて、
 
こちらで一番好きな仏像の一つ、菩薩半跏思惟像に再会。この仏様、ずっと弥勒菩薩だと思っていたが、堂内で流されるテープでは観音菩薩と言っている。そうだったの?

と、この小さなお寺の参拝で今回の奈良仏像めぐりは終了。
たった2日ですごい数の仏像を拝んでしまった。

この後はバスで奈良中心部へ戻り、友人と食事をしてから近鉄特急で京都へ、京都からはのぞみで東京へ帰還。
さすがに帰路まで夜行バスに乗る気力は残っていなかった。


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コメント (2)
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