朝食後、ホテル近くのバス停から63番のバスに乗車。
座席の柄が京都らしくてかわいい。
烏丸御池から終点まで、太秦映画村や嵐山を通ってちょうど一時間。
一本だけきれいに紅葉したもみじを見ながらたどり着いたのは西芳寺、通称苔寺だ。
苔寺と言えば高校の修学旅行で来たけれど、それ以来なんと45年ぶりの訪問。
あの頃は京都でもド定番の観光スポットだったけれど、あまりの観光客の多さに庭が荒れ、1977年からは往復はがきで予約が必要と敷居がぐっと高くなった。
現在では拝観料も3000円と高くなり、この春からはオンライン予約も可能になったがその場合は4000円とさらに高額。
ならばいっそどんなものか見てみよう、と物好きの虫が騒いでやってきた次第。
門の前でおなじく物好きな友人と待ち合わせ、大枚4000円と引き換えにとても丁寧なお寺のスタッフから筆ペンを一本いただく。
そしてまずは本堂へ。
と言うのもお庭の見学の前にこちらで写経を済ませ、本尊の阿弥陀如来に手を合わせる決まりになっているから。
写経は「延命十句観音経」といって4,5文字が十句だけなのでごく短時間で。
写真はHPより
そのお経をご仏前に奉納。
本堂は1969年に建てられたそうで襖絵もモダン。
本堂を出たら竹林の脇を通って
ようやく庭園へ。
高額の拝観料なので来る人もまばらかと思っていたが、開門時間には次々に参拝者がやってきて本堂には結構な人がいた。しかしお庭に入ればかなりの広さなのでそれなりにばらけて、これならゆっくりとお庭を拝見できる。
「心」の字になっているという黄金池の周りをめぐる庭園。
歩くにつれて景色が変わる。
そして地面を覆うのはもちろん一面の苔。
この庭には120種類もの苔が自生していて、苔は冬でも乾燥しない限りは緑のままなのだそうだ。
ここを訪れたのは10月31日で紅葉の盛りにはまだちょっと早かったけれど
青、黄、赤の三色のもみじもきれいで、赤い落ち葉は苔に映える。
修学旅行でここを見てもその価値は少しもわかっていなかった。
外国人が入れず、面倒な予約システムに高額の拝観料でもこれだけの参拝者が来る西芳寺。
庭を守り、本当に見たい人だけがゆっくり見られる現在のシステムは正しいのだろう。
久しぶりに来てよかった。
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