7月23日
今朝はテントから出てみると一面の雲でどんよりした天気。
ではあるが、今日は一日このツァガーン渓谷に滞在。川の向こうに遠出をする。
ウルギーから帰路のために来てくれたロシア製バンに乗って、まずは真っ白な川を渡り
キャンプ地の向かい側、山をちょっと登ったところにあるゲルをまずは訪問。
ここは氷河から荷物を運んでくれたラクダ使いのおじさんの家。
ラクダ17頭にヤク80頭、ヤギや羊は900頭所有しているというおじさんはモンゴル族やカザフ族ではなくトゥバ族。ロシアのトゥバ共和国に20万人ほどいるが、モンゴル国内では1500人ほどの少数民族とか。
ゲルの造りは以前に訪問させてもらったカザフのゲルより確かにちょっと屋根が低く、壁に刺繍などもなくて地味だが、このゲルは二人で1時間もあれば建てられるとのこと。夏はここで放牧をして、寒くなったらもっと低地の冬の家に移るらしい。
例によってほぼミルクのスーティ・ツァイをごちそうになり、ストーブで沸かしていたヤク乳も味見させてもらったが、意外にあっさりして自然の甘みがあり、飲みやすくておいしい。
我々のスルーガイドが革袋から汲んでいるのは馬乳酒で、運転手氏もお相伴。
さらに添乗員がヤク乳酒を蒸留した焼酎を所望したらウォッカまで出されて、おもてなしスイッチの入ったおじさんは笛まで披露。
しかしおじさん、民族衣装の方がやっぱりかっこいいね。
小一時間おじさんのゲルで遊ばせてもらったら、ここからはトレッキングの開始。
花や背の低い藪の生えた斜面を登っていく。
やがて峠を越えるとその先は平たんになって
目の前には頭頂部が平らな岩山が見えるが、これはこの辺りで聖山とされるシべート・ハイルハン。
なぜ聖山なのかはわからないが、ちょっとエアーズロックに似ていなくもない。
低い雲からは小雨が落ちてきて寒い中を歩いて行くと
ちょっと下ったところに岩が露出しているところがあって、ここが本日の目的地。
それと言うのもここには紀元前から1万年ほどに渡って描かれた岩絵があるからで、モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群として世界遺産になっている。
と言うことで岩によじ登って絵を探すが、うまいものからへたなものまで、時代の開きが相当にありそう。
しかしこの手の岩絵、世界中のあちこちで見るが、どこも同じような表現なのはなぜだろう。
この岩絵の麓、家畜囲いの石壁で冷たい風をよけながら
本日のお弁当はチーズのかかったスパゲティ、完食。
帰る頃になってやっと雨がやんでくれて
晴れ間も出てきて花を楽しむ余裕もできた。
聖山の麓に回って
斜面を一気に降りていくとバンが迎えに来てくれて、約14キロ歩いた最後のトレッキングも終了。
もう歩かないで済む、とそのために参加しているツアーではあるが、一同喜ぶ。
キャンプには16時に帰り着いて、テントで最後の夕食は19時から。
輸送と保管の問題からここまでは野菜料理が多くて、これは肉ばかりかとの予想をいい方に裏切ってくれたが、今日は新鮮なお肉が入手できたらしくて
スープは羊の内臓入りの雑炊。モンゴルでは体が弱った時にいいとされているそうで、柔らかい内臓は肺じゃないかと思う。
続いて出されたのはレバーを焼いたもの。緑色のテントのせいで写真の色が変だが、これが新鮮でおいしい。
そしてメインは待ってました、のホルホグ。
真っ黒に見えるのは焼いた石で、骨付きの羊肉と野菜類をこれで蒸し焼きにしてある。
塩もほとんど使っていないような薄味だが、羊がうまーい!
Vサインをしている、これがシェフとそのアシスタント君。
毎日おいしい食事をありがとう!
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初めてインドに行った時にサンチーから連れて行かれましたが、サンチーが素晴らしかっただけに時間かけて来てこれかい、と思った覚えがあります。
古代の岩絵は世界中どこでもほとんど同じなんですよね。
原始的な表現は交流がなくてもみんな同じになってしまうのだろうか。
大笑いした事を思い出しましたが、
旨い絵じゃないですか。
あちらも1万年ほど前の石器時代から紀元後までに描かれた岩絵でした。