マドンナのナイショ話

あなたに話したいあれこれ

初恋

2005年05月03日 | 私の想い
bara050503



5月2日付けの朝日新聞「声」の欄に
今週のテーマとして「初恋」(上)が掲載された。
この欄はテーマを決めて
読者から投稿を募り掲載される。
私はこのテーマに沿って想いを綴る投稿文が好きでいつも熟読する。

今回の「初恋」というテーマは
テーマが発表された時から興味があった。
果たしてどんな方が投稿され、採用され、掲載されるのか。

2日の新聞では三人の人の投稿文が掲載された。
84歳の男性、52歳の男性、25歳の女性。
いずれも「初恋」に対する素直な気持ちが溢れていて
胸が熱くなった。

中でも84歳の男性の投稿文が私の心を打った。
昭和16年春、勤務先にきれいな目をした女性が入社。
可愛いと思いながらも、何事もなく時は流れ
その夏、彼は徴兵検査に合格、翌年に入隊が決まった。

数日後、入隊のお祝いをしたいと彼女から言われ
彼女の家に招かれ歓談後、お母さんから
「時々はお手紙を」と頼まれたが
女性との文通は兵には禁忌で男性は断る。

秋には彼女の誘いでハイキングに行く。
そこで彼女から「きっと帰って来て」と言われ
それを求愛の言葉として受け取る。

2年後、満州北部にいた男性に彼女のお母さんから
彼女の訃報が届けられた。
病死したようだ。
男性は広い広野を突っ走って泣き明かした。

復員後、戻った神戸は焦土と化し、尋ねても尋ねても
彼女の一家の消息は見つからず墓参りも叶わず
一度たりとも手も触れぬまま
「初恋」は淡雪のように消えたと結んでいた。

昭和16年の春、彼女に出会って64年の歳月が流れている。
彼女が生きていれば、男性はきっと彼女と結婚しただろう。
男性は今は他の女性と結婚して、子供を儲け立派な家庭を築き
子孫を残したことだろう。

64年の歳月が過ぎても、初恋の想いは鮮明に
このように人を感動させる言葉で想いが綴れるものだろか。
淡い恋だったから、いつまでも心の中では消えないのだろうか。

誰にでも初恋はある。
恋と呼ぶには幼すぎて、初恋は実ることが少ないという。

私にも「初恋」はあって、時々無性に懐かしいと思うことがある。
初恋の人に会いたいと思う時があるけれど
私の心の中にあるフォトが崩れるのも哀しい。

ビール腹で白髪交じりですっかりハゲの初恋の人なんて
哀しいではないか。
あの時のカッコよかった彼を返して!って
きっとそう思うに違いない。
だから初恋の人には会わない方がいいのかもしれない。

みんなはどう思うのかな?
会ってみたい? 
それとも昔のままを心に描いて生きていたい?




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