3年ぶりに高校時代の仲良し5人で
プチ同窓会をした。
この集まりを「紀州会」と名づけている。
大阪に在住する高校の同級生だ。
以前は1年に1度は会っていた。
何となくご無沙汰で3年も空いてしまった。
難波の宝石店に勤めるキャリアウーマンの直美ちゃん。
看護婦さんの伊沙子ちゃん。
ご主人のお商売の経理をしている緑ちゃん。
専業主婦は礼子ちゃんと私。
みんな都合をつけて今日集まった。
難波でランチした。
本当に久しぶりだから楽しくて、気持ちはち切れそう。
高校時代のことをとてもよく覚えている直美ちゃんが
話題を提供する。
彼女は相撲部のマネージャーをしていて
今年の正月に相撲部の同窓会があったらしい。
そこでたくさんの情報を仕入れてきた。
それに同級生の男子とメール交換している。
そのメール内容を暴露して、私たちは大笑いする。
男性とのメール交換は楽しい。
ましてや同級生で、その男子は昔、直美ちゃんに憧れていた。
直美ちゃんは全然その気がないから左うちわ。
彼はやはりとても嬉しいらしい。
私たちは「からかっちゃダメよ」と忠告する。
「アバンチュールを楽しんじゃダメよ」と爆笑しながら言う。
高校時代、私たちはそれぞれに好きな子がいた。
その話題になった。
風の便りをみんな繋げてくる。
好きな子がどんな人と結婚したかも情報が入る。
そして私たちの高校時代はヤングリクエストの全盛期だった。
深夜番組のラジオ放送で、リクエストした曲が流れ
ディスクジョッキーがトークしながらリクエストはがきを読む。
好きな子に伝えられない想いを
一枚のはがきに託してメッセージを送る。
それを深夜番組のラジオから流れると嬉しかった。
今のように携帯電話のメールなどない時代だ。
幼くて淡い恋をしていた。
まるで「冬ソナ」時代だった。
あの頃、携帯電話があったなら
私たちの人生はきっと違っていたかもしれないと話した。
ランチが終わると今度はフリータイムでカラオケだ。
5人はマイクの奪い合いのように歌った。
時にはあの頃流行った歌をみんなで熱唱。
それぞれに18番があるから素敵だ。
カラオケ採点表が95点以上になると喜び合う。
まるで高校生並みだ。
伊沙子ちゃん、緑ちゃん、礼子ちゃんは6時に帰った。
私と直美ちゃんは難波に残って夕食を食べて
宗右衛門町でお酒を飲んだ。
直美ちゃんとはいつも一緒に通学した。
とても仲良しだった。
ここだけのブッチャケ話をした。
お酒が進むと饒舌になった。
昔の同級生に会いたいと思うのはきっと今が幸せだから。
そしてみんなの幸せをも少しだけ確認したいから。
5人はそれぞれにおしゃれして出て来た。
可愛らしく年を重ねてとても優しい笑顔だった。
素敵なマダムはいつもキラキラと輝いている。
私たち5人はそんな熟女だと自負している。