最近衝動買いをすることが多い。
その鬼門のデパートは
我が家から一番近いデパート。
わざわざデパートに行くわけではなく
母を見舞いに行った帰りにちょこっと寄って
ちょこっと衝動買いをしてくるのである。
このちょこっと寄る理由はわかっている。
病院でさんざん母の愚痴を聞いてくる。
最近は私も開き直って、すべて受け入れて聞いてくる。
絶対に逆らわない。
母が100パーセント無理な要求をしても
希望を持たせて帰る。
帰りの電車ではかなり疲れて爆睡する。
で!JRの駅に着くと
家には真っ直ぐ帰る気になれない時がある。
デパ地下に寄るときは、関門を通過したと言える。
でも上のフロアにエスカレーターを上っていくと万事休す。
そこで何か自分への「ご褒美」を買ってしまうのだ。
CDや小物なら可愛いがそれが次第に靴になり洋服になり
バックになるから怖い。
これもほとんど衝動買いに近かった。
冬の間ホームコタツを使っていたけれど
暖かくなったのでコタツを仕舞ってソファーを出した。
このソファーはダーリンが帰ると、ここで寝転んでテレビを見る。
その大切なソファーが今年10年目を迎えるけれど
猫たちの爪とぎにされてボロボロ。
「どちみち爪とぎにされるから」と自分を納得させていたけれど
今年はそのボロボロさが無性に気になった。
ちょっと下見・・・。 そう思って家具売り場に行くと
急に新しいソファーがほしくなってきた。
リビングをどんなにきれいにしてもボロボロソファーでは?
・・・とか何とか私を誘惑するもう一人の私がいた。
で!今日も母を十分癒して親孝行したしと結論付けて
「ご褒美」を買おうということになる。
本当にちょっと見るだけが
お気に入りのものに出会うとほしくなる。
ミイラ取りがミイラになるのは夕方の時間帯かと思ってしまう。
理性のない私はまるで子供のようだ。
ソファーは洋服のような値段じゃない。
外商を通せば割引があるけれど、外商の割引では納得できない。
大阪人は「デパートで値切る」
きっとスマートな東京人なら外商の値段で落とすだろう。
大阪人は安くなった値段より、値引きさせたことに喜びを感じる。
私も同じだ。
外商係員に連絡してもらうと、丁度館内にいた。
売り場に外商係員を呼ぶものも久しぶり。
先ずは「このソファーいいなと思っているんだけれどおいくら?」と私。
「はい、これはこの定価です」と定価の値札を見せる。
バカかと思う。そんなことは聞いていない。
「だからおいくらにしてくれはる?」
「はい、外商ですと、1割・・いえ1割5部まで」と言う。
「定番ね。じゃこれから高島屋を見てくるから、また後で来るわ」と言う。
これから難波の高島屋へなど毛頭行く気はない。
外商係員は食い下がる。
「これから難波に出るから、また後で寄るわよ~」と繰り返す。
こんな夕方、高島屋へ行ったら最後
私はもう絶対に戻って来ないと確信するのだろう。
外商係員は電卓を叩いて、数字を出す。
心の中で「やれば出来るじゃん」と思う。
規定外の値引きに応じる時は、大きな声で値段を言えないのか
電卓で数字を出して、私に見せた。
私は自分に「もっいっちょ!」と発破をかける。
「端数が気に入らないから、端数を取って
古いソファーの引き取り代金3000円をお勉強してくれはるなら
今すぐ決めるわ」とイッキに最後のセリフ。
「う~ん、奥様それはきついです」と頭を抱える。
「だからこれから難波に出るから
高島屋を見てくるって言ってるでしょ」
「今月外商で色々買ってるでしょ?お勉強して」
「う~ん・・・・」と考え込む外商係員。
そして私の思惑通りの金額に応じた。
これは今日届いたの黒い革張りの値引きさせたソファー。
ダーリンは絶対に値引き交渉など出来ない人。
私のセリフはやんわりとしているが、かなりストレート。
他社のデパートを引き合いに出せば、相手の心は微妙に揺れる。
誰だって比較されたくはない。
少し大きな買い物になると絶対に私は交渉する。
和歌山の田舎で育った私がいつの間にこんなに逞しくなったのか?
私が会社人なら事務職よりも、人と交渉する営業職に就きたいと思う。
そして自分の可能性を試したいと思う。
さてさて・・・
今日届いたソファーだが、早速枕代わりのクッションを置いた。
私の転寝のソファーとなりそうだ。