文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:大資産家になるためのアジア副業マニュアル 100万円から実現できる人生改革

2014-03-09 20:20:16 | 書評:ビジネス
大資産家になるためのアジア副業マニュアル100万円から実現できる人生改革 (PHPビジネス新書)
クリエーター情報なし
PHP研究所


 アベノミクスの影響で、当面我が国の景気は、回復しつつあるかのように見えるが、実態を考えると楽観視はできない。当面の問題としては、原子力の再稼働が遅れることにより、エネルギーコストが上昇すること。国内の生産コストが上昇すれば、企業は当然のように海外に逃げていく。そして、消費税の上昇。どの程度の影響があるかは分からないが、国民の可処分所得が増えない限り、必ず消費にはマイナスの影響がある。更にはじわじわと効いて来る少子高齢化の影響。年金もあてにならないし、国内で財産を運用しようにも、今のような低金利ではリスクばかり大きい。こういったことを並べていくと、我々にあるのは、将来への不安ばかりのように思える。

 しかし、目を国外に向けると、事情はがらりと変わる。特にアジア諸国は今が高度成長期であり、うまく投資すれば億万長者も夢ではないと解いているのが、本書「大資産家になるためのアジア副業マニュアル 100万円から実現できる人生改革」(澤木恒則:PHPビジネス新書)である。

 キーワードになるのは、「人口ボーナス」という言葉だ。要するに、生産人口の増加率が、全人口の増加率に比べて、どれだけ大きいかということである。日本などは、少子高齢化ということで、既にこのボーナスは使いはたしてしまっているが、アジア諸国の多くは、まだまだこれからだという。実際に、これらの国では、食、美容、教育に対する需要が大きく増えているらしい。

 アジア諸国が高度成長期だということは、裏を返せば、まだまだお買い得だということである。例えば不動産でも、これらの国では100万円単位で手に入れることができ、値上がり率も大きいので、持っているだけで資産が増やせるというのだ。まだまだ商品の価格差もある。うまくこれらの商品を仕入れて日本で売れば、大きな利益を得られるし、逆に日本ブランドを使って、向こうで商売をしてもよい。そのためには、著者は、アジアに2箇所の拠点を構え、実際にそこに住むことを勧める。現地に実際に住み、現地の人たちと交わることにより、ビジネスの種を見つけるのだ。

 もちろん、多くの人にはそれぞれの事情やしがらみといったものがあり、本書の趣旨に賛同したからといって今日から始めるという訳にはいかないだろうし、本書に明記されていないような色々なリスクだってあるだろう。リスクテイクはすべて自己責任になるというのは当然のことだが、閉塞感漂う日本に囚われない選択肢のひとつとしては夢がある。

☆☆☆☆

本記事は、姉妹ブログと同時掲載です。

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