文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:いまから始める「シニア人生」安心計画

2015-02-20 12:57:51 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
いまから始める「シニア人生」安心計画: 「お金の心配」以外の「老後の不安」を解消する完全対策! (知的生きかた文庫)
クリエーター情報なし
三笠書房



 <「老後の不安」を解消する完全対策>という売り込みの、「いまから始める「シニア人生」安心計画」(田代尚嗣:三笠書房)。このタイトを見て、てっきり、定年を迎えたシニアなどが、どのように第二の人生を踏み出していくのかを教える指南書だと思っていた。ところが、本書が見据えているのは、もっと先の話だった。

 人には誰でも、寿命というものがある。日本人の平均寿命は、男が約80歳、女が約86歳だそうだ。もちろん、これは統計的な数字であり、個人差がかなりあるのは言うまでもないだろう。だが、どんなに元気に見える人でも、やがてはお迎えがくるのだ。それは、誰もが逃れられない、自然の摂理なのである。本書は、その時に備えて、どのような準備をしていけばよいのかという、いわばこの世にお別れをするための計画を作成するためのマニュアルだ。

 書かれているのは、葬儀や墓のこと。体が不自由になった場合の財産管理の方法、成年後見制度、遺言書の書き方や介護制度についてなど。どれも、自分が元気なうちは、あまり考えたくないような話題だが、避けて通れないことである以上は、熟知しておかないと、いざというときに困ったことになるかもしれない。また、自分は元気でも、親などのことで、こういった知識が必要になってくる場合もある。

 若い人だって、自分には関係ないと思ってはいけない。この世は、諸行無常、想定外の出来事に溢れている。確実なものは何もないのだ。いざというときに困らないように、常日頃から備えをしておく必要があるだろう。

 ちょっとした知識があるのとないのとでは、その時になっての心の余裕が全然違ってくる。「家庭の医学」なんかと同じような感覚で、こんな本も、一家に一冊くらいは常備しておかねばならないのではないだろうか。

☆☆☆☆

※本記事は、姉妹ブログと同時掲載です。

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