放課後ていぼう日誌 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス) | |
小坂泰之 | |
秋田書店 |
この作品は、「月刊ヤングチャンピオン烈」(秋田書店)に、2017年から連載されている漫画だ。ヒロインは関東から父の故郷と言う設定の、九州の海辺にある芦方町に引っ越してきた鶴木陽渚(つるぎひな)。地元にある海野高校に新入生としてやってきた女子高生である。手芸部希望だったが、なぜか堤防で「ていぼう部」の部長である黒岩悠希(くろいわゆうき)と出会い、なりゆきでその部に入ることに。でも陽渚は生き物が大の苦手。
作品内でもつっこみがあったが、「ていぼう部」って「堤防」でもつくるような、なんか怪しげな感じだ。その実態は堤防での釣りが主体の部なのだが、陽渚の父親によれば、創立依頼の伝統ある部のようだ。ただし部員は変な人が多かったらしい。
その伝統?に違わず、部員は変な人ばかり。部長の黒岩を筆頭に、色々大きく(といっても横幅以外)無口な大野真(おおのまこと)と陽渚が小さいころよく遊んだ帆高夏海(ほだかなつみ)という少女。別に海野高校は女子高というわけではないが、「ていぼう部」の部員はみんな女子ばかり。調べてみると、この巻には出てこないが顧問も女子で、養護教諭の小谷さやかという人らしい。
そしてこの巻で釣られるのは、タコ、小アジ、マゴチ。釣り漫画は数あれど、JKたちが釣りの楽しさをガイドするようなものは初めてだ。
インドア派だった陽渚が、「ていぼう部」の活動を通じて次第に釣りの楽しさに目覚めていく内容かと思ったら、どうも活動は釣りだけではないようである。次巻の予告に「狩り」という言葉が出てくるし、最初に黒岩部長が活動は釣りだけではないと言っていたのである。果たして釣り以外にどんな活動をするのか?堤防をつくるのか?それは次巻のお楽しみ。
来年4月からテレビアニメ化されることが決まったということで放映されるのが楽しみだ。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。