本書は、いわゆるなろう系異世界転生ものの中で特に気に入っている同盟小説をコミカライズしたものだ。原作のFUNAさんの軽妙な語り口がなんとも面白い。
主な登場人物は主人公のマイル(アデル)と、炎系攻撃魔法が得意で「赤のレーナ」の二つ名を持つ少女レーナ、騎士の家系に育った剣士メービス、商人の娘で優しい性格のポーリンの4人の少女たち。彼女たちはパーティを組んで活動している。
特に面白いのがポーリン。普段は優しい癒し系なのだが、商人の娘らしく?お金が絡むととたんにシビアになる。また、時々黒い面も見せるので、絶対に怒らせてはいけない人のようだ。この間では、マイルたちを騙そうとした悪徳商人を懲らしめて、信用を無くしてしまう。商人にとって信用は命の次位に大事なものなのだ。(以上3巻)
そして明らかになる、レーナが「赤のレーナ」と二つ名で呼ばれるようになった理由と壮絶な過去。また、かなりシスコンが入っているメービスの兄が出てくる。(以上4巻)
ちなみに、タイトルの平均値とは、マイルが転生するときに、自分の能力を平均値にして欲しいと神様に願ったことから来ている。確かにマイルの脳膂力は平均値なのだが、人間の平均ではなく、最も強い古竜と最小の者の平均となっており、それは人間の平均値の6800倍にあたるらしい。だから、ほとんどマイルちゃんは無双状態。
原作の独特のテンポがなんとも気に入っているのだが、コミカライズ版の方も、うまくその感じを出していると思う。
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