野村胡堂といえば銭形平次で有名だが、それに関して作者がエッセイを書いていることを最近知った。これもその中の一つである。書かれているのは、著者の探偵小説から捕物小説の遍歴。
驚いたのが胡堂がものすごい高学歴だということ。何しろ一高から東京帝大の法科大学に進んでいるのだ。ただし、東京帝大の方は、父の死亡により学費が続かなくなったので中退して報知新聞に就職したようだ。野村氏が一高に入るときの勉強ぶりがすさまじい。
一高の入学試験を受けるとき、私は四月から七月上旬まで三ヶ月半の徹夜をした。全く眠くないわけではない、帯も解かずに机に齧かじり付いて一と晩を過ごし、ウツラウツラとしてまた勉強を始めるのである。
もちろん3か月半もまったく寝なかったら、人は死んでしまうので、適当に居眠りはしていたのだろうが、居眠りしている以外は勉強していたんだろう。私に言わせれば非効率の極みなのだが。
なお東京帝大の法科大学と書くと、「法学部かな?」疑問を持つ人がいるかもしれないが、昔の帝大はその下に色々な大学があり、それぞれのトップがいた。だから学長というとそれぞれの大学のトップか帝大全体のトップか分からないので、全体のトップを総長と呼んだと聞いたことがある。つまり社長と支店長のようなものだ。
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