文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

稲刈り前の水田

2016-09-18 16:09:20 | 旅行:山口県


 写真は、実家から遠くないところで撮影した、稲刈り前の水田。こういう風景を見ると、もう秋だなと感じる。写真では分かりにくいが、稲の穂より高いところに、ヒエの穂が沢山でていた。田んぼの雑草として、ヒエはなかなか駆除しにくいらしい。

 手前には、ヒガンバナが咲いているのが見える。場所によっては、あぜ道いっぱいにこの花が真っ赤に咲いているのが見られることがあるが、ここでは、あちこちにぽつりぽつりといった感じだ。もう半分くらいは咲き終わっており、少し残念。アルカロイド系の毒をもっているので、昔は、あぜ道を荒らす動物除けを目的にして植えられていたらしいので、その名残なのだろうか。飢饉のときは、毒を抜いて食べていた時代もあったそうだが、さすがに今はそんな利用法もないだろう。

 球根で増えるので、誰かが植えないと新しいところには生えてこないと思うのだが、実家に今年になって何本か生えてきた。誰も植えた覚えはないし、これまで生えていた記憶はないので、不思議だ・・・。
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書評:ハゲ川柳

2016-09-18 15:40:47 | 書評:その他
ハゲ川柳
クリエーター情報なし
河出書房新社

・(著)ツル多はげます会、(絵)竹浪 正造

 津軽地方の真ん中にあるという鶴田町。そこには、ハゲの総本山とでもいうべきユニークな団体がある。その名は「ツル多はげます会」。もちろん、この名称は、町名と「ツルツル」をかけたものだ。

 この会は、創設者に当たる竹浪正造さんが、なじみのスナックで出された酒の勢いで、「ハゲの会をやろう」と言いだして誕生したらしい。

 この会の例会は毎年設立日の2月22日と旧暦の8月15日(中秋の名月)に開かれ、「有多毛(うたげ)」という。どこまでも毛にこだわったネーミングである。その活動内容といえば、吸盤についたひもを禿頭で引っ張り合う「吸盤綱引き」や「ハゲ礼賛の川柳の披露」など。決して「あほらしい!」なんて思ってはいけない。みなさん、大真面目で活動をされているのだ。本書はタイトルの通り、ハゲにまつわる愉快な川柳を会の活動内容などと共に紹介したものである。

 気に入ったものを少し紹介しよう。

「振り向けば妻が合掌初詣」(p16)
きっと頭から後光が射していたんだろうなあ。

「仏教徒なのに頭は宣教師」(p102)
沙悟浄状態のことである。宣教師は、なぜか頭頂を剃っていたね。

「もてるためフランス移住してみたい」(p107)
フランス事情はよく分からないが、ハゲてるともてるのか?

 どの川柳も、思わず吹き出しそうになるくらい笑えるのだが、創設者の竹浪さんの描くイラストも味があって面白い。ハゲを全くマイナスに考えておらず、徹底的に楽しむという姿勢がうかがえて、なかなか楽しい一冊である。

 なお、この会は随時会員を募集しているそうだ。自信のある方はチャレンジしてみてはどうだろう?ただし、役員による厳しい毛髪審査があるということだ(笑)。

☆☆☆☆☆

※本記事は、「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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書評:冬の薔薇

2016-09-15 18:57:26 | 書評:小説(SF/ファンタジー)
冬の薔薇 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社

・パトリシア・A・マキリップ,(訳)原島文世

 本書は、スコットランドに伝わる妖精譚「タム・リン」のバラッドを下敷きに、パトリシア・A・マキリップが書き上げた幻想の物語だ。

 舞台は中世のヨーロッパだろうか。主人公のロイズ・メリオールは森を裸足で駆け回るのが好きな一風変わった娘だった。ある日彼女は、森の中にある泉のほとりで、美しい若者コルベット・リンと出会う。彼は、廃墟となったリン屋敷を相続するためにやってきたという。しかし、村では、コルベットの父が祖父を殺した際に呪いがかけられたと噂されていた。

 ロイズはコルベットに惹かれ、婚約者のいる彼女の姉ローレルもまたコルベットに魅了されてしまう。ところが彼が姿を消し、ローレルは食事も摂らず次第に衰えていく。ロイズはコルベットのことを調べていくのだが、このあたりから、物語は幻想的な色合いが強くなってくる。

 森には二つの顔がある。美しい花が咲き、薬草になる植物や食べられる木の実といった恵みを人間に与えてくれる一方、森は異世界への入り口でもあるのだ。ロイズがコルベットと出会ったのが森の中だという設定は、この物語の内容と無縁ではないだろう。これから始まる不思議な物語を暗示しているのだ。

 マキリップの綴る物語は、幻想的で美しい反面どこか捉えどころがない。読んでいて、この幻想の海の中でともすれば迷ってしまいそうになるのだが、 これが「幻想の紡ぎ手」と呼ばれるマキリップの魅力だろう。マキリップの世界に迷い込みたい人には必読の一冊である。

☆☆☆☆

※本記事は、「風竜胆の書評」に掲載したものです。


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書評:耳袋秘帖 湯島金魚殺人事件

2016-09-13 18:55:50 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
耳袋秘帖 湯島金魚殺人事件 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

・風野真知雄

 還暦を過ぎても若い恋人がいる、シニア層の希望の星、元祖刺青奉行の南町奉行・根岸肥前守鎮衛が奇妙な事件に挑むというシリーズの中の一冊。

 この作品が面白いのは、このお奉行様、昔は銕蔵と言って結構ワルだったらしいというところ。その時のつてを活かして情報を仕入れ、事件の解決に活かすのだから、世の中何が役に立つか分からない。

 さて、今回の事件だが、かって根岸が勘定方の時に同僚だった児島八十兵衛の末っ子で、学問所に通う隼人という16歳の少年が、湯島の大根畑で死体で見つかる。この大根畑というのは、本当の大根畑というわけではなく地名である。「影間茶屋」が多いところらしい。ヒントになるのは、隼人が、昨夜友人たちに別れ際に言ったという「金魚釣り」という言葉。「金魚」とは芸者を表す隠語だというが、果たして「金魚釣り」とはいったなんだったのか。

 この巻では、「性のワンダーランド」だったお江戸にふさわしく、性に関してマイナーな人々が登場してくる。くじらと呼ばれる山のような巨体の陰間。彼は実は両性具有なのである。このくじらも、何者かに襲われ、銛で突き殺されてしまう。

 そして隼人のことが好きな学問所の友人・若松頼母。彼はいったいどう事件に関わってくるのか。

 このほか、狂い犬に噛まれたら金魚をすりつぶして団子にして食べれば直るという噂、金魚が鯉になった話、足の生えた金魚など、色々な珍種が出てきたという噂など金魚に関する様々な事件が作品中に織り込まれて、話が一本調子にならないようにされている。

 最後は、お奉行様と殺人犯との直接対決。このとき栗田と坂巻を読んで根岸を助けたのが楽翁こと松平定信。定信のいうには、犯人と根岸が揉みあっているのを見た定信は、なぜ根岸の方を助けたのかわからないらしい。「二人を見たら、ぜったい根岸のほうが悪そうなのにな」ということのようだが、お奉行様、いったいどんな悪人面なんだ(笑)。

☆☆☆☆

※本記事は、「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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書評:・サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る

2016-09-10 09:50:33 | 書評:ビジネス
サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
クリエーター情報なし
ハーパーコリンズ・ ジャパン

・スティーブ・ケース、(訳)加藤万里子

 アメリカの未来学者であるアルビン・トフラーが1980年に発表した「第三の波」(原題:The Third Wave)。私くらいの年代なら、この本が当時かなりの話題を呼んだことを記憶しているだろう。そこでは社会にもたらされた大変革を三つの波として説明していた。

 第一の波は農業革命、第二の波は産業革命、そして第三の波は情報革命ということで、これから第三の波が押し寄せてくるといった内容だったと記憶している。

 本書の原題もトフラーの書いた書と同じく「The Third Wave」であり、トフラーの書にインスパイアされて書かれたものである。(著者は謝辞でオマージュだと言っている。邦題をあえてカタカナにしたのは紛らわしいからだろうか?)ここでは、トフラーの第三の波の中身ともいえるインターネットの発達について、更に三つの波に分けて語られている。

 本書によるとインターネットの第一の波はその黎明期である1985年~1999年。ここではオンライン世界の土台が構築された。第二の波は、アプリ経済とモバイル革命の2000年~2015年。検索エンジンやSNS、eコマースなどが発展したのはこの時期だ。そして2016年から始まる第三の波では、あらゆるものがインターネットで繋がっていくという。

 著者は、アメリカの大手インターネットサービス会社AOL(America Online, Inc.)の元CEOであり、その歴史の生き証人のような人物だ。本書に書かれているのは、AOLの歴史と、これから来るインターネット第三の波にどのように乗っていけばよいかに関する提言である。

 AOLの歴史といっても、決して成功物語ではない。むしろ失敗続きと言った方が正解だろう。本書にはパートナーシップの重要性も説かれているが、AOLのパートナー選びがうまくいかなかったことの連続というのはある意味皮肉だ。最悪だったのは、タイム・ワーナーとの合併。これにより、著者はついにAOLを離れることになってしまった。

 しかし、我々が学べるのは、「まぐれ」に満ちた成功物語よりは、むしろ失敗話の方だ。ピンチに陥る度、どのようにして乗り切ってきたかという話の方が役に立つものである。アメリカと日本ではビジネス環境はだいぶ違うとはいえ、このような話は多いに参考になるに違いない。

 そして、第三の波への対応にもいくつかのヒントが示されている。まだまだ第三の波は始まったばかりだ。これをうまく乗りこなすことができれ者が、成功を手にするのである。

☆☆☆☆

※本記事は「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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放送大学の入学金他支払い

2016-09-09 08:47:39 | 放送大学関係
 昨日放送大学から、「合格通知書」と振り込め用紙が来ていたので、今日近くのコンビニから金を振り込んできた。これで、5回目の放送大学生になる。今度は「心理と教育コース」。最近なにかとあわただしいので、今回は、面接授業は登録せず、放送授業も「認知神経科学」の1科目のみ。これに、今学期父の手術なんかで受験を見送った「上田秋成の文学」が加わり、勉強するのは実質2科目ということになる。

 それにしても、入学金、再入学なのに18000円とは、高くなったものだ。
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書評:おろち(1)

2016-09-08 08:58:52 | 書評:その他
おろち(1) (ビッグコミックススペシャル)
クリエーター情報なし
小学館

・楳図かずお

 楳図かずおといえば、「まことちゃん」のイメージがあまりに強烈なので、昔の作品を知らない人はギャグマンガ家とでも思っている人もいるかもしれない。しかし、かっては少女フレンドにヘビ女シリーズをはじめとした多くのホラー作品を発表して、日本中の少女を震え上がらせていたのである。(ちなみに、当時ライバル誌のマーガレットにヘビ女ものを描いて、楳図かずおと人気を二分していたのが、「エコエコアザラク」で知られる古賀新一だった。)

 この作品は、1969年から70年にかけて、「週刊少年サンデー」に連載されていたもので、楳図作品としては、ヘビ女から続く、ホラー系の作品の流れのなかに位置付けられるものだろう。私は、子供時代に雑誌連載中にリアルタイムで読んでいたが、その面白さには魅了されたものだ。しかし、この作品は子供向けというよりは大人向けだったのだろう。今読み直してみると、ますますその魅力に引き込まれてしまいそうだ。

 主人公は、おろちと呼ばれる謎の美少女。美少女とは書いたが、彼女がいったい何者なのかは分からない。通常の人よりも遥かに長く生きており、不思議な能力を持っている。描かれているのは、彼女が関わった人間に関する恐ろしい物語だ。

○姉妹
 おろちが、嵐を避けるために入り込んだ邸。そこには、美しい姉妹が住んでいた。ところが、この姉妹は18歳の誕生日を迎えると、次第に人とは思えぬほど醜くなっていく運命だという。

○骨
 不幸な育ちをしてきた女性が、優しい男性と結婚して幸せをつかんだかに見えた。ところが夫が亡くなってしまう。看護士として働いていたおろちは、嘆き悲しむ妻に同情して、夫そっくりの人形を動かそうとするが、甦ったのは、腐敗しつつあった夫だった。

 人ならざる存在のおろちだが、その心は優しい。それはおろちの魅力ではあるのだが、そのために、関わるべきではなかった人間たちに深く関わってしまうのである。

 例えば「姉妹」では、彼女たちに同情して、「かわいそうに・・・・・・ほんとうに ずっとここにいてあげてもいいわ・・・・・・この姉妹が年とって死ぬ時くらいまでならずっといても・・・・・・」と思うし、「骨」では、自分の命をかけてまでも、嘆き悲しむ妻のもとに、死んだ夫を帰してやりたいと思考えるのだ。

 そして、この作品で語られる恐怖の物語にはあっとおどろくようなどんでん返しが待っている。そこで読者は、本当に怖いのは妖魔の類などではなく、人の心であることを知るだろう。

☆☆☆☆☆

※本記事は、書評専門の摂ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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書評:脳にきく色体にきく色

2016-09-06 10:15:07 | 書評:学術教養(科学・工学)
脳にきく色 身体にきく色 (日経プレミアシリーズ)
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社

・入倉隆

 私たちを取り巻く世界はなぜ色づいて見えるのか。これは一義的には、光がいろいろな波長の成分を含んでいるからだ。人が見ることができる光の波長は、380~780nmの間。物体が特定の波長の光を反射して、それが目に入ってくることにより、物が色づいて見えるのである。

 しかし色が見える仕組みは、そのような物理的な現象だけから成り立っているのではない。人の目には、3種類の錐体と1種類の桿体という神経細胞が存在する。このうち桿体は、暗い所で働き、光の強さだけしかわからないが、3種の錐体は、赤、緑、青の光に反応し、これらの組み合わせで色を感じることができるのだ。

 この錐体のうち1種類でも機能しないと、色の見え方が違ってきて色弱の原因となる。これに加えて脳による補正も入ってくる。例えば、白い色は、照らす光の色が変わっても白く見える。これは、脳がそういうふうに補正しているからだ。つまり色を感じるというのは、純物理的な現象ではなく、物理現象と人間の生物としての仕組みが組み合わさったものだと言えよう。

 色を感じるというのは生理的、心理的現象でもあるのだから、色により人間の生理や心理が影響を受けるのは当然だろう。食器の色で食欲が変わってきたり、ファッションの色あいで、人に与える印象が変化するというのは、経験した人も多いのではないかと思う。これ以外にも距離感、大きさ、重量感、温度などが色によって違ってくるのだ。

 本書は、このような色についての不思議さ、面白さを新書一冊にぎゅっと詰め込んだものである。記載されている内容は、色の見えるしくみ、色の表し方、色による見え方の違いからユニバーサルデザインについてまで。どの章を読んでも、興味深い話題が満載である。

 若干補足が必要だと思うのは、xy色度図のところだろう。本書にはこのように書かれている。

<このようにして定められた3つの原刺激を、X,Y,Zとし、それらを混ぜる量の割合で色を表そうとするのがXYZ表色系です。一般に、原刺激Xの占める割合xと原刺激Yの占める割合yの組み合わせで色を表します。>(p84)

 これを読むと、普通の人は、「あれ!? Zはどこにいっちゃったの??」と思うのではないだろうか。これはx+y+z=1の関係があるので、xとyが分かればzも自動的にわかるということだが、本書の記述だけでは分かりにくいのではないか。

 また色を扱っているのに、色のついた図が最初の口絵の部分にしかないのは残念だが、これは新書という性質からやむを得ないかもしれない。

 ともあれ、色に関する基本的な知識は身につくと思うので、照明工学や色の認知に関係した心理学などの分野を学ぼうとする人は一読しておけば役に立つだろう。ただ前述のとおり、色のついた図が少ないので、カラーページの豊富な、カラーコーディネーターや色彩検定などのテキストと併用して読めば効果が高まるものと思う。

☆☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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書評:水族館の殺人

2016-09-04 12:18:22 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
水族館の殺人 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社

・青崎有吾

 本作は、「体育館の殺人」に続く、裏染天馬シリーズの第二弾だという。このシリーズ、単行本まで含めると4巻まで出ているようだが、文庫本としてはこの作品が最新作である。

 主人公は裏染天馬という神奈川県立風ケ丘高校の高校の二年生。部員のいなくなった百人一首研究会の部室を勝手に占拠して住み着いているという変なやつだ。ものぐさだけど、推理力は抜群の名探偵という設定である。どうも実家から勘当されているらしい。

 今回の事件は、新聞部が取材に訪れた丸美水族館で起こった。なんとサメの水槽に飼育員が落ちて、食べられてしまったのである。しかし事故ではなく他殺。事件を調査する警察から不本意ながら協力を要請されたのが、前巻であっという間に事件を解決した裏染天馬という訳だ。

 容疑者の数は、なんと11人。さすがにこれは多すぎる。日本のミステリーには珍しく、最初の方に主な登場人物のリストが付いていたのだが、これでもないと誰が誰だかわからなくなるだろう。これがいったんは全員アリバイがあったということで0人になり、そのアリバイが崩れてまた11人に戻ったり。

 さて名探偵役の裏染天馬だが、今回の推理は二転、三転している。いったんはこいつが犯人だと推理しても、現場を見てやっぱり違っていたなんてことに。やはり、頭で考えるより、現場、現物、現実の「三現主義」がミステリーの世界でも重要だということだろうか。

 本書には、「読者への挑戦」という項目で、手掛かりがすべて揃っているから、謎解きしてみろというページがある。しかし作者自身もそんなことはしないだろうと言っている通り、めったにそんな暇人はいないと思う。もちろん私も、そんな面倒くさいことはしなかった。何しろ11人の容疑者である。リストがないと本当に誰が誰やら。

 結局天馬が行ったのは、消去法で一人ひとり容疑者から外していく方法。最後に残ったやつが犯人という訳だ。しかし、納得できないのは犯人の動機。そんなことで殺人を起こしてしまうのなら、犯人はだいぶ頭のネジが緩んでいるとしか言いようがないと思う。

☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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放送大学から卒業認定通知が来た

2016-09-03 19:41:18 | 放送大学関係
 少し所用で家を空けたいたが、帰ってみると放送大学より卒業認定通知が届いていた。専攻していたのは「教養学部人間と文化コース」だが、これで放送大学4回目の卒業になる。すでに「心理と教育コース」に再入学申請を行っているので、来学期から5回目の仕切り直しになる再入額申請の際、「情報コース」とどちらにしようか迷ったのだが、ほんの書評を趣味にしていることもあり、心理学を少し学べば、小説などが理解しやすくなるかと思ったという次第。まだ入学のための書類は来ていないが、来学期からは心理学を中心に勉強することになるだろう。

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