文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

釣りキチ三平1~3

2017-08-18 11:28:22 | 書評:その他
釣りキチ三平(1) (週刊少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社
釣りキチ三平(2) (週刊少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社
釣りキチ三平(3) (週刊少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社

・矢口高雄

 言わずと知れた、伝説の釣りマンガの3巻までのレビュー。内容は、釣り好き少年の三平三平(みひらさんぺい)が、その天才的な釣りの才能で、いろいろな魚を釣り上げるというのが基本的なストーリーである。アニメでも放映されたし、実写映画にもなった。

 少年マガジン(講談社)に連載されていたのが、1973年から約10年間らしいので、これらの巻は半世紀近く前に描かれたことになる。そういった目で見ると、三平の家が藁ぶき屋根だったり、三平の祖父の服装が江戸時代のお百姓さんのようだったりと、なんとなく時代を感じてしまう。

 今回読んだのは3巻までだが、1巻は三平が鮎釣大会で優勝する話、2巻がカルデラ湖の青鮒に挑む話、3巻が夜泣谷の左膳イワナ釣る話と、巻ごとに釣りの対象が変わっている。

 ところで、この三平、学校にも行かずに釣りばっかりしていることをよく突っ込まれていたようだが、連載誌は週刊だ。きっと毎週日曜日に釣りをしていたんだろう。2巻の青鮒釣りでは、祖父の一平や幼馴染のユリといっしょに温泉宿に何泊もしているようだが、これはきっと夏休み中だったんだよね(笑)。

 3巻までを読んだ限りでは、この作品の底に流れている思想(というと大げさになるが)には、「釣り好きには悪人はいない」ということだろうか。1巻では三平の優勝にクレームをつける釣りグループ、2巻では県会議長のドラ息子が敵役として登場するが、最後は結局仲良くなっているのだから。

 昔読んでいるはずなのだが、すっかり記憶から抜け落ちており、新鮮な気持ちで読むことができた。たまには昔の定番的な作品を読んでみるのもいいものである。なお、これらの巻ではまだ三平にとって重要な人物となる魚紳さんは出てきていない。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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シミルボンにコラム投稿

2017-08-16 09:56:03 | 書評:その他
欽ちゃんの、ボクはボケない大学生。 73歳からの挑戦
クリエーター情報なし
文藝春秋



 「シミルボン」に「学ぶのに遅すぎることはない」というコラムを投稿しました。興味のある方は、リンク先を覗いてみてください。
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放送大学2017年度2学期の科目登録

2017-08-15 18:53:36 | 放送大学関係
 今日から放送大学の2017年度2学期の科目登録が可能なので、登録を行った。登録したのは以下の放送授業2科目と面接授業1科目。

〇放送授業
・錯覚の科学
・危機の心理学

〇面接授業
・心理学実験2

 登録に先立ち、先日受験した2科目について、裏技?を使って合否を確認。一応合格はしているようだが、成績は発表があるまでのお楽しみだ。

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書評:T_ADS TEXTS 02 もがく建築家、理論を考える

2017-08-15 14:18:42 | 書評:学術教養(科学・工学)
T_ADS TEXTS 02 もがく建築家、理論を考える
クリエーター情報なし
東京大学出版会

・東京大学建築学専攻

 本書は東京大学の無料オンラインコース「現代日本建築の四相」シリーズの「第一相 理論」をベースにしたものだ。この四相とは、「理論」、「技術」、「都市」、「人間」のことで、丹下健三の建築活動から得られた成果から見出されたもののようだ。

 この丹下健三を第一世代とすれば、現代は第五世代に当たるようである。本書は、この第四世代までの代表的な建築家の活動に、丹下健三という軸を通すことにより、気付きにくかった関係性や一貫性を浮かび上がらせることを狙ったものだという。

 本書は、各世代から2名を選び、自ら設計した建築を基にそれぞれの建築理論を語るという構成になっている。

 しかし、この理論というのが、実は私にはよく分からない。建築学というのは、一応工学部に所属しているものの他の理工系分野とは異なっている部分がある。それは、感性というものに大きく依存していることだろう。もちろん構造力学などといった分野などは、他の理工系と大きくは変わらないないだろうが、通常建築と言えばどちらかと言えば美術的な側面の方にスポットが当たっているように見える。

 他の理工系分野では、確立した理論というものは、客観的で人によって内容が違うようなことはない。しかし、本書に言う理論は、主観的であり、どちらかと言えば信念だとか考え方に近いもののように思える。だから本書を読んで思ったのは、人によっていろいろな建築に関する考え方があるんだなということ。だけど、通常の理工書を読むようなすっきり感はない。

※初出は、「本が好き!」です。
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シミルボンにコラムを投稿

2017-08-13 13:37:31 | 書評:学術教養(科学・工学)
電力系統工学 (大学講義シリーズ)
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コロナ社


 シミルボンに「送配電線と雷」というコラムを投稿しました。興味のある方は、リンク先を覗いてみてください。


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千里眼 堕天使のメモリー

2017-08-11 13:11:15 | 書評:小説(SF/ファンタジー)
千里眼 堕天使のメモリー 「千里眼」シリーズ (角川文庫)
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KADOKAWA / 角川書店

・松岡圭祐
・角川文庫

 元戦闘機のパイロットで臨床心理士のヒロイン・岬美由紀が大暴れするシリーズの一冊。

 実は同じ作者のQシリーズ、αシリーズ、探偵シリーズ、水鏡推理シリーズと異なり、この「千里眼シリーズ」はつまみ食い程度に数作しか読んでいない。読んだのは、荒唐無稽な話ばかりだったので、全体がそんな感じなのかと思っていたら、どうも彼女には壮絶な過去があるようだ。

 彼女にはメフィスト・コンサルティングという敵がいる。今回敵に捕まった際に、ふと漏らした<わたしは、処女じゃないわ>(p237)という一言。いったい過去に何があったんだと思ってしまう。このシリーズをずっと読んでいけば分かるのかもしれないが、最近積読の山が高すぎて、そこまでの元気が出ない。まあ、気が向いたらぼちぼち読んでいこう。

 ところで、この作品も結構ハチャメチャなストーリーだ。何しろ、東京の街中で、敵が装甲車を乗り回して、機銃を打ちまくっているのだから。まあ、このシリーズは、このハチャメチャぶりが売りといってもいい、一種のSF娯楽小説だと思うので、あまりその辺りに突っ込んでも仕方がないのだろう。

 この作品では、敵は人工地震を起こそうと計画している。一度目の地震のあと、東京が壊滅するくらいの大地震を計画しているのである。これを美由紀がいかに阻止するかというのがこの作品の見どころなのではあるが、人工地震を起こすために使われたのが、ベルティックプラズマ爆弾なるものだそうだ。これいったいなんだろう。放射線を出さずに、核爆弾と同じくらいの爆発力があるらしいが、いったいどのような仕組みでE=mc^2と同じだけの莫大なエネルギーを放出するのかは気になるところだ。気にはなるのだが、これはSF娯楽小説なのだから、これはあるものとして、これ以上突っ込むのは止めよう。

 とは思いながらも、やはりいくつかの疑問点が湧いてくるので、少し列挙してみよう。

<いわゆるP波、縦揺れがあっただけで、ねじれを生じさせる横波のS波が生じない。>(p124)

<三つの観測点の初期微動継続時間から大森公式で震源距離を計算、・・・>(p126)

 確かに地下核実験などによる地震波形は、P波が優勢の特有の波形になるようだ。しかし、大森公式に使われる初期微動継続時間とは、P波が来て、S波が来るまでの間、カタカタと小さな揺れが生じている時間のことなのである。S波が生じないと言っておきながら、どうやってこの公式を使用しようというのか。

 そして、美由紀が阻止することになる2回目の人工地震計画だ。これは、海底活断層を、例の爆弾で刺激して大地震を起こそうというものである。まあ、ここまでは理屈が分からないこともない。ところがその方法というのは、海底掘削で活断層まで到達した穴に、水中スクーターで爆弾を叩き込むというもの。海底掘削というのは、パイプをどんどんつなげていって、掘り進んでいくものだと思うのだが。どこに、水中スクーターが通れるような穴があるんだろう。

 ちょうど今、「活断層」に関する本も読んでる最中だったので、いくらSF娯楽小説だといっても、ちょっと気になるところではある。

 しかし、ふともっと大きな疑問が浮かんだ。それは美由紀の、臨床心理士資格の正当性に関することだ。美由紀は防衛大を首席で卒業したために、例外的に臨床心理士の受験資格を得られたらしい。本当にそんなことがあるのかちょっと調べてみた(嫌な読者だねえ(笑))。

 臨床心理士というのは、現在は指定大学院制度が取り入れられて、医師免許取得者以外は、大学院を出なければ受験できない。ただし、以前は経過措置として、このような条項があった。
「 学校教育法に基づく4年制大学学部において心理学又は心理学隣接諸科学を専攻し卒業後5年以上の心理臨床経験を有する者。」
 でも、そもそも防衛大学校は、学校教育法に定める大学ではなく、防衛省の付属機関だ。だから、自前での学位はだせないのだが、一応大学相当の教育をしているということで、学位授与機構により学士、修士、博士などが授与されている学校である。だから、岬美由紀がいくら防衛大を首席で卒業しようが、受験資格があったとは思えないのだが。何か私の知らない抜け道が存在していたのだろうか。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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3年で年収1億円を稼ぐ 「再生」不動産投資

2017-08-09 10:26:50 | 書評:ビジネス
3年で年収1億円を稼ぐ 「再生」不動産投資
クリエーター情報なし
ぱる出版

・天野真吾

 著者は、サラリーマンとして企業に勤務する一方で、「再生」不動産投資を行ってきたという。著者が強調しているのは、「不動産投資」は、「投資」という名はついているものの、「事業」として行わなければならないということだ。

 不動産には、いろいろな利害関係者がいる。大家、入居者はもちろんのこと、不動産の仲介会社や管理会社などである。大家は、目先の利益に惑わされることなく、これらの利害関係者とWin-Winのいい関係を作っていかなければならないのである。つまりは、自分のことだけを考えるのではなく、どうしたら、これらの利害関係者にとっても好ましいことになるのかを考えていくことが大切なのだ。

 これは、別に不動産投資に限らず、あらゆる事業でも成り立つものなので、不動産投資を直接やらない人にとっても多いに参考になるものと思われる。しかし、これを「事業」と考えずに、単なる「投資」と考えると、忘れがちになるのだろう。
 
 本書においては、それを「おしい大家」と「できる大家」にわけて、それぞれの考え方を紹介している。」もちろん、見習わなくてはならないのは「できる大家」の方だ。大家をやるというのは、決して「不労所得」を得るためではない。色々な人に喜んでもらうサービス業を始めるつもりで取り組んでいかないと、残念な結果になってしまうのである。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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認知行動療法

2017-08-07 10:24:12 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
認知行動療法 (放送大学教材)
クリエーター情報なし
放送大学教育振興会

・下山晴彦、神村栄一ほか

 先般単位認定試験を受けてきた放送大学の教科である「認知行動療法」のテキスト。表紙には編著者二人の名前しかでていないが、実際には5名の研究者が分担して執筆している。

 「認知行動療法」というのは、一種の心理療法であり、ある人に何か問題が生じている場合は、その原因が認知の誤りにあるとしてそれを修正して、問題行動を無くしていこうというようなものである。

 こういったものを読むときには、何がキモなのかを押さえるということが大切だろう。原理原則を知っておけば、細かい内容を覚えていなくても、色々と応用が利く。

 さて、本書から読み取れる認知行動療法のキモとは、次のようなものだろう。

1.認知行動療法というのは、第一世代である「行動療法系」と第二世代である「認知療法系」を経て、現在は第三世代と言われるものが新たな動向となっている。今巷で話題になっている「マインドフルネス」といったものも、この第三世代に分類される。
2.認知行動療法には、統一的な原理は存在しない。色々な研究者が関わることにより発展してきたものである。
3.認知行動療法では、セラピストとクライエントの協同を重視している。セラピストからの一方的な押し付けや叱咤激励などは否定される。

 こういったことを頭に入れて読んでいくと、なるほどとうなずけるようなことも多いだろう。「マインドフルネス」などの通俗本を読む前に、その基礎にはこんな考え方や理論があることを知っておくのもいいと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方

2017-08-05 16:03:49 | 書評:ビジネス
『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方
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集英社

・山内康裕、(監修)週刊少年ジャンプ編集部

 いかにビジネスチームを作ったらよいかは、漫画の「ONE PIECE」(尾田栄一郎)が教えてくれるという本書。キーワードは「オタク」と「ヤンキー」であり、これらはすべて「ONE PIECE」の中に詰まっているらしい。

 実は私も少し前まで「少年ジャンプ」を買っていた。若いころは、自分が読むために、それ以降は主に子供のためにだったが、もちろん自分でも読んでいた。買わなくなったのは、子供が大きくなったことと、ジャンプがどんどん低年齢層向けになっていっているような感じがしてきたからだ。

 さて、本書で手本とされる「ONE PIECE」だ。熱狂的なファンがいることは知っているのだが、私はあまり読んでいない。ジャンプを買っていた時期も、読み飛ばしていた漫画の筆頭だった。その理由は簡単。絵柄もストーリーも好きではないからだ。

 だから、「ONE PIECE」に学べなんて言われても、なんだかなあという感じである。ましてや、「オタク」だとか「ヤンキー」とかがキーワードだと言われるともう完全に受け付けなくなってしまう。もちろん、この漫画の大ファンで、本書に書いてあることがなるほどと心の底から納得できるようなら、それはそれでいいと思う。ただ私には合わないというだけのことだから。

☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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強き者の島 (マビノギオン物語4)

2017-08-03 17:29:49 | 書評:小説(SF/ファンタジー)
強き者の島 (マビノギオン物語4) (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社

・エヴァンジェリン・ウォルトン、 (訳)田村美佐子

 グレートブリテン島のウィールズ地方に伝わるケルト神話である「マビノギオン」。「マビノギオン」シリーズは、この神話に題材をとったファンタジーだ。本書の元になっているのは、「マビノギ四枝」と呼ばれる4つの物語のうちの最後のひとつである。

 この作品世界では、魔法は存在するのだが、多くの神話がそうであるように、神々の時代から、既に人間の時代に入っているように思える。そしてこの巻で描かれるのは、グウィネズ王マースの甥で王位継承者となるグウィディオンの物語だ。

 古き民の治めるグウィネズでは、王位は、自分の姉妹が産んだ男子に継承させる。その理由は、姉妹の子供なら確実に血統が繋がっているからだ。要するに、母親は、確実に自分の子だということが分かるが、なにしろDNA鑑定など無い時代のこと。父親は必ずしも生まれた子が自分の子だという保証はないし、そもそも古き民の間では、子供がどうやって生まれるのかということについての正しい知識もなかったようなのである(それでもやることはしっかりやっていたようだが)。

 グウィネズで面白いのは、「足持ち乙女」という役職があることだ。これはただ王の足を膝に乗せて、痒かったら掻いてやるやるというのが仕事のようだが、これがグウィネズの高貴な女性たちには大変な名誉だったらしい。もちろん、「乙女」というからには、「処女」であることが条件となる。

 ところが、グウィディオンの末弟ギルヴァエスウィがこの足持ち乙女のゴエウィンに恋をしたからさあ大変。グウィディオンは弟に思いを遂げさせるために計略を立てるのだが、その計略というのがダヴェド大公のプラデリを騙して豚を盗んでくるというもの。豚を連れて逃げる途中、グウィディオンの子分たちが、豚食わせろとブーブー言っていたが、いったいどれだけ豚が好きなんだと笑ったのは余談。

 マースが、プラデリとの戦のために足持ち乙女から離れた隙に、ギルヴァエスウィは思いを遂げるのだが、もちろんバレてしまう。マースがグウィディオンとギルヴァエスウィに与えた罰というのがすごい。魔法で、二人を3年間の間に毎年鹿、豚、狼のつがいに変えて、息子まで作らせるのだから。

 ところで、問題はここからだ。これまでのシリーズでは、美しい女性がヘンないじめられ方をするといった話が多かったのだが、この巻では、シリーズ最悪のビッチというべき女性が登場する。それが、グウィディオンの妹のアリアンドロだ。彼女を一言で表せば、「外面如菩薩内面如夜叉」。

 ゴエウィンがギルヴァエスウィによって純潔を汚されたために、別の足持ち乙女を探さないといけない。アルアリアンドロは自分がその足持ち乙女になろうとするが、実は乙女ではなかったというオチ。魔法の杖を跨がされたアリアンドロは、二人の息子を産み落としてしまうのだ。

 実は、アリアンドロはグウィディオンの最愛の妹だったので、どうしても彼女の産んだ息子が欲しかったグウィディオンが、こうなることを見越して誘導したようなところもある。しかし、面目を潰されたと怒るアリアンドロがなんともすさまじいのだ。グウィディオンが育てた息子には、次から次に呪いをかけまくるし、もう一人の息子にいたっては、計略を用いて、自分の兄に彼を殺させてしまう。そして、最後には、自分の館のある島まで海に沈めることになった。神話の時代から「悪女」というのはいたようである。

 しかしグウィディオン、そんなに自分の血を引いた後継ぎが欲しかったんなら、罰を受けて動物に変えられていた時に、自分が産んだ息子がいたじゃないかと思うのだが。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

〇関連過去記事(「風竜胆の書評」へリンク)
翼あるものたちの女王 (マビノギオン物語3)
スィールの娘 (マビノギオン物語2)
アンヌウヴンの貴公子 (マビノギオン物語1)
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