文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ポーション頼みで生き延びます! 続(1)

2023-09-13 11:23:12 | 書評:その他

 

 本書は「続(1)」となっているが、実際には同作品の10巻目である。9巻までを九重ヒビキさんが描いて、その後を園心ふつうさんが引き継いだ形になっている。だからこの巻は、9巻の続きから始まっている。実は、私は勘目を持っているのだが、その巻末には九重ヒビキさんによる10巻目の予告がついているのだ。漫画家交代にはなにか「大人の事情」があったのではないかと推測する。

 さて、仕切り直しのこの続(1)巻だが、漫画を担当している園心ふつうさんは、このブログでも紹介した「どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです」などを書いている人だ。元自衛官という異色の経歴でもある。

 九重さんの絵になれていたので、最初はどうかなと思っていたが、いざ読んでみるとそれほど違和感はない。本書で描かれているのは9巻で途中まで進んでいた盗賊に脅されていた村および「便利な店ベル」での出来事。原作を担当しているFUNAさんは「私、能力は平均値でって言ったよね!」や「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」でも有名だ。この二つはアニメになっており、この作品も10月からアニメが放映されるというので、どのように料理されているか見るのが楽しみである。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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落日のパトス 14

2023-09-11 11:03:58 | 書評:その他

 

 この物語は、今は漫画家になっている藤原秋が、高校の時のあこがれである美人巨乳教師で当時の副担任だった仲井間真(当時は旧姓の祐生)が偶然アパートの隣の部屋に夫婦で引っ越して来たことから始まる。実は高校の時に真の胸を触ってしまったのが黒歴史になっているのだが、このアパートでも真の夫婦生活を除いてしまう。しかし真は夫とはかなり年の差があり、欲求不満気味。どんどん若い藤原に魅かれていく。そう、この物語は、藤原と真が繰り広げる禁断の愛がテーマなのだ。

 今回藤原は、新しく担当編集となった宮ヒナコの手配で、彼女と真と三人で熱海にやってくる。次の作品のテーマがNTRなので、藤原と真は不倫旅行という設定の取材旅行。ヒナコは二人と襖一枚隔てた隣の部屋にいる。

 藤原と真は、この巻ではもう少しで一線を越えるところだったのだが、思わぬお邪魔虫が入る。宮ヒナコは寝付きはいいのだが、ものすごく寝相が悪い。うなされ方も尋常ではなく、真に「なにかに呪われてる?」と言われるくらいだ。いいところを邪魔をされた藤原君は、「むしろ呪われてればいいのに・・・」

 艶々さんの作品はこのように引っ張るのだが、ここまでくれば、もう時間の問題(←何が?)のように思える。果たして二人の関係はこれからどうなっていくのだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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プロレス悪役シリーズ1,2

2023-09-09 19:08:35 | 書評:その他

 

 

 昔のプロレス人気は現在の比ではなかった。今のように数多くの団体に文例していた時代ではない。そしてプロレスには一つのパターンがある。それは善玉(ベビーフェイス:Babyface)と悪役(ヒール:Heel)との戦いである。なにしろプロレスのルールでは5秒以内の反則はOKなのだ。だから悪役が凶器を使って善玉を痛めつける。しかし善玉はそれに耐えて最後は悪役をやっつける。この勧善懲悪的なところが受けていたのだが、アメリカではこれに人種差別的なことが絡んであまり褒められたものではなかったようだ。

 悪役レスラーには怪奇な恰好の連中も多い。全身包帯姿のミイラ男とか、骸骨のタイツ姿をリングコスチュームとしていたり。そしてそれぞれにもっともらしい話がついている。この1,2巻にはそれぞれ5人の悪役が登場しているが、創作の部分がかなり多いと思う。なにしろ、みんな超人的だし、ネットをいくら検索しても、ここに書かれているようなエピソードはヒットしてこないのである。

 絵柄の方は、いかにも昭和の漫画という感じで、現代の漫画を見慣れている人は違和感を感じるかも知れない。でも昔はこんな感じの漫画が多かったんだよなあ。懐かしいなあ。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 194 小便組貞女

2023-09-07 10:49:57 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 江戸時代は、妾は社会的に認知された職業だった。それも、給金も待遇もよかったので人気の職業であった。しかし中には不心得者もいたようで、わざと寝小便をして、お払い箱になり、支度金をせしめる連中がいたようだ。どんな美女でも寝小便をされると、特殊な性癖がある人でない限りは、百年の恋も冷めるというもの。こういった女たちを小便組といっていたらしい。

 さて事件の方であるが、若松屋という浅草三間町の材木屋の裏の路地で御朱印の傅次郎という悪が殺された。なぜ、「御朱印の」と名乗っているかというと、傅次郎の唯一の自慢が、御朱印船に乗ったことがあるということだからだ。

 この若松屋には小便組の一人「お扇」という妾がいた。若松屋の主人敬三郎は、2年前に本妻を亡くし、何かと不自由だというので、「お扇」を妾として雇い入れたのだ。若松屋には、傅次郎が殺される前から、嫌がらせのような出来事が続いていた。そして事件が起きてからは「お扇」も行方知れずになっていた。

 これに乗り出したのがお馴染み三輪の万七。もちろん迷探偵役としてだ(笑)。万七は最初お扇を犯人と決めつけていたが、実際にお縄にしたのはお扇の妹のお篠。もちろん誤認逮捕である。これに乗り出して、見事に事件の真相を暴いたのが平次という訳だ。しかし本当に悪いのは傅次郎とばかり、あえて真犯人をつかまえようとせず、評判のいいお扇を妾から本妻にするように勧める始末。平次は事件の真相次第では、見て見ぬふりをするというところがある。何がなんでも犯人をお縄にして手柄を挙げようというタイプではない。この辺りが平次の一番の魅力だろう。なお、この話でも投げ銭は行わない。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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数学教師もげきはじめの考察

2023-09-05 20:21:00 | 書評:その他

 

 もげきはじめは中学の数学教師だ。1年1組を担任している。ちなみに漢字で書くと十一となる。なぜ十をもげきと読むかというと、木の斜めになっている両側の部分をもぐと十になるからだという。そして、隣のクラスは新任の美人教師白石の1年2組。

 強面で顔は怖いのだが、ものすごく個性的で、いい教師なのだ。おそらく、そんな教師いねーよと100人いれば100人共言うかもしれないくらいのいい教師である。それはおそらく生徒を一人の人間として尊重しているからだ。決して大勢の中に埋もれさせたりしない。生徒は一人一人違うのだ。金子みすゞではないが、みんな違ってみんないいのだ。

 だから分かり切ったことだったら、授業に出席しろなんて言わない。逆に図書室で自由に勉強することを勧めるのだ。テスト用紙の余白に自作クイズが書く生徒に対しては、叱るどころか問題を作る方が難しいので他の問題もみてみたいという。そして物事は調査や観察によって判断する。けっして無責任な噂に乗ったり一般論で判断したりしない。そして結果として多くの生徒から慕われている。

 教頭は赴任後、最初はもげき先生のことを非常識な教師だと思っていたのだが、次第に彼のことを理解していく(だだし、相変わらず頼りない)。逆に頼りがいのあるのは校長で、モンペがくだらないことでクレームをつけてきたときに、これを一喝。いやこんな校長いないだろうと思うが、もしかしたらいるのかもしれない。

 絵柄は、いわゆる「へたうま」な感じなのだが、なかなか個性的である。背景も殆ど描かれず、登場人物をほぼ線のみで描いているので他の漫画とは感じが大分違う。でも不思議な魅力があるのだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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おとなりのおねえさんにアレコレされるまんが(1)

2023-09-03 11:26:06 | 書評:その他

 

 この作品を一言で表せば、思春期男子と年上お姉さんとのラブコメとでもいうのだろうか。お隣の坂藤知愛さんは、高校時代はフェアリーとも呼ばれ、文武両道で優等生の可憐で優しい憧れのお姉さんだったが、大学を卒業してからは、立派な?無職ニートに大変身。アルコール類は手放せない。そして何かにつけ、主人公の岸村賢人君に絡んでくる。

 二人は7つ違いのはずだが(p131),賢人が高校受験生のときには既にニートになっているので学年としては8つ違いになるはずだ。もしかすると知愛さんは早生まれなのか。この第1巻では誕生日は不明だが、22歳で賢人の母親からお年玉をもらって喜んでいる(p8)が、この時既にニートなので、早生まれだろうという推測は結構確度が高い。

 またこのようなセリフもある「23歳専業無職が15の受験生のガキにゲームで負けたとか情けなすぎる」(p57)ここでは8つ違いになっている。時期ははっきりしなが、次の第12話が二月の話なので、知愛さん早生れ説は結構信ぴょう性があるものと考えている。また、妹の知恵と6つ違いという記述もあるが知恵が高2の時、ニート2年目だから、この説の信ぴょう性には結構自信を持っているのだが。

 この知愛さん、フェアリー時代もいいが、専業無職のニートになってもとっても可愛らしいのだ。こんなお姉さんが毎日のように絡んできたら、思春期男子諸君はなんやかやといっても、結構嬉しいのではないかと思う。知愛さんの方も賢人のことが好きだという節がそこかしこにある(もしかしてショタ属性なのか?)例えば「卒業する? 賢人が嫌じゃなかったらあたしはいい」(p92)というセリフや「そんなまどろっこしいことしなくてもすぐ男にしてあげる」(p150)というセリフだ。賢人君、また知愛さんがからかっているんだと思っていたようだが、惜しいことをしたものだ(笑)。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 022 名馬罪あり

2023-09-01 11:13:54 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 銭形平次と言えば、その卓越した推理力で難事件をバッサバッサと解決していく名探偵というイメージがあるのだが、どうも碁だけは、下手の横好きのようで、子分の八五郎にも負けるくらいなのである。八五郎に碁の才能があるかどうかはよく分からないが、

「・・・手前などは、だらしのあるのは碁だけだらう」

と、一応平次に言わせている。

 ある日この二人は碁で、もし平次が負けたら1日親分子分を交代するという賭けをした。そんな平次のところに客が来た。十八九の武家風の娘で8000石の大身の旗本、大場石見の用人相澤半之丞の娘だという。

 大場家には、家宝ともいえる東照宮からの御墨附があった。しかし房州にある領地で苛斂誅求の訴えがあったため、一旦若年寄預かりとなり長期間留め置かれたが、この度返却されることになった。それを受取りに行ったのが、相澤半之丞という訳である。タイトルに「名馬」とあるが、この時に乗ったのが、大の馬好きである主人・大場石見が貸してくれた東雲という名馬である。ところが、相澤半之丞は生まれつきの馬嫌い。見事に落馬したうえ、大事な御墨附の入った文箱もいつの間にかすり替わっていた。このままでは大場家は改易になる。実は大場石見は、本来の大場家当主ではなく、本来の当主の後見人だったはずが、家督を譲らなかった。そして悪政で領民から恨みを買っていた。

 平次はこの事件を見事に解決して、大場家の家督を本来の当主に戻し、石見を失脚させる。平次の魅力は、今の刑事ドラマのように何が何でも犯人をつかまえるようなものではなく、その背景まで考慮して、落ち着くところに落ち着かせるというところだろう。もちろんこの話でも平次は銭を投げない。それにしても八五郎と1日親分・子分を交代したはずが、とてもそうとは思えないところがなんとも面白い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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