もげきはじめは中学の数学教師だ。1年1組を担任している。ちなみに漢字で書くと十一となる。なぜ十をもげきと読むかというと、木の斜めになっている両側の部分をもぐと十になるからだという。そして、隣のクラスは新任の美人教師白石の1年2組。
強面で顔は怖いのだが、ものすごく個性的で、いい教師なのだ。おそらく、そんな教師いねーよと100人いれば100人共言うかもしれないくらいのいい教師である。それはおそらく生徒を一人の人間として尊重しているからだ。決して大勢の中に埋もれさせたりしない。生徒は一人一人違うのだ。金子みすゞではないが、みんな違ってみんないいのだ。
だから分かり切ったことだったら、授業に出席しろなんて言わない。逆に図書室で自由に勉強することを勧めるのだ。テスト用紙の余白に自作クイズが書く生徒に対しては、叱るどころか問題を作る方が難しいので他の問題もみてみたいという。そして物事は調査や観察によって判断する。けっして無責任な噂に乗ったり一般論で判断したりしない。そして結果として多くの生徒から慕われている。
教頭は赴任後、最初はもげき先生のことを非常識な教師だと思っていたのだが、次第に彼のことを理解していく(だだし、相変わらず頼りない)。逆に頼りがいのあるのは校長で、モンペがくだらないことでクレームをつけてきたときに、これを一喝。いやこんな校長いないだろうと思うが、もしかしたらいるのかもしれない。
絵柄は、いわゆる「へたうま」な感じなのだが、なかなか個性的である。背景も殆ど描かれず、登場人物をほぼ線のみで描いているので他の漫画とは感じが大分違う。でも不思議な魅力があるのだ。
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