晴れ、21度、56%
台風が日本の方ばかり目指しているからでしょうか、香港しばらく秋らしい抜けるような空が拡がっています。たとえ気温が30度近くまで上がっても、お昼間のほんの短い時間だけです。日差しがあっても、肌に触る風が夏のまとわりつくような感じではありません。
朝のひんやりした空気の中を走って帰って来ると、温かな甘いものが欲しくなりました。ココアもいいな?でも、主人が買って来てくれた最中汁粉を食べることにしました。文明堂の最中汁粉です。最中の中には、乾燥した晒あんが入っています。お店によっては、乾燥した求肥が入っているところもあります。小さい頃から、この最中汁粉がお湯に浮かんでいて、汁粉になる様子を見るのは好きでした。あの頃はあんこが嫌いでしたので、見るだけでおしまい。とっても日本的なこの最中汁粉が好きになったのは、香港に来てからのこと。当初、ご実家が京都の友人がいました。彼女が、ご実家からの荷物が届くと、お裾分けしてくださったのが懐中汁粉とも言われる、虎屋の最中汁粉でした。
店によっては、貝殻の形をしていたり、鼓の形のものもあります。お湯をかけるだけで、最中が破れるものもあるのですが、この文明堂や虎屋の最中汁粉は、割ってお湯をかけないと、 このように浮かんだまま割れてくれません。この後、私はお箸でつついて割りました。京都の末富のものは、白い半月のような形でした。私は、焼き色の付いた最中の方が、香ばしく好きです。しかも最中が、水分を含んでべっとりなるのが嫌なので、香りが立ったらそそくさと口に入れて仕舞います。
今では、デパートの地下街で年中みられる最中汁粉ですが、以前は、寒い時期だけ売られていたように思います。体が暖まるほどではありませんが、サラッとしたのど越しは、品の良さを感じます。文明堂の最中は手強く、なかなかの厚みでした。
もう、ひとつ残っています。もっと寒くなるまでお預けです。