チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

萬行寺のとら ありがとう

2013年10月28日 | 

晴れ、21度、78%

 昨朝のことでした。いつものように走って帰って来て、ブログを更新しようと開けたところコメントが入っています。「ありがとうございました」、とあります。コメントが入っていた記事は、以前に書いた「萬行寺のとら」です。あら?どなたからかしら?お名前に心当たりはありませんが、お寺の方からでした。「とら」が今月の14日に亡くなったと書かれていました。

 萬行寺、福岡の鎮守櫛田神社の向かいにある、浄土真宗の私の実家の菩提寺です。小さいときから、お彼岸、お盆と両親に連れられて通ったお寺です。新しく納骨堂が出来たり、付属の幼稚園が出来たりしましたが、本堂はもとより裏に拡がる墓地の様子は、昔と変わりません。そうですね、墓地から見える街の様変わりは、甚だしいです。小さい頃はビルなんてひとつも見えませんでしたが、街の真ん中のこのお寺、今では視界は高いビルに遮られています。

 私が福岡を離れたのは、高校を卒業してからです。それ以来は、帰福すれば、お盆や命日に関係なく墓参りに行きます。そうはいっても一年に一度くらいのものでした。小さい頃、社務所にお寺の管理費を納めに母と一緒に行くと、そこにはいつも猫がいました。ご住職が大の猫好きだと、大人たちの話から聞覚えていました。この寺に、ほぼ2月に一度墓参りに行くようになったのは、母が介護を受けるようになってからです。家に見えるヘルパーさんたちへの労い、施設に入所してからは、細々した雑用を片付けに、香港から福岡へ帰るのが、規則的になりました。かれこれ、5年ほど2月に一度は、墓参りに行っています。

 いつ行っても、本堂の前の石畳に茶色の大きな猫がいました。歩く姿も立派ですが、その大きさで座っていても貫禄充分、お寺の方が、「とら」と名前を教えてくださいました。よそから迷い込んで来た猫だそうです。お寺の門をくぐると、自然と私の目は「とら」を探しています。厚かましくお仕事中のお寺の人に「とら」はどこですか?と尋ねることもあります。不思議なことに、教えていただいたところにぴったりといる「とら」でした。

 お寺の門の脇の社務所横、 「とらとちび」の家です。

 実は、昨日のコメントで、この「ちび」もこの8月に亡くなったと知りました。雄だとばかり思っていた「ちび」は雌でした。「とら」ほどなつっこい猫ではありません、体も、「とら」と比べると小さく見えました。二人が、中で寝てますね。

 「とら」は、本名は「とら吉」だと教えてくださいました。歳は、17か18だと聞いています。私が、「とら」に最後に会ったのは、台風がうまく福岡を逸れてくれた今月の9日です。長患いの後です、待合室のなかに毛布を敷いて、痩せてしまった「とら」は横になっていました。まだ蒸し暑さが残る福岡でした。「とら」の側には、蚊取り線香が付いていました。引き戸を開けると、頭をもたげてくれました。辛くて、側に行くことが出来ませんでした。

 たくさんの人たちに好かれた「とら」です。ありがとう。

 私は、今年に入って3回ブログに「とら」のことを書きました。「萬行寺のとら」で検索すると、初めに3つ並んでいます。こんな私にまで、「とら」の死を知らせてくださったお寺の方に感謝しています。

 イチョウが色付き、銀杏が落ち始めている境内を「とら」が歩いていた姿が、心に残ります。

 

コメント (17)
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