曇り、18度、87%
夕飯のおかずをと横浜のそごうデパートの地下に下りたのは、階上階での催しものを見た帰りでした。日本のデパート、しかも関東一円のデパートの食料品売り場は、いくら見ても飽きることがありません。日本中、世界中から顔見世興行のように選り取りみどりです。香港にいる時は普通に生活している私も、急にお財布の紐が緩みます。
何をと目的のない買い物ですから、尚更、目移りします。少し、時間も遅いので出来たらすぐにかえって食べられるもの、お鍋の材料でもと思って地下にきたものの、出来合いのお総菜も色鮮やかお刺身にいたっては見ているだけで、ゴックン。どこからかラムの焼ける匂いまでしてきます。これも食べたい、あれも食べたい、お腹がすいている時は、デパートの地下は頭の中が支離滅裂になります。こんな、素敵な食料品売り場に慣れている日本に住む人には、私の気持ちはお分かりならないと思います。しかも、明日にはまた、香港に戻ります、となれば、美味しいものを食べられるのは後2回。
心を落ち着けて、もう一巡。最初に決まったのが、お腹が膨らみそうにないチーズでした。ディーンアンンドドゥリカのチーズコーナーに小さいながら異様に私を呼んでいたのが、透けるような黒と乳白色のマーブル模様のチーズでした。ポーター、アイリッシュビールの名前をとったこのチーズ、アイルランドの黒ビールが混ぜ込まれたチェダーチーズの仲間です。このチーズのことを何かで読んだことはあるのですが、お目にかかるのははじめてです。とてもきれいなチーズです。私には宝石などより美しく見えます。
日本ですから、切り分けられたポーションも小さめ、帰り着くまでに、いい具合にチーズの温度も食べごろになっています。そごうの地下での買い物は、徳島のたこの薫製(チーズの向こうに写っています。)高知の藁で燻した鰹のたたき、この2点は四国の物産展で。そして、香港では食べられそうにもないブリの厚い厚い切り身を買いました。お野菜は冷蔵庫にたっぷりあります。
ポーターチーズ、微かに黒ビールの香りと甘みがすると読んだ覚えがありますが、あいにく香りは感じません。チェダーのまろやかさがくせの無いチーズに仕上げています。食べるのがもったいないくらいに、きれいなチーズです。緑色のマーブルチーズは、セージタービーといって、香港でも手に入ります。緑もきれいですが、この透け感のある黒のマーブルは、存在感充分です。
チーズにたこの薫製、鰹のたたき、ブリを塩焼きにして、息子とお夕飯。変な取り合わせですが、我が家らしく思います。鰹も、ブリもかなりの量です。満足、満足。