ガス、21度、97%
フランスのお菓子でフレジエというイチゴのケーキがあります。柔らかなスポンジのショートケーキと見るからに似ているのですが、スポンジにはたっぷりのアーモントプードルが入っていて、クリームはカスタードと生クリームを合わせたムスリーヌクリーム、飾りはピンクやグリーンに色付けされたマジパンです。しかも、形は丸ではなくトランシュ型、長方形です。柔らかなスポンジのショートケーキは、どうやら日本のお菓子らしいのです。
自分のためにショートケーキとフレジエの中間のようなケーキを作りました。 柔らかなスポンジは、いくつになっても何処にずっと眠っている郷愁のようなものを感じます。イチゴの赤い色はラズベリーの赤より、優しい女の子を思わせます。真っ白なホイップクリームとこのイチゴの赤い色だけでも充分ですが、春らしく緑を添えました。この緑、ピスタッチオを細かくした物です。クリームとイチゴ、スポンジのミックスされた味が口に拡がるとき、このピスタッチオがちょっと濃厚な香りを発してくれます。クリームや果物を挟むケーキは少ししっかりと焼き上げるようにといわれます。でも、そこはお家で食べるケーキです。少々の形崩れより、柔らかな口溶けの良いスポンジが嬉しい。