晴れ、20度、94%
香港は世界的な金融の街ですが、庶民の皆さんも非常に利殖に長けていらっしゃって、株価の動きには敏感です。ふた昔前までは、道路に立って見回せば銀行が3,4軒は見えました。しかも、どの銀行も行列を作っていました。今では、中国系の銀行が参入して来ていますが、実際の銀行の数は、一番多い時の半分にまで減っているそうです。
銀行で日本との大きな違いは、印鑑がいらないこと。要するにサインです。印鑑を持たなくても、お金を動かすことが出来ます。もちろん、ATMは日本と同じくらい普及しています。銀行特有の細長い紙にいくらと書いて、サインをする、至って簡単ですが、最近ではここにも端末機器が登場。 口頭でいくら入金とかいくら降ろしますというと、この画面に、ボールペンのようなスタイラスでサインをします。スタイラスを使ったことがある人はお分かりでしょうが、なんとも心もとない字が書けます。自分のサインとは随分違って見えるわけです。これなら別の人が書いても分からないと思うほどです。このサインというのも、何十年も同じ私が書いているのに、少しずつ変化しているらしく、一度、カウンターのお姉さんに、「あなたのサインはこうですよ。」とPCの画面を見せられました。そこには銀行に口座を作った当初の今とはちょっと違うサインが見えました。サインって安心できないなあと思います。
あと一つ、私はここ20年、銀行の通帳を持っていません。通帳も印鑑もありません。ATMでも使えるあの小さなカードとサインだけ。月々の使用明細は、郵送されて来ていましたが、それすら今ではメールにアタッチされてきます。香港では、小切手を切ることがままあります。当座預金の残額の確認だけは怠りません。ほんの数¢足らないだけで大きな罰金が取られます。一度痛い目に会っています。
ウィークデイのお昼時、長い行列ができるのは今でも同じです。それでも随分とサービスが良くなりました。銀行によっても違いますが、総合口座を持っていると、並ばずに済みます。待合室に入るには、待ち番号札をもらいます。 革張りの椅子に腰掛け、株価のみのニュースが流れる中順番を待ちます。ここ2年ほどは、例のザーッと豆を碾いてコーヒーを入れるマシーンが置かれています。
碾き立てコーヒーを飲みながら待ちます。香港の人たちは株ばかりか、海外の投資ファンドにも興味がありますから、一人一人にかかる時間の長いこと。一度私もお勧めにのって、オーストラリアの何かに投資しました。はて、大して儲かった覚えがありません。以来、ただ、預ける、降ろすのみです。
月に2度は必ず行く銀行、窓口の顔見知りのお姉さんたちも随分偉くなって、窓口ではなく奥の方で仕事をしています。それでも私に気が付くと手を振ってくれます。私も手を振り返しますが、こんなこと仕事中にしてていいのかな?