曇り、16度、99%
七味唐辛子が好きです。一味は何となく苦手、なのに七味は何にでも使います。ハウスやヱスビーの七味もちゃんと香港に売られています。我が家がずっと使っているのは、京都産寧坂の七味家の七味唐辛子です。どんな時にも封を切っていないのがストックされているほど、私にとって、欠かせない香辛料です。
最近、主人も七味を使い始めました。ちょいと前のこと、主人がこれほんとに七味?と尋ねます。七味というより、山椒に近いと感じたようです。確かに、粉の色も赤々とはしていません。
東京に住んでいた頃は、当然のように、やげん堀の七味を使っていました。七味唐辛子は、やげん堀の方が起源だとか。薬研堀と書くように、薬の一つとして扱われていたそうです。それに、東京の神社等のお祭りに出かけると、決まって、七味屋さんが店を出しています。仕切りの付いたガラスの蓋の箱に、唐辛子、麻の実、山椒、青のり、黒ごま等を入れて、好みに合わせて七味唐辛子をこさえてくれます。薬だかどうかは知りませんが、そのガラスの蓋の箱をのぞくのは楽しみでした。七味唐辛子の成分表をそのまま見ているようです。
主人の言葉以来、東京の七味と京都の七味は違うのかもと思い始めました。そこで、先日、東京に帰国したとき、やげん堀の七味を買って来ました。(実は、先日の東京の帰国の時に買ったきたものは、この七味唐辛子だけでした。)やげん堀の封を切ると、まず香りが違います。明らかに赤唐辛子の香りです。 色を比べても、向かって右は京都七味家のもの、左がやげん堀の七味です。赤みが違います。
温かな汁物を別々の器に取って、それぞれを一振り。熱で香りが強くなります。七味家のはやはり山椒の香りが立ち、やげん堀は唐辛子の香りです。辛みもそれぞれ、山椒のピリピリと赤唐辛子のピリピリが舌先に感じます。辛さが後を引くのはやげん堀の方です。
京都の方は山椒にうるさいと以前から感じていました。こだわりを持っています。ちりめん山椒の値段が、ちりめんではなく山椒で決まることを聞いて驚いたものです。きっといい山椒が採れるからに違いありません。
私的にはやげん堀の七味は、照り焼き等の甘辛いものに、七味家の七味は、お味噌汁やおうどんに合うと感じます。同じ京都の一休堂の七味は、香港でも手に入ります。やはり山椒が強めかな?そうそう、善光寺にも有名な七味がありますね。七味七味といっても意外に奥が深いと思います。東京のお祭りのマイブレンド七味も作ってみたい。何やら七味一つで、夢が広がります。