チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

香港インターコンチネンタルホテル 欣圖軒

2015年03月19日 | 香港

ガス、22度、97%

 中華料理、中華圏以外の人から見れば同じような食べ物ですが、何分にも大きな国、中国、その上、世界中に華僑までお住まいです。中華料理も地方地方の料理があります。例えば、ここ香港、広東ですから広東料理。どれを選ぶかは人それぞれですが、中華四大料理に一つです。広州は古くから租界があったほど、西洋とのつながりが深い土地です。海に近く海鮮、西洋の影響を受けてミルクやトマトを使った料理があるのが特徴です。中国の南ですから、米文化。北の粉文化とは、大きく違います。もちろん、日本でもそうですが、今や北や南の違いは無くなって来ています。南北に長い日本だって、北の北海道の食べ物を南の九州の人が食べる時代です。

 香港、観光都市でもありますから、繁華街に立って見回せば大きな中華料理の店の看板がすぐに目に入ります。大きな中華レストランは、基本広東料理です。ところがどうしたことか、最近では、フュージョン流行で、昔からある広東料理はアレンジされ始めました。それはそれなりに初めの頃は楽しかったのですが、やっぱり、これぞ広東料理といわれる物が恋しくなります。

 九龍サイド、ビクトリア湾に沿ってカーブを描いて建つインターコンチネンタルホテル。ここには広東料理の老舗、「欣圖軒」があります。ロビーフロアーからは半地下、ビクトリア湾を行き来する船が目の高さで見られるいいレストランです。

  30年近く前からちっとも変わっていない、翡翠の前採用のプレートマット。このマットを見ただけで、「欣圖軒」と思い出される方も多いはずです。オーダーの後さりげなくこの翡翠のマットにのせられた突き出し。 恥ずかしいことに、お腹ペコペコの私は一口で味わう暇も無く食べてしまいました。素敵なサービングだけが記憶に残っています。

 前菜は、クラゲがメインのサラダです。 大きなプレートがサーブされ、横のワゴンで給仕の人がそれぞれの皿に取り分けてくれます。このクラゲ、あの細切りのフニャフニャではありません。コロンと塊で、その歯ごたえ、その甘み。やっと、私のお腹も落ち着いてきました。

 こんな土地に長く生活し、お客事も多いので、有名な生きたエビの蒸し物やフカひれのスープはもう飽きたなどと思わず口をつく私ですが、アワビとナマコには未だにご執心です。ナマコ一匹のこの一皿。 ナマコの横には小さき大根にのせられた大きな貝柱、チンゲンサイはほど良い温かさと甘みを残しています。お味はもちろん、一皿の中でハーモーニーが流れているようです。

 この次にホワイトアスパラガスと編み笠だけの炒めものがでてきたにも関わらず、またしても、そそくさと自分のお腹に詰め込んでしまいました。周りは静かな時間が流れています。ゆっくりとした時間の流れの中で食事をする贅沢なのですが、いけません、私はお腹を一杯にすることに集中しています。この炒めもの、品のいい味、しかも何のオイルで炒めたのかくどくなく美味でした。

  最後にでて来たのが、クリスピーナ揚げ物。湯葉でタロイモを包んであげた物です。湯葉でタロイモを包んであげた物は、生粋の広東料理、そこに鴨のローストされた肉と薄くスライスされたトリフが芯に巻かれています。少し濃厚なタレを付けていただくのだそうですが、私はパス。そのままの美味しさを堪能しました。

 やっとお腹が落ち着いて、ホッと。そこへ、 注文もしないのにこんな物が。食後のサービスです。この飾り棚は、普通木製で地元の方の家の窓際に飾り棚として使われています。そこにスイートをのせてのサービングです。湯葉の巻き物でお腹が一杯なのですが、口卑しく片端から味見をはじめました。残念なことにこのスイートあんまり美味しくありません。 残骸です。いえ、食い散らかしです。どれもこれも一口食べては、そのまんま。いやはや、私らしい。

 最後に、 お茶をお土産に頂きました。ティーバックなどではありません。ジャスミンの上等なお茶っ葉です。頗る上等なワインに静かな時間の流れ、地元の高級な料理屋さんでもここまでの静かな空間は期待できません。流石に、ホテルの中の老舗です。

 香港、食べ物に関しては、和洋中、しかもピンからキリまで揃っています。香港におみえの節は、どうかこのピンもキリもお楽しみください。

コメント
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