晴れ、20度、88%
香港島の北、セントラルと金鐘の中間に山向きに3車線の広い道があります。この道は上り専用、下る道はほぼ平行して走る花園道です。この道の歴史に付いては知らないのですが、ドライブという名前から、以前は小さな道で、花園道で上り下りしていたのだと思います。
そして、名前の如くコットンツリーが道沿いに植わっています。とても背の高い木です。しかも落葉しますので、冬場は筒立ちの趣の無い木です。葉より花を付け始めるのが早く、ちょうどこの季節、真っ赤なボッテリとした五弁の花を付けます。 先週4日ほど香港を離れました。行く前には殆ど咲いていなかったその赤い花が、この径の両脇に花を咲かせ始めています。葉の無い木に赤い花だけつけるので、際立って目立ちます。
昨日の香港、この時期にしては珍しく快晴でした。しかも、湿度も窓を開けれるほどにまで下がっています。金曜日から始まっているラグビーのセブンス、セブンスがやっている3日間というのは、例年雨かジトジトとした嫌なお天気です。お天気の良さにつられて、家のことも放っておいて散歩に出ました。
このコットンツリードライブの下り切った所は、昨年日本でもよく報道されていた、学生の道路占拠があった場所です。我が家に車で帰るには、この径を上がるしか方法がありません。2階建てバスもミニバスも全てこの径を上がってきます。2日前、陽のあるうちに香港に戻った私は、エアポートエクスプレスの香港ステーションからミニバスでこの径を上って帰ってきました。コットンツリードライブに入った途端に、赤い花が目に入ります。季節の移り変わりをちょいと忘れるほど忙しかったこのふた月。赤い花が、私に香港の夏が近いことを教えてくれます。
ちょうど一週間前、散歩の途中でヘタクソな蝉の鳴き声を聞きました。鳴き続けれない、途切れ途切れの蝉の声。昨日は、晴天の元、少しずつ長が鳴きが出来るようになっています。先日までの堅い新芽が一斉に新緑に代わった木々、今、この数日が香港の山々の一番きれいな時です。
香港の短い春で私が待ち望むのは、蝉の声、アカシアの花、そして、木々の新緑です。 このコットンツリードライブ沿いにあるアカシアの木は日当りがいいので、近所では一番早く黄色い小さな花を付けます。一瞬にしか香らないアカシアの花の香を捕まえようと、息を殺して次に深呼吸。短い短い春の香りです。
今日も、お天気良好。この金曜日からは長いイースターと清明節のお休みに入ります。ジトジト天気が戻って来るようです。このジトジト天気も五月の終わりになれば、一斉に夏雲が空に見られるようになり終わります。そしてその頃、このコットンツリードライブを通ると、白い木棉が空を舞っているのが見られます。初めてその様子を見たとき、もう随分と前のことですが、いったい何だろうと少しばかり幻想的なその様子に見とれていました。木棉だと気付くのに、随分時間がかかりました。綿といえば、木には出来ないとばかり思っていましたから。
まだ海洋性の霧がかかっていますが、昼間晴れたら、束の間のお日様を楽しんできます。