チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

エンリーベグリンのトルコブルーの小銭入れ

2015年04月20日 | 身の回りのもの

曇り、26度、83%

 財布や小銭入れ、手に馴染んで革の艶もよくなったと思う頃には、傷みが出ることがあります。身の回りの手にする物、特に革のものは人によって使い勝手の善し悪しがあるかもしれません。小銭入れなどは、口が狭いのも、開き過ぎるのもどちらも使い辛い。革がまだ硬い頃には、いつか手に馴染んでくれる時が来ることを思って使います。

 手縫いとオミノの刺繍が好きで求め始めたエンリーベグリン、バックに始まり、バックの中の小物はどれもオミノの刺繍が付いています。財布についている小銭入れの部分が、使い辛くて初めて小銭入れとして買ったのが、

 一番奥の四角いタイプでした。上蓋がパッカリと開いて、中の小銭が全部見えます。中が見えるの便利で助かりますが、口が広い分ちょっとした拍子に小銭が躍り出ます。プチンとスナップで蓋を閉めます。小銭が躍り出る以外は問題なく使っていました。日本との行き来が多くなり、日本用の小銭入れと香港用の小銭入れが必要になりました。そこで次ぎに求めたのが、真ん中の黒い小銭入れ。チャックで開け閉めします。チャックの位置が程よくて、中もよく見えますし、小銭が飛び出すこともありません。それになんといっても大量の小銭が入ります。入るからといって、先日、お札を2枚ほど詰めて買い物に行きました。いざ、お払いしようとすると、お札がチャックに食い込んで開きません。八百屋の店先で、チャックとお札と格闘すること数分、お札に穴が空きました。チャックもそれ以来、スムーズに動きません。

 初めに買った四角いタイプは、ちょうどその頃小銭入れを紛失した主人に貸していました。返してと言えずに、日本に帰ったついでに、新しいのを探しました。

 エンリーベグリンのものは全て手縫いです。蠟引きの糸が摺れて傷み始めると、修理費が高いので、自分で蠟引きの糸を買って来てブチブチと直します。その糸と革の色の配色、オミノの色もそれぞれ違います。真ん中の黒のオミノは赤いシャツにブルーのズボン。茶色のオミノはオレンジのシャツに白のズボンです。私の積年の手あかで色が薄汚れています。

 新しい物を探しに行くと、形は真ん中の黒のポッコリタイプが主流でした。でも、色や大きさがどうも今ひとつ。買わないでおこうと思っていると、今しがたお店に入って来たばかりの包みに小銭入れらしきものが見えます。お姉さんに無理をいって、開けてもらいました。いやー、小銭入れでトルコブルーです。ガッポリと小銭が入りそうにもありません。トルコブルーね、いいかもしれない、というのも、小銭入れ、バックの中で探すとき、黒の小銭入れは、何処にあるか探すのに時間がかかりました。財布も黒です。これまたどこかしらとバックを覗きます。こんな明るい色ならパット目に飛び込んできます。オミノの色は、オレンジのシャツにレモンイエローのズボンです。

 チャックが硬いうえに、あまり入らないなあと思いながらこのひと月使ってみました。昨日、あれっと気付きます。革が柔らかく口が大きく開くようになりました。少し私の手あかで青さも深みが出てきました。

 茶色は15年前、黒は8年前に求めました。あと数年後、このトルコブルーはどんな色に変わっているかな、と楽しみです。

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麻生太郎さん

2015年04月19日 | 自分ごと

曇り、25度、85%

 麻生太郎さん、現財務大臣、いえ、総理大臣もなさったことのあるあの麻生太郎さんです。麻生太郎さんのことを素敵だなあと思い始めて、かれこれ20年は過ぎています。私のことですから、政治のことなど皆目分かりません。ただの60近いおばさんが、いいなあと思うあれです。要するにテレビに出て来る人はみんな芸能人、のノリです。

 麻生さんを可愛い、と言う方がいると聞きました。何処が?可愛いなんて思いません。だって私より遥かにおじさんです。おしゃれだってことは頷きます。そればかりか、居並ぶ政治家の皆さん、20年前と体型の代わらないのは、麻生さんと小泉さんぐらいのものではないかしら。皆さん、でっぷりと恰幅よくお成りです。

 麻生さんがおしゃれだってことは、数年前のG20の時のマフィアスタイルでも分かります。そりゃあ、お金持ちですから、お洋服なんて全て誂えではないでしょうか。ご自分の体に合ったスタイルをしています。いつだって少しウェストのしまったスーツの上着。もちろん、肩の線は真一文字。そんなにお背が高くないと思います。だからかスーツの上着の丈がやや短めです。体に沿ったスーツを何気なく着こなして、癖でしょうか、立ったまま話をしている時は、さりげなく左ズボンに手が入ります。

 でも、一言でも話し声を聞けば、しゃがれたあの声です。お顔だって、なんだか薄っぺら。眉根にしわを寄せれば、それで政治家と思ってるのと野次を飛ばしたくなる始末です。じゃあ、何が素敵かって?「襟元」です。時折ブルーっぽいシャツを着てらっしゃいますが、殆ど白のワイシャツ(おそらくこれも誂えものでしょう。)とネクタイの襟元です。最近はお歳でシワの多くなったお首ですが、その首に吸い付くように立ち上がったワイシャツの襟、そして、寸部曲がること無く締められたネクタイ、ネクタイの結び目はどんな時でもパリッと、そして、ふっくら締められています。この小さな襟元に魅せられて、20年以上。テレビに麻生さんが映れば、お顔なんて見ていません。ただただ、襟元のその清潔感だけをうっとりと。

 香港で、NHKワールドの日本のニュースしか見ない我が家は、久しぶりに昨日、麻生さんをテレビで見ました。G20に出席中とか。麻生さんの声が入らないのをいいことに、いつ見ても清潔感たっぷりの襟元のを見つめます。

 姿勢がいいのも見ていて好もしい。着ている洋服ウンヌンより、着ている麻生さんの体型と姿勢は、これは取りも直さず麻生さんのダンディズムだと思います。政治的なことは分かりません。一年足らずで総理を辞められたことだけは記憶にあります。総理の間は、ありがたいことに毎日見られたあの襟元です。

 麻生さんの襟元を見る度に、なぜか背を正す私です。

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フローズンヨーグルトと小さなクッキー

2015年04月18日 | 菓子

曇り、23度、90%

 年の若いお客様がみえることになりました。なんだか嬉しくて、モモさんを一日早くトリミングして、これまた、一日早くお風呂に入れました。おまけにお耳の掃除も一日早く済ませました。モモさん準備万端。

 香港、じわじわと気温が上がり始めています。風があるので心地よいのですが、何か涼しげなものを用意しようと思います。寒が戻ったような気温になる前日にアイスクリームを作りました。寒いから食べないで、冷凍庫に入れておくつもりが、案の定、この私が食べ上げてしまいました。我が家のアイスクリームは、乳脂肪が高めです。コックリとしています。真夏の栄養補給にもぴったりな濃厚アイスクリームです。そこで、さっぱりとしたフローズンヨーグルトを作ることにしました。ヨーグルトとミルクとお砂糖、 オレンジの香りがよいコアントローをタラリと入れるだけで、あとはアイスクリームメーカーさんにお任せします。寡黙なアイスクリームメイカーさんが、仕事をすること一時間半、冷やされ、充分に空気を含んだフローズンヨーグルトの出来上がりです。口に含むと、あっという間に溶けてしまいます。

 フローズンヨーグルト、甘みも少なく作っていますので、ちょっと寂しい。そこで、小さなクッキーを焼きました。サブレ地と抹茶地をくっつけた雪だるまのようなクッキーが焼き上がりました。

 お客様がみえる日の朝、モモさんと二人で味見をすることに、 モモさん、もう少し待って下さいと言うと、フローズンヨーグルトの方は見ずにしっかり我慢して待っています。もちろんこの写真のすぐあとに、たくさん食べました。

 初夏の風と共にみえたお客様、話すことが一杯で、楽しい時間を過ごしました。

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国境を渡って、深圳へ

2015年04月17日 | 旅行

晴れ、21度、84%

 我が家を出て、バスで中国との国境に辿り着くまで、一時間ほど、これも高速道路の整備の賜物です。香港側の国境を出ると、乗って来たバスに再び乗ります。乗ること数分で、中国側のパスポート検査の建物につきます。この建物に近付くにつれて、中国色が強くなります。空気が俄然変わります。聞こえる言葉も、広東語とマンダリンが入り交じるのではなく、マンダリン一色。深圳は広東省ですが、言葉はマンダリン。中国各地から働きに来る人が後を絶ちません。不思議なことに、深圳よりまだ北の広東省の省都、広州に入ると言葉は広東語に代わります。私など、広東語が少し分かるくらいですから、マンダリンや他の中国語の区別もつかないまま、広東語が耳に入って来るとホッと安心します。

 随分以前のことです、マカオに一泊したことがありました。朝ご飯にホテルのコーヒールームに行くと、中国人の観光客の人が団体でご飯の最中でした。何処の朝食も大方ビュッフェです。お皿が並んだ長いテーブルを見てびっくり、お皿のうえには食べ物が殆ど残っていません。キッチンの人が新しい食べ物が載ったお皿を運んで来ると、団体の中国人、一斉に詰めかけて、スプーンを横倒しにして自分のお皿に食べ物をよそおいます。ごっそりとテンコ盛りにお皿にのせるわけです。これでは次の人の食べるものがありません。見ていると、テンコ盛りの食べ物、ちょっと食べて残して行きます。テーブルの上は、残った食べ物の山。朝から食欲のあるこの私ですら、げんなりと食欲減退でした。

 そんな経験がありますから、中国のホテルの朝のコーヒールームは苦手です。今回も朝からお腹はグーグー、実はその前の晩、主人と私は2カ所で夕飯を頂くはめとなりました。ご飯だけではありません。二人して、しこたまワインも頂戴しました。2軒目は、お付き合いですから、わざわざ出していただいたものを残すわけにはいきません。ホテルに帰るタクシーの中で、明日は朝もお昼も食べれないと言ったのはこの私です。にもかかわらず、目が覚めるとお腹が空いてます。健康な証拠です。主人に付き合って、広い公園の散歩を終えて、やっと目指すは朝のコーヒールーム。ビュッフェです。ちょっと嫌な思いが頭をよぎります。

  温められた、デニッシュ。シリアルもサラダも充実しています。中国では数年前まで、ホテルですらコーヒーが美味しくありませんでした。美味しいコーヒーもたっぷりと頂けます。

 でも折角ですから、中華料理の朝ご飯を。 チャーメン。 四角い蒸し器は、何とすっきりと素敵です。お饅頭の類いが揃っています。

 何処に行ってもビュフェの締めはヨーグルト。  中国最大手の蒙牛のヨーグルトは凄く甘くてヤクルトみたいでしたが、さっぱりと美味しくなっています。

 私がちゃんと朝ご飯を食べれたということは、周りの中国の方達がテンコ盛りをしなかったからです。食べる分だけ取って来て、テーブルの上もきれいなままで立ち去って行きます。

 中国の人たちも、少しずつ公共のマナーを身につけ始めていると感じます。時間がかかっても、他所の国で恥をかいて覚えて行くことかもしれません。

 でも、たった国境越えただけで、 このようにFBの写真やYouTubeの画像が受信できなくなりました。中国の人は、煽動され易い人種かもしれません。情報規制が国主導で行われていることをつくづく感じた今回の深圳行きでした。

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ハサミよハサミ、ハサミさん。

2015年04月16日 | 身の回りのもの

晴れ、20度、74%

 考えてみたら、ハサミにお世話にならない日はありません。洋裁をしている訳でも、床屋さんでもないのに、一日数回は必ずチョキチョキ。そして、包丁同様、手先から体と一体となって働いてくれるハサミですから、使い勝手の良い、しかも、力を入れないでチョキチョキ出来るものが好ましく思います。

 思いつくままに、家にあるハサミを出して来て並べてみました。大小様々。和バサミは、花用のが一本きりです。こう書いてきて、あらあら、まだハサミがあるのを思い出しました。主人、私、モモさんの爪切りバサミ。モモさんの散髪用のハサミ。探せばまだまだ出てきそうです。

 左端の大きなハサミは出番が少ないのですが、力が無くなって来た昨今、とても重宝しています。主に台所用。鶏のガラの骨をブチブチと切ったり、硬いタイの頭に骨をブチんと切り落としたり。このハサミ、何処かで頂いたものです。覚えていない所を見ると、きっと主人が頂いて来たものに違いありません。しかも、売っているのを見たことがない。物騒に思えるのに、台所の引き出しに入れています。

 その右横は、ピンキングバサミ。縫い物は苦手です。好きですが下手です。そこで、このピンキングバサミは大活躍。縫い代の始末がとても楽です。息子の幼稚園の入園前に買ったものですから、もう随分古い物です。これを買った頃、裁ちバサミも求めました。その裁ちバサミ、手入れが悪かったうえに、香港に来てから多湿で錆がつきました。その錆を取ろうと、砥石で磨いたのがいけません、全く切れなくなりました。ピンキングハサミの右横の裁ちハサミは2代目。まだ3年ほどのものです。

 裁ちバサミの横の細めのハサミは事務用。デスクの上で紙を切るのに使います。形がきれいで買ったのですが、切れ味もなかなかいいものです。これも、毎日使います。

 一番長い付き合いで、使用頻度も高いのが、真ん中のゾーリンゲンの台所用のハサミです。結婚前から持ってますから、40歳を越しているかもしれません。持ち手のブルーがはげています。ただの一度も調整などしたこともないのに、40年間絶好調です。しかも、香港に来て以来、地元の方の真似をして、調理済みのものまでハサミで切ります。長い長い麺をみんなで分けるとき、所々にハサミを入れると取り分け易くなるのです。手抜き用ハサミです。

 花バサミも長い付き合いです。若い頃は、刃物は木屋かゾーリンゲンと思っていました。関の刃物、燕三条の刃物、日本には優れた刃物が全国でまじめに作られています。この花バサミも、手入れをしないまま使い続けています。

 その右横は、一番使用頻度の低い包帯バサミ。二枚の刃が離れるように出来ています。先の丸い優しい感じのハサミです。

 その右横、チクチクのとき片時も側から放さない、大事な糸切りバサミ。糸ばかりかパッチワークの小さな布を裁つ時にも重宝します。小回りが効くハサミです。

 一番右端は、主人専用のハサミなので、使い勝手は知りません。

 いいハサミは、長く使っても手入れ一つせず、ねじ一つ締めること無く永年使えます。そして、こうして並べてみると、みんななんときれいな形をしていることか。日常使うものはこうでなくてはと思います。

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お饅頭型 オレンジピール入りあんぱん

2015年04月15日 | パン

晴れ、19度、68%

 香港のローカルのパンにあんぱんもあります。餡は小豆のあんですが、日本の小豆あんよりオイルが感じられます。ピーナッツオイルが入っています。餡の甘さは日本の物に比べると、さほど強くはありません。日本の餡は、おしなべて甘みが強く感じます。香港のあんぱんの形は、日本のあんぱんの形と同じです。芥子や桜の花びらはのっていませんが、丸いつぶれた形です。香港のパン業界は日本パン屋の貢献度が高い分野の一つです。山崎製パンの大きな工場、敷島製パンのインストアーベイカリー、ちょいと高級なドンクのパン。以前は、サンジェルマンのパン屋もありました。だから、香港のあんぱんの形が、日本のと同じなのは、元々なのか日本の影響を受けたのか定かではありません。別の形のあんぱんってないのかなあ?と思います。餡が入りますからお饅頭型で作ってみました。

 お饅頭の4倍ほどの大きさです。それだけではありません。あんぱんといえば小豆あん、ウグイスあん。白あんぱんは見たことがありません。白餡だと映りが悪いからでしょうか、では、と、白餡に黄色いプツプツ、オレンジピールを入れてみました。 半分に切るとこんな感じです。

 食べてみた感想、形は従来の丸くつぶれた形の方が食べ易いと思います。白餡は写真で見ても分かる通り、視覚的にコントラストがありません。白餡を使わないのも頷けます。ところがこの白餡にオレンジピールという組み合わせ、なんとも美味しい。白餡は、においも味もくせが無いのが身上です。悪く言えば個性がないので、オレンジピールのような爽やかな香りとビターな味といい相性です。

 お饅頭型のあんぱんは、食べてる端からあんこがこぼれそうになりました。あんぱんが、あの小さな座布団型になるには、何か意味があったのかもしれません。

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アザミの花

2015年04月14日 | 

晴れ、17度、47%

 アザミの花が春になると香港に入って来るようになりました。花市で、アザミを置いているお店は一軒、お店の人に尋ねても何処の国からやって来るのか分かりません。薄いピンク、紫、白の3色です。お値段からすると、そんなに近くの国から入って来たのだとも思われません。日本なら、道端や土手に咲いているアザミです。小学校の帰り道、葉っぱのとげが痛いにも関わらず、このアザミが好きでした。小さい時から見知っているのは紫のアザミ、だから、買う時もやっぱり紫を買ってしまいます。

 中国返還前の香港は、たくさんの洋食器屋さんがありました。イギリスは、小さな民窯からウェッジウッドのような大きな窯まで、窯業の盛んな国です。日本にいて見知っていたものより遥かに多くの食器を見ることが出来ました。6人、8人、12人とセットで揃える洋食器ですが、イギリス人のおばさんのやっていた小さな食器屋の小さなコーナーには、アザミの花のティーカップが一つ、もう一つは、クローバーの絵がついているティーカップが一つ飾られていました。デミタスカップよりはやや大きめ、ティーカップにはしては小ぶりでした。以前も書きましたが、この2つのカップが欲しくて何度も何度も手に取りました。ところがそれぞれひとつしかないと言います。そのカップに描かれていたアザミは、 ちょうどこんな感じでした。

 アザミがスコットランドの国花、クローバーがアイルランドの国花と知ったのは、中国返還の頃読んだアイルランドの本でした。アザミはそのとげで身を守るというのでスコットランド人は国花にしたのだそうです。先日はイギリス人の書いた本を読んでいたら、休暇で行ったスコットランドの丘にアザミが咲き乱れていたと書かれています。想像しますが、やや背の高いアザミが一面の丘は、きっと、この濃いグリーン一面で花は所々にしか見えないのではなかったかと思います。

 リビングの一角にアザミをイギリスのカットグラスに生けてみました。派手ではありません。目に写るのもやはり濃い緑の葉っぱです。でも、なぜか好きな花のひとつです。何処の国からやって来たアザミでしょうか。

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オカメインコのタイロー

2015年04月13日 | 日々のこと

晴れ、17度、69%

 香港の九龍サイドにある大きな花市には、隣接して鳥を売っている鳥市があります。こんもりと木が茂った薄暗い鳥市、近年、大きな石の門や歩道が整備されて、ちょっとしゃれた散歩道になりました。 花を買いに行くと駐車の関係で必ずこの道を通ります。小さな鳥のさえずりから大型な鳥の鳴き声まで、まあなんと賑やかなことでしょうか。

 香港は亜熱帯に属していますので、日本とは少し野生の鳥の種類が違うように思います。色とりどりのきれいな鳥が飛んでいるわけではありませんが、カラスはいません。朝は早くから、山側でくぐもった鳥が鳴き始めます。私の朝の合図です。香港の人たち、声のきれいな鳥が好きです。まだ、のんびりしていた頃は、朝の飲茶に向かうおじさんたちの手には、鳥籠がありました。鳥を小さな籠に入れて飲茶屋に向かいます。朝日の射す窓辺にそれぞれが鳥籠を掛けて、ゆっくりと朝ご飯。今では、ほとんど見られなくなった光景です。

 私が、大学で東京に出たばかりのこと、念願の一人暮らしが始まりました。小さなアパートの部屋には、使い慣れたベットとビューロー、整理ダンスが送られてきました。一人で生活することにずっと憧れていました。夏の日差しが刺し始めた頃、渋谷の道玄坂を歩いていました。道端に、ゴザが敷かれきれいな色の鳥を売っています。今から40年近く前の東京、まだこんな物売りの人がいました。売っているといっても数羽です。足は縛られて横になっています。初めて見る鳥でした。オカメインコというのだと知りました。さて、このおじさん何処からオカメインコを仕入れたのか。そんなことより、目の前の日なたの中でぐったりしている鳥たちが気になります。

 実家でも小さい頃から犬猫はもちろん鳥も飼っていました。ジュウシマツやインコです。犬や猫ほど、私自身は身近に感じなかった鳥ですが、急に、このオカメインコを家に連れて帰ろうと思いました。いくらで買ったのかも覚えていません。茶色の紙袋に入れられたオカメインコは、大事に抱えられ東横線に乗りました。私が一人暮らしを初めて、一緒に住んだ最初の仲間です。

 名前を付けました。タイロー。翌日には、女の子っぽく、藤で出来た鳥籠を見つけて買って来ました。藤のかごはお気に召さないのか、帰って見ると自分で扉を開けて部屋に出ています。まあ、この部屋の住人は一人ですし、少々のフンも気になりません。鳥籠に入れずに、6畳の部屋に放して飼っていました。当時の私は夜更かし朝寝型。ところが朝陽が上ると、タイローは私の枕元で起こします。ベットに横になって見ていると、部屋を飛び回ります。寝てて鳥が部屋を飛んでいるなんて、最高に楽しかった。普通の鳥のえさも用意しましたが、ゆで卵もキャベツもクッキーだって私の手から食べました。

 実家で飼っていた小さな鳥たちが亡くなると、母がよく糞詰まりを起こし易いからと言っていたので、水も欠かさずに置いていました。時折、流しで水を飲んでいる姿もありました。夜、帰宅すると、ベットの側に置いてある鳥籠の上で寝ています。お昼間帰ると、飛んで来て出迎えてくれます。タイロー、ただいま、って具合です。目と目が合うと、気持ちが通じます。

 でも、ある時、家に帰ると死んでいました。何故だか分かりません。どうしても亡くなったことが身にしみないので、亡がらを土に埋めることが出来ずに、数日冷蔵庫に入れていました。冷蔵庫を開けては色褪せて行くタイローを見ていました。やっと、気持ちが落ち着いて亡がらを埋めました。

 以来、結婚しても鳥は飼っていません。毎日、出窓で餌付けはしますが、家の中では飼っていません。鳥市を通るとき、必ずオカメインコの籠をのぞきます。そしていつも心に思います。日本に帰ったら、またオカメインコを家で飼うんだと。

 オカメインコ、インコと名前が付いていますが、オウム科です。オウムは長生きの鳥です。一人部屋で死なせてしまったタイローにすまなく思います。

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BB デトックス クスミティー

2015年04月12日 | お茶

雨、16度、95%

 デトックスってなあに?と若い友人に尋ねました。この2年ほど、香港の町にデトックスの文字があちらこちらに見られます。新聞の記事の写真など、たるんだお尻の肉がなくなると、ビフォーアンドアフターの写真が載せられています。つまり脂かな?若い友人曰く、彼女はヨガをしていてその道に詳しいお方です。真奈さん、老廃物ですよ。と教えてくださいます。老廃物といえば、トイレで用を足せば済みそうに思うのに、やれマッサージだとか、リンパがどうのといわれると、ますます分かりません。で、すっかり興味を持たないまま。

 主人と珍しく買い物に行くことがあります。買い物といっても、日曜日のお夕飯のおかずです。私がケチな買い物しかしませんので、日曜日ぐらいはいい食材をと思って、私を引き連れてお出かけです。以前は日本人の方がやっていた大きな高級なスーパーがセレクトショップの地下にあります。買わずとも見てるだけでも楽しくなる食品売り場です。デリにいたっては、ちょいと高めな回転寿しをはじめ、世界中のデリがテイクアウトできます。週日のお昼時は、オフィスの方達がわんさとつめかけるお店です。地下ですからお肉を焼くにおい、スープから立ち上る湯気のにおい、まあ、ごちゃごちゃでお魚を買いに行ったのに、ラムの切り身を見てはこっちもいいねと、判断つきかねます。そこで、一巡して決めようねと広い店内を廻ります。

 あれ、クスミティーのコーナーが出来ています。フランス人のお姉さんが試飲をさせてくれています。このほんの少し前に、主人がフランスからのお土産でクスミティーを買って来てくれたのですが、アールグレー以外はどうにもこうにも私には香りが強すぎて、やっとの思いで飲み上げました。試飲をさせてくれているのは、BBデトックスというお茶です。ほら、またデトックスだわ。と内心思います。私は毎日お手洗いに行ってるから、要らないのよこんなの。とまで思います。ところが主人ときたら、お姉さんがマテ茶が入ってますというのを聞いた途端、一つ下さいと言ってしまいました。マテ茶が好きな主人です。そこで、小さいのでいいわよ、と買って来ました。

 帰って来て一度、所望されお茶を煎れましたが、それっきり主人は飲む気配がありません。 お茶の色はやや紅めで紅茶に似ていますが、マテ茶と中国の緑茶とルイボスティーが入っています。香りはグレープフルーツといわれましたが、私にはピーチに匂います。しかも、その奥からミントのにおいがちらっと顔を出す始末。ミントやカモミールのお茶がどうしても飲めません。そこで、私もこのお茶は放ったまま。

 先日、急にこの黄色のお茶缶を別のものに使いたくなりました。そうなると缶欲しさに、一日3回このお茶を飲みます。デトックスに効くか効かないかなんて関係ありません。缶が欲しいだけです。きっと、今日3回飲めば、缶は私のもの。

 ところで、BBデトックスのBBって何だろう?と思いました。クスミティーのホームページで見ると、なんとブリジットバルドーのこと。なんだか古いいなあ。要するにバルドーのようなデトックスされた体になりますよ、という訳でしょうか。私の頭に浮かんで来たのは、日焼けしてお年を召したバルドーのしわしわのお顔でした。

 

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ミントの後ろ姿

2015年04月11日 | 日々のこと

雨、17度、97%

 冬でも気温が10度を下らない香港です。柔らかい葉を持つハーブは、秋撒きをします。セルフィーユやイタリアンパセリなどです。夏場は高温多湿、その上我が家のコンクリートの小さな出窓は、嫌が上でもかなりの温度を夜間まで保ちます。半日陰を好む植物は、6月頃から段々元気を失います。冬場気温が下がらないということは、一年中、ハーブを育てることが出来る環境です。それでも、夏のハーブと私が思うシソやバジルは、遅くても秋口の花が付く頃には、根こそぎ収穫します。花が付けば、葉っぱの香りは俄然落ちます。一年草は温かくとも冬を越しません。急に、空間が出来る我が家の秋の出窓です。

 すると、暑さに弱く夏場はバジルの陰で、小さくなっていたミントが急に大きくなり始めます。宿根のミントはランナーを延ばしながら、空きのできた空間をズンズン占領し始めます。その勢いの凄いこと。お日様に向かって、笑いながら、自分の生活空間を拡張して行くのです。冬場は、セルフィーユなどの葉の形が面白いハーブを鉢一つ分ずつしか育てませんので、ミントは勢力範囲を広げることを止めません。

 出窓の両脇にはオリーブの木とローレルの木を置いています。ふたつの木も冬場は古い緑の葉っぱを付けています。食卓に座って、出窓を見ると、木々の葉っぱより圧倒的に目に飛び込んで来るのがミントの若々しい緑です。とはいっても、皆さん、お日様の方を向きニコニコしていますから、 私たちがきれいだわと眺めているのは、ミントの後ろ姿です。後ろ姿でもなんともいい風情のミントたち。冬にこんな緑を楽しませてくれるなんて、幸せだなと優しく撫でてあげると、これまた、爽やかな香りをふんわり。冬の間、鳥たちにエサを上げる時の私のお決まりです。

 この冬は、殊の外暖かく3月下旬には夏物の種を蒔きました。まずは、初めて種を蒔いたピーマン、続いて、バジルにルッコラ、紫蘇。あっという間に芽が吹いて、本葉の小さな形が分かるようになりました。するといつも頭を悩ますのが、狭い出窓の空間をどう使ってこれらを育てるかです。場所をたくさん取るのは今年はピーマンにバジルにルッコラ。

 つまり、冬の間緑を楽しませてくれたミントを刈り取る時期が近付いてきました。おそらく今月末か来月初めです。心が痛みます。根こそぎ取る訳ではなく、片隅に残しておきます。暑い間、おとなしくしています。いえ、元気も何もありません、フンニャリと涼しくなるのを待っているようです。

 はさみで切り取ったミントは、ひとしばらく花器に入れて楽しみます。するとひげ根を伸ばしてくれます。やっぱり、ハーブって雑草だなとその生命力に驚かされます。

 7月に入ると、急成長したバジルの後ろ姿が、ミントを見た場所に見ることが出来ます。暑い夏はミントより背の高いバジルが、暑さを遮るように緑の陰をこさえてくれます。

 ミントの葉越しに見る冬の香港のビクトリア湾、バジルの葉越しに見る夏のビルだらけの照り返しの香港、もう何年も何年も繰り返して見てきた景色です。

 

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