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財布や小銭入れ、手に馴染んで革の艶もよくなったと思う頃には、傷みが出ることがあります。身の回りの手にする物、特に革のものは人によって使い勝手の善し悪しがあるかもしれません。小銭入れなどは、口が狭いのも、開き過ぎるのもどちらも使い辛い。革がまだ硬い頃には、いつか手に馴染んでくれる時が来ることを思って使います。
手縫いとオミノの刺繍が好きで求め始めたエンリーベグリン、バックに始まり、バックの中の小物はどれもオミノの刺繍が付いています。財布についている小銭入れの部分が、使い辛くて初めて小銭入れとして買ったのが、
一番奥の四角いタイプでした。上蓋がパッカリと開いて、中の小銭が全部見えます。中が見えるの便利で助かりますが、口が広い分ちょっとした拍子に小銭が躍り出ます。プチンとスナップで蓋を閉めます。小銭が躍り出る以外は問題なく使っていました。日本との行き来が多くなり、日本用の小銭入れと香港用の小銭入れが必要になりました。そこで次ぎに求めたのが、真ん中の黒い小銭入れ。チャックで開け閉めします。チャックの位置が程よくて、中もよく見えますし、小銭が飛び出すこともありません。それになんといっても大量の小銭が入ります。入るからといって、先日、お札を2枚ほど詰めて買い物に行きました。いざ、お払いしようとすると、お札がチャックに食い込んで開きません。八百屋の店先で、チャックとお札と格闘すること数分、お札に穴が空きました。チャックもそれ以来、スムーズに動きません。
初めに買った四角いタイプは、ちょうどその頃小銭入れを紛失した主人に貸していました。返してと言えずに、日本に帰ったついでに、新しいのを探しました。
エンリーベグリンのものは全て手縫いです。蠟引きの糸が摺れて傷み始めると、修理費が高いので、自分で蠟引きの糸を買って来てブチブチと直します。その糸と革の色の配色、オミノの色もそれぞれ違います。真ん中の黒のオミノは赤いシャツにブルーのズボン。茶色のオミノはオレンジのシャツに白のズボンです。私の積年の手あかで色が薄汚れています。
新しい物を探しに行くと、形は真ん中の黒のポッコリタイプが主流でした。でも、色や大きさがどうも今ひとつ。買わないでおこうと思っていると、今しがたお店に入って来たばかりの包みに小銭入れらしきものが見えます。お姉さんに無理をいって、開けてもらいました。いやー、小銭入れでトルコブルーです。ガッポリと小銭が入りそうにもありません。トルコブルーね、いいかもしれない、というのも、小銭入れ、バックの中で探すとき、黒の小銭入れは、何処にあるか探すのに時間がかかりました。財布も黒です。これまたどこかしらとバックを覗きます。こんな明るい色ならパット目に飛び込んできます。オミノの色は、オレンジのシャツにレモンイエローのズボンです。
チャックが硬いうえに、あまり入らないなあと思いながらこのひと月使ってみました。昨日、あれっと気付きます。革が柔らかく口が大きく開くようになりました。少し私の手あかで青さも深みが出てきました。
茶色は15年前、黒は8年前に求めました。あと数年後、このトルコブルーはどんな色に変わっているかな、と楽しみです。