蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

枯れ方が、同じようでも、やはり、違う

2011-02-13 | 時事&世の中

立ち読みシリーズ。

「知的余生の方法」
つまり、知的に枯れていく余生の送り方。

34年前に、著者は、おなじような本「知的生活の方法」を書かれていたようだ。
著者は現在は、もう80歳を超える、ご高齢のようなので、
その頃の著者の、50歳にもならない年齢からすると、
まだ、「余生の送り方」ではなく、「人生の過ごし方」ぐらいだったかもしれない。
それから34年後の今こそ「豊富な教養と体験から碩学が紡ぎ出す、人生の新しい極意」だそうな。

あとで、調べて見ると、著者は、渡部昇一氏(1930年生まれ)
新潮社(新潮新書) 2010年11月 出版 

ふむふむ・・・と共感、納得すること、いっぱい。
ご高齢の男性と、考えや感性が似通っているって、わたしって・・・どんだけ枯れてる?
(うらら~うらうら、踊ってていいのか??)

著者は、海外生活も長く、都市部を生活拠点にしてきた知識人。
ビジネスのヒントとしたり、知的な側面を研ぎ澄ませたりするのに、
活用できる方には活用していただくとして、
(わたしは、そのあたりは、ぼーーっと脳が素通りし)
教養や知性のところは、ぱぱぱーっと、すっ飛ばして、
おもに、人間関係のところに、思い当たるフシが多かった。


夫婦別室のススメ。
老いて故郷へのUターンは、おススメしない。
故郷は、遠くで思うもの。
別荘で過ごすより、自宅でエアコンを。
お付き合いは、財布の大きさ(支払い能力)が同じぐらいの人と。
リタイア後は、学歴は関係なし。
知的な会話ができない人とは、夜通し話そうとは思わない。
思想的な価値観が違う人とは、友人になりたくない。

東大法学部出身者ばかりが秀才ではない。
アタマは良くても、ろくでもない政策で国を混乱させた政治家もいる。
(→宮澤喜一氏を例えにあげておられた)

著者の、ある、知人の書斎。
外国(アメリカ?)にあるその人のお宅は、
門から10~15分ぐらい(車で?)走らないと、書庫が見えないそうだ。
いくつもいくつも書庫が並んでいるとか。
門の前から見えるようでは、まだ甘い。

(今なら、電子書籍化すれば、そんな膨大な、かさ張るブツは、
ありえないほどボリュームダウンして、小さくおさまるだろうけれど)
家の大きさや、知性や教養を自慢している人に、こういうこともあるよ、って、知ってほしかったりする。
スケールの小さいことで自慢してたら恥ずかしいよ、ってこと。
膨大な書籍があっても、間違った読み取り方、応用の仕方、展開を繰り拡げ、
映画に出てくるような、世界を破滅させる悪玉のごとく、
良くない考えを生んでいては、意味がないけれど。


地方のイエは、相続税によって分割され、空中分解。
それとともに、地方の活力も失われ、同時に衰退した、と述べられる。

家督は続かなくても、イエ制度はなくなっても、
子孫という、血のつながりが残り継承されるということで、確実な足跡が残り、未来につながる。
これは、宗教よりも大切な、実体のある、「生きる意義」だそうだ。

女性も、家庭でくすぶって世間を知らないのではなく、磨かれたキャリアウーマンが多くなり、
パーティでも、美人をよく目にするようになったが、
なかでも後光がさして、光り輝いている人は、保育関係の仕事をしている人だと、著者は言う。
子供を生み、育てることに力を注ぐ人は、表現しようがないほどの品性が備わると。
昔なら、お姫様か、高貴な人にだけ備わっていた美が、
有能バリバリのキャリアウーマンにではなく、保育関係の人に、備わっている、と。

ちょっとこれは、いかにも、ご高齢の男性のまなざしだと思ったけれど。
男性と肩を並べて、能力で競い合うと、女性らしさは、自然と、はがれ落ちるかもしれない。
しかし、女性らしさを表現する分野の仕事なら、女性ならではの特性が生きるだろうし、
あるいは、仕事ではない場面で、オフ時に女性らしさを出すこともあるし、
広い分野の女性たちを広い目で見ていただきたい。
そもそも男らしさ、女らしさ、って、なに?という、ジェンダーの考え方も浸透し、
昔とは違ってきている。

とはいうものの、おっしゃりたいニュアンスは、わかる。

ブッシュ・元大統領夫人のような、ああいう、子供を家庭で育てる、いわゆる「婦人」像。
子供を生み育てる、豊かなこころを持つ、慈愛に満ちあふれる賢婦人。
そういうイメージを著者は絶賛しておられた。

昔は、職業婦人は、高貴な、裕福な階級から見ると、
嫁に行けない人、貧しい家の人、と、見下げられていた。
「家事手伝い」という、良家の子女の、嫁に行くまでのモラトリアム期間も設けられていた。
今では、家事手伝いなどという人種は、パラサイト・シングルやニートに他ならない。
ただ、良家の子女の場合は、多少は大目に見てもらえるのかもしれないが、
いくら良家の子女でも、仕事もしないで、お稽古ごとばかりでは、
生活能力がないかもしれないと、結婚相手に引かれかねない。

おっと、脱線。

昔の価値観と、今の価値観を、うまく、スライドできていない人が、身近にいると、
ついつい、熱が入ってしまう。

文字数も、どんどん増えて行ってしまうようなので、延々、立ち読みの本のお話は、
ここで終了いたします。

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わたしの抜粋には、かなりの偏りがあります。
しかも、ばばっと短時間に読んだ、立ち読みですので。

著書を買って読んでいただくか(広告料、いただいてません)、
どなたかのブログに、ちゃんと、きっちり正確に内容が紹介されているので、
それをお読みいただくか、
正しい方法で、知性を吸収していただくことをおススメします。

トップ写真は、お昼に食べたグレープフルーツ。
わたしのアタマも、まっ二つに割ると、種いっぱいで、スッパイだけ?