蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

クリスタルな輝きって、なにさ!

2011-11-01 | リアル パリ
本日はとってもいいお天気。
いつまでもアパルトマンに居たい気分だが、
大家さんが午後になると顔を見せるかも知れないので、のんびりしてばかりもいられない。
わたしの性格からすると、このプレッシャーは悪くなかったかも。
そういうことでもなければ、夕方近くまで、部屋でグズグズしそうだ。

追い立てられるように(かなしいかな、文字通り)、後ろ髪を引かれつつ、部屋を出る。
これって、定年後、日中、妻に家を追い出される、夫みたいなかんじ?

今日は、どこに行こう?
大家さんがやって来そうな時間ギリギリまで、モタモタ計画を練る。
ブログをアップしたり、いろいろしていると、時間はあっという間に過ぎてしまう。

この慣れ親しんだ、大好きなアパルトマンとも今日限り。
さびしいなあ。
明日は、別の違うアパートへ移る。
慣れた頃に、チェンジ。切ないけれど、また新しい出会いが待っている。




無理やり出かけた、ギャラリーミュージアム バカラ。
わかりやすい場所にあるので、けっこう、すんなり行けた。
土曜日に行った、ジャックマール・アンドレ美術館と同じような方向にある。
いいお天気に恵まれ、ウキウキ気分だった。

と、そこまではよかったのだが・・・・・
あれ?
どこから入るの?
よくわからない。
なにしろ人の気配が全くない。
休館かと思ったが、そんなこともないだろうと、暗い中を突き進む。
途中で、立派な体格、身なりの人に会うが、なんか違う雰囲気。
思わず、「中に入っていいですか?」と、ボディランゲージ。(かなしいなあ、失語症)

受付らしきところはあるのだが、どうも違うような気もする雰囲気。
すでに館内は薄暗いものの、ゴージャスな内装にビクビク。
きらびやかなシャンデリアの下を、恐る恐る、さらに階段を上がると
今度は部屋の入り口に、やたら美しい若き黒人男性。
その人から入場券を買うようだ。
「カードがいけるか?」って尋ねて、その美男黒人が「イケル」、と言ったような気がしてカードを差し出すと
「イケナイ」、ってことだった。
わたしの言語読み取り能力は、すごいものがある。
ほんの一言でも、正反対にとらえる。
しかも、短い短い英語だったのに。

照れ笑いを通り越して、なんとも言えない引きつった笑顔でお金を払う。
左側に、きらびやかな大広間があり、壁面の鏡に、職人さんがバカラを制作する様子を撮った映像が映し出される。
その VTRをほんの少しの間、見ると、
今度は、右側に、ほんの2つ、一瞬で見渡せる小さい部屋があり、商品が展示されている。
それで、終わり。
5分か10分で、5ユーロは高くないか?

他の美術館では、うんざりするほど、山のような作品や説明を聞いたのに、このアッサリぶりはナニ?
本当にそれだけでオシマイなことがわかり、衝撃を受けた。
あとは、ブティックが手前にあり、スタイル,身なり、ピカピカ抜群の若い超イケメンが5~6人、そこに控えていて、
「ボンジュール マダム」と微笑みかける。
わたしが逃げ出しそうに腰が引けていると、どうぞ、というジェスチャー。
こんなに大勢のイケメンのじっと見守る中、どう考えても買いそうもない、みすぼらしい平民が
痛い突き刺さるような場違い感を感じつつ、一通り、見た。
こんなに惨めったらしい感覚は、初めて。
王宮か、大金持ち軍団に紛れ込んでしまった、階層違いの地味な、人生のピークを遠に過ぎた、さえない一市民。
いっそ、ボロボロの服のほうが、まだ、まし。

あとで、チケットを見てみると、日本語でグループ鑑賞は、
4週間前までに要予約、と書いてあった。
レストラン「クリスタルルーム」を利用する場合は、入場料、無料なんだって。
ガイドブックには、そんなこと書いてなかったやん!
トイレもバカラが煌めいているので、要チェック!!と書いてあった。
そんなトイレ、どこにある?
レストラン利用者のみが、行けるの?

うわーーん
平民の涙。

レストランを利用しない(できない)人から5ユーロも取って、心が痛まないのか?!
バカラって、なに?
わたしは、傷心もさることながら、アタマに来た。
これからの人生、バカラを見るたびに,あの居心地の悪さ、身の置きどころのなさを思い出しそう。
階級社会を身をもって体験した。

そういえば、新婚さんみたいな若い日本人カップルの姿も見かけたが、
彼らは、どうしたかなあ・・・
おそらく彼女に引っ張って来られたんだろうけれど、ご苦労様です。
ご愁傷様です。(あ、レストラン利用なら、OK)

帰りにラファイエットと、知らないお店に寄ってお土産を買った。


写真は、ラファイエット・グルメで買った食材。(右半分は、お土産)
晩ご飯は、パンにバターを塗ってチーズとともに、パクリ。
単純だけど、美味しかった。

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