さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・
小さい時から 家の手伝いはいろいろやらされたよ。
兄嫁さんには よくもそんなに次々と用事を見つけ出せるなあ と思うほど用事を言いつけられた。
もっとも、わたしも ずるをしたり 逃げ出したりして、あまり役には立っていなかったとも思うけれどね。
朝は ご飯が終わると、学校に荷物を置いて来て、そら 家は運動場に ひっついているんだから すぐでしょ。それから 二番目の鐘が鳴るまで 手伝いをしていた。
ああ、いろいろなことをしたが、たいていは野菜の整理だったけれど、ネギの皮をむくことが多かった。里では 白ネギなんか作らないから、いつも大きな青ネギの 白根の部分の土の付いている一番外側の皮をむき、青い部分でも枯れているようなものを取り除くのよ。
そう、いま思いだしてみると、いつもいつも ネギの皮をむいていたように思うなあ。どうして あんなにたくさんネギを作っていたのかなあ。