雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

楚々として ・ 心の花園 ( 30 )

2013-02-22 08:00:05 | 心の花園
         心の花園 ( 30 )

            楚々として

ややもすると、私たちは派手やかなものに目がいってしまいます。
まあ、当然と言えば当然かもしれませんが、長い付き合いをお望みなら、そっと控えているような、楚々とした美しさを大切にすべきだと思うのですよ。

心の花園には、自然のままの山林も残されていますが、そんな林の一画に「シュンラン」が咲いています。
漢字で書けば、「春蘭」となりますが、各地の林に自生する野生ランの一つです。
ランといえば、華やかな洋ランに目が行きがちですが、地味であってもしっとりとした美しさは格別のものです。
まだ風が冷たい早春の頃、林の中でひっそりと咲く姿は昔から愛されていたようで、江戸時代から園芸植物として栽培されている東洋ランの代表的な花といえます。また、「春蘭秋菊倶に廃すべからず」といった言葉もあるようで、地味ではあっても存在感があったのです。
少し注意していますと、園芸店などで鉢植えを見ることもできるはずですよ。

「シュンラン」の花言葉は、「ひかえめな美」です。そのような、楚々とした美しさこそ貴重だと思うのですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする