『 間もなく弾劾訴追案 裁決 』
韓国国会では 間もなく ユン大統領に対する
弾劾訴追案の 裁決が行われる
只今現在の情報でも 予断を許さない状態のようだ
ただ いずれになっても
ユン大統領の 指導力は大幅に失われるだろう
近しい国だけに 今後の対日関係の変化が 気になる
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『 末期の病床の帥殿 ・ 望月の宴 ( 128 ) 』
年も改まり、寛弘七年( 1010 )であるという。
万事例年通り行われ過ぎてゆくが、帥殿(ソチドノ・中関白家嫡男伊周)は今年になってからは、たいそうご病状が重くなって、ご臨終も今日か今日かとお見受けする。
回復を願う事々はこの幾月かにすべてし尽くしてしまったので、今はどうすればよいのかと思い嘆かれている。
実は、一昨年よりは、御封(ミブ・位階や官職によって与えられる封戸。)なども普通の大臣の規定によって受けられていらっしゃるが、諸国の国司も、てきぱきと滞りなく上納するのであればよいが、なかなかそうはいかないので、お気の毒である。(封戸から得られる収入は、国司が徴収して京に運ぶことになっているが、封主の力が弱いと国司が手抜きすることが多かった。)
御病状がたいそう重くなられたので、この姫君お二人と蔵人少将(嫡男の道雅)を並んで座らせ、北の方(伊周の妻、源重光の娘。)にお申し上げになる。
「私が亡くなってしまえば、そなたたちの進退はどうなるのであろう。私がこの世に生きている限りは、今は不遇であろうとも、何としてでも、女御や后のご身分にして差上げられぬこともあるまいと考えていて、大切にお育てしてきたが、命が絶えてしまうとなれば、そなたたちはどうなさるのだろうか。
今の世のこととして、高貴な帝の御娘や太政大臣の娘と言えど、みな宮仕えに出ているようだ。この姫たちを、ぜひと欲しがる人も多くなるだろう。それは他でもなく、この私にとって末代までの恥になることだと思ってな。姫を得ようとする男にしても、それが何々の宮とか、なんとかの御方からのお口添えだとか言ったりして迎え取り、それは故殿(自分のこと)が言い残したことだとか、こうした心遣いをして取り計らったのだなどと、世間でも取沙汰されるのだろう。
母君(伊周の妻を指す。)としても、この姫たちをしっかりとお世話できそうもない。どうして命のあるうちに、神や仏に『私が生きているうちに、姫たちを先立たせてくれ』と祈り請わなかったことが悔やまれてならない。と言って、尼にさせたりすれば、人からは馬鹿げたことと思われるだろうし、くだらない法師の道具にされて、妻になどされることになるのだろう。何と悲しいことか。
私が死んだ後で、笑いの種として人が笑うような行動をしたり、そのようなつもりになられたりすれば、必ずお恨みしますぞ。ゆめゆめ私が亡くなった後に不面目があってはならない。私を笑われ者にしてくれるなよ」と泣く泣く仰せられる。
大姫君も小姫君も、言い尽くせないほどの悲しみに涙を流されるあまり、茫然となさっている。
北の方も、お答えのなさりようもなく、ただ、よよとお泣きになる。
松君の少将などを、「とりわけ大切にして支援してきたが、位もこの程度なのを見捨てて死んでしまうとは。私に先立たれてどうするつもりなのか。男は才覚さえあれば世を渡ることが出来るとは思うが、それにしてもどういう風にするというのか。いやはや、世過ぎに難儀して、位階が人より劣るのを、等しくなろうと思って、世間の言うなりになったり、心にもない追従をしたり、名簿うち(ミョウブウチ・家人として従属するために権勢者に姓名などを書いた名札を提出すること。)したりなどすれば、片時たりとも世に生きていることを許さない。そのような事になるのであれば、すぐに出家して、山林に入るべきでなのだ」などと、泣きながら言い続けられるのを、松君の少将は、たいそう悲しいことだと途方に暮れていらっしゃる。
まことに無理からぬことで、悲しいなどという言葉では表すことが出来ない。
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