『 今昔の人々 』 ご案内
『今昔物語』は、平安時代後期のわが国最大の説話集です。
正確な作者名は不詳ですし、成立年度も同様ですが、収録されている作品から、1120 年から間もない頃に成立したのではないかと推定されます。もっとも、その時に一度に完成したのではなく、数度にわたって完成させていったものと考えられています。
その内容は、天竺・震旦・日本の仏教に関連するものを中心に幅広い伝承や民話や歴史上の事件なども加わっています。多くは、経典をはじめ様々な文献から引用されたものに手を加えた物のようですが、出典が不明な物も少なくありません。
そのボリュームは膨大で、全31巻(うち3巻は欠けている)で、物語の数としては1000話を相当超えています。
当ブログでは、『今昔物語拾い読み』というカテゴリーで、10年近くかかって読み終えたばかりです。
今回、新たに『 今昔の人々 』というカテゴリを開設しましたのは、その膨大な作品の中から、個人的に興味を惹かれた作品をお借りして、その中の登場人物に焦点を当てる形で「小さな作品」を作ってみたいと考えたからです。
この作品集は、若干視点を変えるだけで、「今昔物語」そのものを借用する物になりますが、本来の趣旨を歪めたり、作品その物を傷つけてしまう可能性があることも懸念しております。また、今昔物語の中には、歴史的事実と相違したり、誤訳と思われる部分もありますが、そういう部分も、原則としてそのまま使わせていただくつもりです。
おそらく、学術的には何の意味も無いでしょうが、単なる読み物として、また、今昔物語そのものに興味をお持ちいただく切っ掛けになればと考えております。
拙い作品集になる恐さを感じておりますが、気楽にお楽しみいただければ幸甚です。
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