祇園祭の中日(なかび)になる10日は般若心経を唱えたあとでソーメンをよばれると聞いていた天理市の海知町(かいちちょう)。
氏神さんを祀る倭恩智神社の祇園祭はかつて7日から14日までの毎日であった。
提灯を掲げた神社の扉を開けて参拝者を待つ。
いつしか祇園祭は7日、10日、14日の三日間になった。
畑仕事を終えた一人の村人は軽トラを停めて参拝する。
拝殿前に座って静かに祈る男性は副総代のNさん。
昨年の9月に行われたシンカン祭の七日座に居られた村ウチワの手伝いさんだった。
神社の関係者になってからは朝な、夕なに参拝している。
朝のお参りは「今日も元気で仕事ができますように」で、夕方は「無事に過ごせました」と正座して御礼を述べる。
祇園祭であろうが、シンカン祭であろうが、毎日を参拝する姿に感服する。
それからしばらくしてやってきたNさんは家のお風呂に入って身を清めた。
それが神さんに対する姿勢。
始めたころは立ってのお参りであったが、いつしか正座するようになったと話すのは奥さんだ。
12戸の宮座家は昭和初めに7戸、6戸。
その後も減り続けて3戸となった。
シンカン祭を継承することが難しくなり、昭和10年に宮座制度を廃止して村講(村宮座とも)行事へ移行したが、マツリを勤めるオトヤ(大頭屋)・コトヤ(小頭屋)の二人組は変わりない。
平成4年ころは36戸。
もっと昔は42戸もあったと云う海知町は旧村四垣内。
現在の戸数は東垣内が11戸、南は8戸、北が9戸、西は5戸である。
若干減ったようだと村ウチワのSさんが云う。
陽が沈んだころの時間になれば村総代や頭屋、村人たちが集まってくる。
電灯を点けた拝殿は村の佇まいを映し出す。
小さな子供たちもやってくる村の祇園さんに、般若心経の音色で包みこまれる。
副総代が勤める般若心経の導師。
鉦を打つこともなく、仏教CDを収録したカセットテープが唱える心経に合わせて参拝者も唱える。
かつては毎日が生声であった心経は三巻。
ゆったりとした調子である。
境内外で花火をしていた子供たちは両トヤが用意したお菓子を貰って帰る。
子供のころはそれが楽しみだったと話すオトヤのKさん。
心経を終えればお神酒を下げてソーメン喰いが始まる。
オトヤとコトヤが接待する両頭屋のふるまいソーメンをよばれるのだ。
今年は服忌が多くて参拝者は少なく14人。
残っては困るから何杯もおかわりをよそってくださるオトヤ・コトヤさん。
ネギをぶっかけてショウガかワサビの香味。
市販のソーメン出汁をたっぷり注いでいただく振る舞いのソーメンはたまらなく美味しい。
かつては供えたカマボコを肴にして飲んでいたと話すSさんは手、足が不自由なお身体。
そのような身体であるが、いつも気持ち良い笑顔で接してくださる。
(H25. 7.10 EOS40D撮影)
氏神さんを祀る倭恩智神社の祇園祭はかつて7日から14日までの毎日であった。
提灯を掲げた神社の扉を開けて参拝者を待つ。
いつしか祇園祭は7日、10日、14日の三日間になった。
畑仕事を終えた一人の村人は軽トラを停めて参拝する。
拝殿前に座って静かに祈る男性は副総代のNさん。
昨年の9月に行われたシンカン祭の七日座に居られた村ウチワの手伝いさんだった。
神社の関係者になってからは朝な、夕なに参拝している。
朝のお参りは「今日も元気で仕事ができますように」で、夕方は「無事に過ごせました」と正座して御礼を述べる。
祇園祭であろうが、シンカン祭であろうが、毎日を参拝する姿に感服する。
それからしばらくしてやってきたNさんは家のお風呂に入って身を清めた。
それが神さんに対する姿勢。
始めたころは立ってのお参りであったが、いつしか正座するようになったと話すのは奥さんだ。
12戸の宮座家は昭和初めに7戸、6戸。
その後も減り続けて3戸となった。
シンカン祭を継承することが難しくなり、昭和10年に宮座制度を廃止して村講(村宮座とも)行事へ移行したが、マツリを勤めるオトヤ(大頭屋)・コトヤ(小頭屋)の二人組は変わりない。
平成4年ころは36戸。
もっと昔は42戸もあったと云う海知町は旧村四垣内。
現在の戸数は東垣内が11戸、南は8戸、北が9戸、西は5戸である。
若干減ったようだと村ウチワのSさんが云う。
陽が沈んだころの時間になれば村総代や頭屋、村人たちが集まってくる。
電灯を点けた拝殿は村の佇まいを映し出す。
小さな子供たちもやってくる村の祇園さんに、般若心経の音色で包みこまれる。
副総代が勤める般若心経の導師。
鉦を打つこともなく、仏教CDを収録したカセットテープが唱える心経に合わせて参拝者も唱える。
かつては毎日が生声であった心経は三巻。
ゆったりとした調子である。
境内外で花火をしていた子供たちは両トヤが用意したお菓子を貰って帰る。
子供のころはそれが楽しみだったと話すオトヤのKさん。
心経を終えればお神酒を下げてソーメン喰いが始まる。
オトヤとコトヤが接待する両頭屋のふるまいソーメンをよばれるのだ。
今年は服忌が多くて参拝者は少なく14人。
残っては困るから何杯もおかわりをよそってくださるオトヤ・コトヤさん。
ネギをぶっかけてショウガかワサビの香味。
市販のソーメン出汁をたっぷり注いでいただく振る舞いのソーメンはたまらなく美味しい。
かつては供えたカマボコを肴にして飲んでいたと話すSさんは手、足が不自由なお身体。
そのような身体であるが、いつも気持ち良い笑顔で接してくださる。
(H25. 7.10 EOS40D撮影)