マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

三谷菅原神社お庭造りのハナツミ台

2013年11月21日 07時23分22秒 | 桜井市へ
かつては8月1日だった桜井市三谷のお庭造り。

現在はその日よりも前の休日に移った。

氏神さんを祀る菅原神社には早朝から作業をしてきた村人。

この日は朝8時から作業に入ったという氏子総代や人足さんだ。

手分けして、神社や無住寺の高野山真言宗地蔵院、寝地蔵さんの愛称がある地蔵磨崖仏などを奇麗にされていたのである。

屋根に積もった枯れた葉っぱはブロワーで吹き飛ばす。

落ちた葉を集める。

境内の樹木は刈りとるなどの作業である。

「お庭造り」の「お庭」は境内のことであって、神社を含めた村の所要な場の清掃であったのだ。

拝殿前に立てた台が気になってお聞きした。

現在は木製の台に換わったが、かつては丸竹で組んでいた。

四方に竹を立てて竹のカスガイで組んでいたと云う台である。

台となる場はおよそ60cm四方の正方形で高さは90cmぐらいだ。

四方の角にシキビを挿した台の名は「ハナツミ」だと氏子総代が話す。

漢字を充てれば「花摘み」であろうか。

シキビを載せる台の竹は縮むほど柔らかいシンダケを使っていたそうだ。

その台に、8月1日から毎日の15日までの毎日を一日交替で毎朝、毎晩に当番の人がシキビの葉を並べると云う。

縦に9枚、横に9枚を並べて合計81枚のシキビの葉である。

「なんでそんなことするのか、判りませんねんやけど、盆を迎える」と云う。

三谷は14戸の集落。

氏子一軒、一軒が順に当番するらしいが人数が合わない。

「ハナツミが判ったら教えて」と云われたが、思い起こしたのが奈良市の奈良豆比古神社で行われている「花摘祭」。

ここでは72枚のカワラケにサカキを置いて神水を注いでいたのである。

「花摘祭」は別名に”涼み”と呼ばれる行事で、7月初め頃に初日、中日、千秋楽とそれぞれの呼び名をもつ3日間続ける神社行事である。

厳しい夏の暑い時期、雑草をこまめに刈り取りとると身体を休める「野休め」だとも云っていた。

一方、奈良市旧都祁村の上深川の元薬寺で行われる「ゲー」の呼び名がある行事だ。

大人講の仲間入りをされた人たちが盆板に九つの銅杯を並べてシキミ(シキビとも呼ぶ)の葉を一枚一枚入れる。

対角線上の二杯には4枚の葉をつけたシキミをいれますが理由は伝わっていません。

6枚の盆板に並べられたシキミは祭壇に供えて十三仏、一心頂礼、光明真言を唱えていた。

なにやらよく似た作法であるが、三谷の「ハナツミ」の枚数とは合わない。

地域によって在り方が違うのだろうか。

多くの類似例を調査しなければならないと思った。

(H25. 7.28 EOS40D撮影)