塩野七生さんや司馬遼太郎さんは、資料を「読みこなし」、「発見する」作家ではないか。知識が増えて読んで楽しいのだが、なごみの読書には最近疲れる。但し学術書はもともと疲れるので別ですが。<o:p></o:p>
なごみで好きなのは敬愛する内田百間で「いつもと同じがよい」というのが凄い。いつもの近所の蕎麦屋にこだわり、美食を断り、いそいそタクシーで帰るのは楽しい。食については、池波正太郎さんの著作とともに10代から週刊朝日の連載で影響を受けていた。 <o:p></o:p>
この楽しみは金魚鉢の金魚がぐるぐるしているようなものだ。同じでも楽しい、時たま「阿房列車」のようにのんびりお出かけ楽しみはひときわだ。そういえば、古典音楽で好きなモーツアルトも同じような感じがある。 <o:p></o:p>
のんびりが好みになり、前衛は美術を好むくらいだ。このような「同じような表現」をうろうろしていると作品自体は変わらないので、自分の視点の変化が鏡に映るように分かる。確かに新しいものを味わえない嫌いはあるが、それは好き好きだろう。例えば森見登美彦などは若いが「ぐるぐる」文学の台頭であろう。<o:p></o:p>
余談だが、内田百間は整列が好きで、大好物の岡山の大手饅頭に「整列、ならえ」とやっていたらしい。但し、ちりめんじゃこを整列させたことはない。これはジョージ君にまかせよう。<o:p></o:p>
余談:内田百間はなんと漫画も出ています。(一条さんといえば「わさび」もありますが。 http://www.amazon.co.jp/%E9%98%BF%E6%88%BF%E5%88%97%E8%BB%8A-1%E5%8F%B7-IKKI-COMIX-%E5%86%85%E7%94%B0/dp/4091790364 ) グレゴリ青山さんも「阿房列車」はお気に入りですね。<o:p></o:p>