初めて牛丼を食べたのは、大阪出身者に連れられた高田馬場駅近くの牛丼屋でキムチが取り放題だった。吉野家の牛丼は「うまい、早い、安い」が有名で、1973年からチェーン化した。1975年から牛丼は300円(大盛400円)で、79年には350円(大盛500円)となり1980年には会社更生法の申請があった。<o:p></o:p>
当時、吉野家のお店が早稲田大学西門体育館通り商店会にできた。(オトボケの支店も当時はあった)しかし、あっけなく閉店した。学生を当て込んだのだが長い休みを想定していなかったらしく、立地のマーケティングがなっていないとの分析が有力であった。別の説では、地元の老舗の三品食堂(1965年開店 現在牛めし490円)に負けたとか、馬場口交差点 北東角の「まつざか」(35年を経て閉店 当時は定食で500円位、濃い旨味で姉妹でやってらした)がやっぱり美味いとか色々な説が飛び交った。( 破綻の要因分析 http://www.setsunan.ac.jp/kubolabo/files/seminar_1/02/017057.pdf )<o:p></o:p>
この後、吉野家は1995年に並400円、(2000年にはマックが半額65円を始めた) 2001年に280円と値下がりし、2004年からの中断を経て、現在は380円となっている。今では、1982年創業のゼンショー「すき家」が店舗数(なか卯も連結子会社)で最大手である。ゼンショーがオージー・ビーフ、吉野家がアメリカン・ビーフ(ショート・プレート)を使っているらしいが、吉野家の味しか知らないので、違いが分からない。<o:p></o:p>
非常に長いまえふりだが、すき家の牛丼並が280円となった。これは、競合にセルフうどん、200円台弁当などの競合が増えたことが要因と思うが、牛丼業界のパイの取り合いかも知れない。というのは牛丼は若い男子のヘビーユーザーが多いと思うからだ。それとも、このターゲットの来店頻度を高める方策だろうか。(なお、ビールも似たような商品で、ブランド・ロイヤリティの高い市場であったが、「安い」発泡酒で今や全く入り乱れだした)今回、すき家は肉も米も見直すというから、業界首位の立場を生かした吉野家囲い込み策かも知れない。(ゼンショーのホームページには外食産業の売り上げ低下のグラフもあり、明解な戦略だろうか)<o:p></o:p>
牛丼は丼ものでうま味が強く、腹持ちが良い上、紅生姜、七味もかけ放題だ。大盛は836kcal 480円(吉野家)でビッグ・マック555kcal ダブルクォーターパウンダー・チーズ825kcal(地域価格)と比較すると良く分かる。ご飯は偉大だ。それにしても、ファスト・フードは野菜不足になりそうだ。そのためか、野菜も採れる餃子の王将が人気なのか。野菜たっぷりのチャンポンのリンガーハットなどは今こそ、もっと伸びそうに思えるのだが。(ちなみに野菜不足は心体ともによくないので。。。。)<o:p></o:p>
牛丼で訝っているのがデパートの地下の惣菜にある牛肉弁当 1,050円だ。京都は「はふう」での暖かい、落ち着ける、サラダとコーヒーまであるランチのハヤシライスと同じ値段だ。誰が何の目的で買うのだろう。<o:p></o:p>
いよいよ、牛丼をはじめファスト・フード、弁当(コンビニ、デパート、弁当店、路面販売 等)は激戦になりつつある。それを横目に、一人、ひっそりと平野屋の湯豆腐をご飯に乗っけて地味に滋味を味わうのが「私的」には相応かもしれない。<o:p></o:p>