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税制の効率と公平のトレードオフ記事(日経 12月3日‘09) 森信 茂樹中央大学教授 について

2009-12-13 07:28:30 | マクロ経済

 ジニ係数(0から1(100%)で大きいほど所得格差が大きい)と経済成長率の負の相関(所得格差が大きいと経済成長率が低い)というのは面白い。ただしグラフからはその相関関係が薄く(例外もあり)、相関の程度も低いように見受けられる。<o:p></o:p>

 だが、所得格差が大きいと経済成長が停滞する、またはその逆も納得はできる。日本は中流意識が強いから成長したというのと、成長していたから中流であったというようなものだろう。<o:p></o:p>

 アメリカではオバマ大統領の国民皆健康保険が「何で自分で払えない人の分まで負担するのか」という反対が根強いという。1978年のカリフォルニア13号提案(California Proposition 13  http://en.wikipedia.org/wiki/California_Proposition_13_(1978) )を思い出す。これは資産税は取り過ぎが原因だったが背景には納税の不公平感もあった。この後、小さな行政と納税額の削減が進行したが、地域のインフラである教育、福祉、交通、安全などが問題となった。公平かつ効率的に見えたが、中期的には社会投資の不足が見えた。更に、アメリカの税制では、あるCEOが「秘書の税率が私の(ストックオプションの)税率より低いのはおかしい」といった状況でもある。<o:p></o:p>

 公平は世代間の公平(年金問題)や社会福祉(所得格差の補完)なども考えるべきだ。収入が多いのは働いているからだというだけではなく、また如何に税金を節約するかという小さな知恵ばかりの有効が嘆かわしい。収入があるなら義務(noblesse oblige)として、寄付、援助、社会活動を行う、(ただし名誉はある)、すべからく税金を払うなどの社会規範が欲しい。拝金主義の呪縛から社会全体の利益に目を向ける政治が欲しい。  

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