都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

京都 梅小路公園の水族館計画を考える

2009-12-17 20:37:56 | 都市開発

 オリックスからの開発提案とある。年間200万人の集客想定だから、大人2,000円として 20億円/年の収入(団体や子供料金など50%に割引の想定) 大まかに言って150億円くらいの建物投資なら借地方式でどうにかなる水準であろう。(海遊館の建替えは400億円、リニューアルは100億円とされている http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080808/lcl0808082304006-n1.htm )<o:p></o:p>

水族館はソフト・ウエア産業と似ている。作るのに投資が大きく、もし想定より売れると大幅な黒字になるが、その反対もある。国内で200万人/年レベルの水族館は八景島シーパラダイス(複合施設、ショープール主体)、沖縄美ら海水族館、海遊館、名古屋港水族館、葛西の臨海水族館(上野動物園分館)くらいだ。( http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4HPNN_jaJP309JP222&q=%e6%b0%b4%e6%97%8f%e9%a4%a8%e3%80%80%e5%85%a5%e5%a0%b4%e8%80%85%e6%95%b0 、http://www.nui.or.jp/machidukuri_info/databook/4-1-13.pdf  )容易な数字ではない。<o:p></o:p>

技術的には、初期の水を運べばクローズドシステムの循環でやっていける。海遊館も初めの水は和歌山沖から取水して運んだ。シカゴのシェッド水族館は列車で運んでいたが。海水利用は沖縄など海の綺麗なところだ。<o:p></o:p>

規模は海遊館の半分、14,000㎡、水槽の水量が展示の魅力と運営コストに跳ね返る。集客のピーク対応は海遊館の半分なので集客の平準化が必要だ。夏のピーク 5万人/日(2.5%とした)したら施設容量はよほど水槽延長(観覧客収用人数)を増やすか、ソフトで集客分散を図る(夏は来ないよう、冬は来るようなイベントを仕掛けるか、予約を活用する)、夏に並ぶエリアとテントも必要だ。<o:p></o:p>

立地は京都駅から西へ1km12分)で歩けないこともない。しかし、周遊観光のバス依存となるだろうからバスの駐車場が不可欠だろう。また京都駅から歩道整備も必要だ。<o:p></o:p>

観光客にとっても京都で水族館に行くのかテーマが重要だ。競合施設は海遊館(ジンベイザメ、大水槽)、須磨、鳥羽がある。「環境共生型」というからにはタッチプールが主体なのかもしれないが、訴求力は低い。淡水魚は地味で、地元の「鮭」をテーマにしたシアトル水族館やモンタレーで自然や環境を重んじるモンタレー水族館などは有名だ。内陸型の淡水魚が多い水族館ならテネシー水族館がある。(未訪、設計は海遊館と同じCA http://www.tennis.org/Home.aspx  http://en.wikipedia.org/wiki/Tennessee_Aquarium ) もっと大きいのはジョージア水族館もある( 未訪 tvsdesign http://en.wikipedia.org/wiki/Georgia_Aquarium )で、マンタもジンベイもいて、映像館(天保山のサントリー・ミュージアムのようなもの)まである巨大なものだ。結局、集客にはペンギン ラッコ アザラシという人気者が不可欠だし、大水槽での環境展示やジンベイザメなど大型魚類が必要だが、京都では運搬が大変だろう。 <o:p></o:p>

さらに、水族館は研究機関でもあり繁殖もしている。京都の自然との関連も必要だ。また、水族館のテーマとして歴史と進化でシーラカンス、オウム貝、蛸、肺魚なども考えられる、更に、鴨川から淀川の魚類もあるが「地味」そのものだ。いっそ京都の芸術・工芸品、つまりは織物や菓子のテーマになった魚たちなどのほうが煌びやかでよろしいだろう。<o:p></o:p>

この計画は施設規模と集客数、交通手段、狙うターゲット客、展示テーマに難問がある。<o:p></o:p>

(追記)最近、東京の新タワーの下にも「都市型水族館」を検討しているらしい。水族館とチェーンのメリットがあるのだろうか。それにしても展示の内容が「生き物」だから、生きる共感を大事にすることが感動につながるのだが。<o:p></o:p>

コメント (1)
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