都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

京都の地下鉄債務と赤字

2010-01-09 08:01:54 | 都市経営

京都の地下鉄事業の負債は093月末で5,260億円でこれを市が選任した個別外部監査人(公認会計士)が( http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000000912240001 )「破綻懸念」と報告書にまとめたとの報道がある。<o:p></o:p>

収入は278億円で支出は419億円、差し引き141億円の赤字で累積欠損は3,188億円と公表資料にある。( http://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/cmsfiles/contents/0000020/20415/h21-budget.pdf )赤字は22.6年分にもなっている。放置されて来たのだろうか。また赤字は主に東西線によるものとある。初期投資は8,500億円で、大阪のWTC1,197億円)の7棟分というと分かりやすいだろうか。または、神戸空港(3,140億円)の2.5倍というと、相当な額であることが分かる。<o:p></o:p>

経営改善した場合も「不良債務」(銀行からの借入れ等のこととある)が2049年ごろ0になるだけで、累積損益解消や投資額の償還は述べられていない。単純に考えて、2%の債権で50年償還とすると、8,500億円は270億円/年の支払いになる。これに累損が乗る。(利用者は33.4万人/日だから収入は8.3億円/万人に相当 客単価229円 子供等割引含むと思われる)償還まで考えると収入が倍にならないと無理である。その上、赤字もある。<o:p></o:p>

( http://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/cmsfiles/contents/0000020/20415/h21-budget.pdf )<o:p></o:p>

となると、乗降客数、鉄道関連の収入を増やすか、経費を節減するのが方策だが、あまりに数字が大きい。鉄道はビルと違って民間に売ることもなかなかできない。東西線だけ大津と三条で関わりのある京阪に運営委託する手もあるかもしれないが。<o:p></o:p>

公共交通は都市のサービスとも考えられ赤字を認める考え方もあるが、市民の納得が得られるか疑問だ。となると、エコの時代でもあり、自動車交通を如何に地下鉄利用に置き換えるかがある。方策としては、市内に入る車の有料化などの実施例があるが、インフラ整備にお金がかかる。次なる手は、バスとタクシー、登録(有料とする)業務車両以外は通行禁止の街路を要所に設け、相対的に地下鉄の利便性を向上させる手がある。四条通や河原町通、御池通のトランジット・モール化などは良いだろう。更に、京都駅周辺も考えられる。<o:p></o:p>

次に、駅周辺での活用だが、売店は当然だが、立ち飲みなど飲食やほっと一息つける喫茶など事業者を募って行えば面白い。四条や京都駅、烏丸御池などコンコースも広いし、改札内部も充分広い。<o:p></o:p>

また、ビジネス客には早朝、深夜の運行も烏丸線は特に留意して欲しい。観光客には、バスと連携した一日パスが好評なので、嵐電とも乗り入れたパスで、東山から嵯峨野までのルート開拓、あわよくば大津までという「疎水」沿いの観光も売り込めば面白い。あわせて四条、烏丸御池、京都駅の観光拠点と乗換の利便性向上のため、JR,、阪急、京阪、近鉄と分かりにくいバス乗場への対応(表示とパンフなど)が必要となる。<o:p></o:p>

ここまでの投資には市と民間と市民が一体となり対策を講じるしかない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする