昨年は結構読んだ年で420冊あまり。一寸大目かな。内容は主にミステリーですが、都市計画、マクロ経済、金融、マーケティングが続きます。(なお、ミステリーでは明るい、大掛りなものが好きです。コンゲームには目がありません。なお、ホラー、サイコ、メタ・ミステリーはまず読みません)<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
一番良かった本は、どの書評にも載らないが「佛々堂」の骨董ものの「わらしべ長者、あるいは恋」 服部真澄 だ。(この方の初期2作 「龍の契り」、「鷲の驕り」は傑作だ)、とぼけた佛々堂を主人公にと該博な骨董知識と「数寄」で楽しみ、人情がからむ。洒落た文体だ。鐘の音に3種類あると知りました。<o:p></o:p>
ついで、大笑いできたのは、二ノ宮と桑原(役柄を考えた凄い名前だ) 「螻蛄」 黒川博行で、大阪が舞台で、こてこての大阪弁だ。このシリーズは4作目だがいよいよ面白い。東の奥田英朗と西の黒川博行はどちらも大笑いできる。奥田は最近、「無理」で混迷する社会を、「オリンピックの身代金」で高度成長期を描写して更なる展開がある。黒川も直木賞を取って、奥田・黒川で珍旅行(「港町食堂」みたいなもの)でも書いて欲しいものだ。<o:p></o:p>
閑話休題、コンゲームものでは、「最終弁護」 スコット・プラットと「ガラスの親指」道尾秀介が秀でている。<o:p></o:p>
短編集は「ガリレオの苦悩」 いまをときめく 東野圭吾 (「新参者」は上手いがあざとすぎる)、「架空の球を追う」森絵都は笑えて淋しい独自の世界。<o:p></o:p>
感心したのが、「フリーター家を買う」有川浩で、悲惨なのに明るいというとりまとめ方、「幽霊の2/3」ヘレン・マクロイは古いミステリーだがトリックが凄い。<o:p></o:p>
順当なところでは、「ダブル・ジョーカー」柳広司、「鷺と雪」北村薫、短編集で都会的なとりまとめ、時代も似通っていますね。<o:p></o:p>
歴史ものでは「利休にたずねよ」 山本兼一と、大化けした真保裕一の「覇王の番人(上)(下)」があります。現代の世相を扱った「仮想儀礼(上)(下)」 篠田節子は新興宗教を恐ろしい筆力で描いています。<o:p></o:p>
「日本語が亡びるとき」水村美苗は賛否両論でしょうが、考えさせられます。<o:p></o:p>
経済書は「アニマルスピリット」 ジョージ・A・アカロフ, ロバート・シラー と「ブラック・スワン(上)(下)」ナシーム・ニコラス・タレブが知的興奮と面白い事例で笑いが楽しめます。<o:p></o:p>
都市計画では、ソーシャル・キャピタルや公共投資政策に関しての文献を読みました。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
概して、ミステリーは「上手く」、「軽く」、題材は「日常」が傾向かとおもいます。経済は「行動経済学」(人間心理の反映)や金融工学が多いようです。