都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

新耐震の歴史と今回の特殊性:東北地方太平洋沖地震について(1)

2011-03-21 06:50:00 | 都市計画

東北地方太平洋沖地震とその関係事項について考えを連作でまとめます。<o:p></o:p>

地震と建築について、1978年宮城県沖地震( http://ja.wikipedia.org/wiki/1978%E5%B9%B4%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E7%9C%8C%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87 )により1981年 建築基準法施行令改正(新耐震基準)→いわゆる新耐震に変更された(知られていないが2000年更に改正されている)。宮城県の周辺の地震は多く、1960年のチリ地震の津波(6m)も「ここまで来た」という標識が設けられていたそうだ。( http://ja.wikipedia.org/wiki/1960%E5%B9%B4%E3%83%81%E3%83%AA%E5%9C%B0%E9%9C%87 )宮城沖の地震は3040年毎にあるようで、今回も発生が懸念されていたが、連動型地震で津波の被害の想定は無かったようだ。( http://www.city.sendai.jp/syoubou/bousai/kakuritu/index.html )<o:p></o:p>

今回の地震(震度7)は、阪神の震災と違い建物の被害例が少ない。原子力発電施設も建物や設備の地震被害があまりないようなのは日本の耐震設計の誇りだ。<o:p></o:p>

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但し、今回の地震は、今までの地震とは違い津波の被害が大きかった。その要因は<o:p></o:p>

     マグニチュードが大きい(地震規模が連鎖地震で大きい)<o:p></o:p>

     海岸線に対して並行に震源地があり、波動が大きくなった<o:p></o:p>

     震源地と海岸線が近い<o:p></o:p>

つまりは、一列になったスピーカーから、大音響を近くから受けたようなもので、その音量は今までになく大きい「波」となる。これが今回の津波だ。津波の高さは建物4階に達した模様のため10m超となる。チリ地震の倍だろう。かつ、震源に近接しており、波の速さもあったに違いない。エネルギーは簡単に言うと、高さは正比例、速度は二乗になる。<o:p></o:p>

被災地の地形を見ると、リアス式海岸が多く、都市は後ろを山に囲われた扇状地に多い。つまりは洪水も津波も受けやすい地勢だ。となると、立地や用途区分よりも、いざとなったら逃げ込めるシェルターの配置と整備が良いかもしれない。見る限り、基礎のしっかりした大型施設の倒壊事例が少ないからだ。都市計画政策としては容積のスポット的な集中配置、または公共施設の整備だろうか。漁場と漁港、関連産業、住宅など考えるとなんともいえない。津波を「止める」だけでなく「避難する」も考える必要がある。これは、河川の「高水計画」(堤防を高くして流量を増やす)から、ある程度の氾濫を認めた上で、安全な避難エリアと避難時間の確保に向かいつつあるのに似ている。<o:p></o:p>

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すべての災害を防げるような社会設備は無いのだろう、京都でも早速、断層地震や洪水の被害マップを目にする。<o:p></o:p>

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コメント
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