都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

偶然とは何か(イーヴァル・エクランド):神話をモチーフに偶然、予想とリスクを説く

2012-05-18 06:06:38 | マクロ経済

 数理科学の権威で幅広知識がある。感嘆した。偶然を作る「乱数」の偏りからはじまり、予想、統計、リスクに話しが進む。<o:p></o:p>

 自然界には「くじ引き」のように起こる事象もある、「合理的予想(期待)」はそこから引き出されたが、経済学では破綻した。あまりにパラメーターが多すぎるからだ。不確実は今日明日から千年先まであるが、パラドックスとして予測不確定性(細かい事象は予測できない)は高度の安定性(マクロでみるとあまり変わらない)とある。エントロピーの増大を考えると、変数の多い系の法則は、誤差により予測ができないと証明がある。<o:p></o:p>

 リスクもオプション理論の前提である正規分布の陥穽として、不慮の事故を挙げている。原子力発電など予想もつかなかった事故がある。リスクを大局的に考えない現代文明との指摘は鋭い。自分らで作り出したリスクの間を朦朧と歩いているのが現状とまとめられている。<o:p></o:p>

 ブラウン運動をもとに、オプション理論ができたが、実はブラウン運動だけでなく、そのほかの動き(才覚があり裏をかく投資家)もあること、確率の波もあることが陥穽であったとまとめられている。<o:p></o:p>

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読んで、数学の知見と世の中が良く分かる。知的興奮のある著作だ<o:p></o:p>

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コメント
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