都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

高松伸の建築取り壊しの記事:資源と景観を考えない建築からデザインとスタイリングを考える

2013-03-04 06:03:55 | 都市開発

 高松建築は西陣の連作、北山の連作、タクシーやガソリン・スタンド、パチンコなどの国道沿いも有名だ。そのうち多くが、取壊しになっていると日経のケンプラッツにあった。(会員制) (なお作品は http://uratti.web.fc2.com/architecture/sin/sin.htm )<o:p></o:p>

 会社に入る前に見た1981年の西陣Ⅰは仰天した。ドローイングも精緻であり、奇想天外な外観の構想力に驚いた。1986年の北山WEEKで意味の感じられない赤のブリッジと階段になんだこれはと思った。1987年の道頓堀キリンプラザで行灯はやりすぎと感じた。留学後にみたバブルの中での1990年のシンタックスはどう見てもオブジェで、内部の動線や居室に大いに問題があった。その後、居酒屋になっていたが裏の階段にビールケースが積まれ哀れに感じた。三宮ではデザインに凝り過ぎて使いにくいビルと思って調べたら1991年のイリオスという高松作品で、所有者もビル名も替わっていた。<o:p></o:p>

 一時代を先導したファッショナブルな作風であったが、いまや透明で大箱が流行る時代だ。高松建築の弱点は外部からのスタイリング作りこみであり内部からの使いやすいデザインではないことだ。しかもバブルが「目立つ建築」を欲したのもある。あの「ポスト・モダン」とはなんだったのだろうか(今をときめく隈研吾もBMWのパルテノンというのを作った時代だ)多種の素材、複雑な外形は劣化を招く。さらに、複雑な構造、仕上げは柔軟な変化、増築、用途変更、転用が利かない。さらに、利用できる有効部分の比率が少なく、吹き抜けなどで結露や空調ロスも多いと考える。<o:p></o:p>

 デサインとはスタイリングではない。このことはカー・デザイン(機能からの形態)と流行のカー・スタイリングと区別されているくらいだ。有効利用と省資源、利用の柔軟性という利便性を合理的に満たす「環境と空間」としての完成度だ。<o:p></o:p>

 次に、建物のスタイリングは必要だろうか。街並みを考えてからその中での独自性があるのは良い。奇抜なのが良いとは思わない、そうならば街並みは形態博物館になろう。街並みを考える、スタイリング、つまりは様式やコンテクストは必要だろう。<o:p></o:p>

 <o:p></o:p>

 高松作品はドローイングで前人未踏に達した。しかし、これから必要なのは機能を満たすデザインと街並みに溶け込み先導できるスタイリングだ。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする