都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

御堂筋の三菱東京UFJ銀行を建替え107mのビルにするのは景観保全から問題、大阪の良さをなくす

2014-02-24 05:58:51 | 都市計画
 またも橋下市制の愚策としか言いようがない。まずは御堂筋の歴史( http://www.midosuji.biz/intro/history.html )と景観保全の意見・論文( http://aosawa.wordpress.com/ )をお読み頂きたい。  当方は都市経営の観点から意見を述べる、要旨は: ①大阪の都市間競争力は東京に劣る・オフィス集積は300万坪で東京の四分の一で集積効果、誘因力が不足・新規需要(Net Absorption)は低迷 ②梅田・新大阪などJRのターミナルや東京との利便性のある立地が評価・大阪本社の流出、東京の支店・支社の立地、開発も進み、新規ビルが多い・大阪は東京と2大都市から「地方都市の中で一番大きなもの」と変容 ③旧来の大阪都心の本町は住宅の街に変容・大手繊維商社(伊藤忠、丸紅、瀧定 など)が本町から移転(予定)・本社跡はタワー・マンション開発が進む(オフィス賃料の低下と相対的マンション賃料の優位性)  以上は現在論文「大阪のオフィスセンターⅡ」でまとめつつあるが、その中で、御堂筋に大型ビルを作れば活性化するというものではない。むしろ ①御堂筋の景観を保全する ②御堂筋に面してマンションもつくり職住商業の混在のモール化を図る ③自動車交通より自転車・歩行者の優先とする(現在も歩道で自転車同士や歩行者との事故が多い、側道の自転車道化はどうなっているのか?)  開発すればエリアが活性化するというのは間違いだ。大阪市は、南港でWTC+ATC、時空館、再開発で阿倍野、土地信託で弁天町、オスカードリーム、霞町の車庫などで痛いレッスンをしたはずだ。  しかも最近の大阪市の大型開発は2002年の都市再生特別措置法による都市再生特別地区( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%9C%B0%E5%8C%BA ) によるものが多い。(http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku/toshichiikisaisei/kinkyuseibi.html )( http://www.investosaka.jp/development/area.html#box03 ) 1,700%という容積率が上限の様だが、今回の開発もその程度になるとしたら、今後は「御堂筋の壁」ができてゆくことになる。その背後にはタワー・マンションというのはオフィスとして梅田や新大阪に対抗できるだろうか、また住宅環境として神戸や京都に比肩するだろうか。その一方、梅田一丁目地区 「大阪神ビル&新阪急ビル」の建て替えもあり梅田の集積はますます上がる。都市として大阪の各エリア(当方はオフィスセンターと名付けた http://www15.plala.or.jp/n7ohshima/oosaka%20ofice%20centers.pdf )のマクロ的な管理がない。更に成長のみの戦略は景観とトレード・オフの場合が多い。京都市などはダウン・ゾーニングで景観保全を図りアメニティ(景観・歴史などの癒し系の要素を、無味乾燥な近代社会生活に対する補完としたのが起こり)充実により観光産業や住宅の価値を上げた。 開発の量に拘るより、都市の質を高める時代だ、さらに言うと下手な開発はお荷物になるだけとい大阪市の習ったレッスン(Lesson Learned)を思い出そう。マイクロな開発効果よりマクロな政策の欠如が続いている。 「かつて大阪に御堂筋のオフィス街が統一された景観で憧れだった」となるのだろうか
コメント
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