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マッキンゼー The Firm(ダフ・マクドナルド):ビジネス・コンサルティングとMBA、CEO、Alumniの相互利益

2014-02-14 05:15:55 | マクロ経済
 設立から現在に至るまでMD(Managing Director  代表のこと)毎に取り纏めてある。素人ハーバードのMBAが熱意で課題解決をするが、結果は問われたことがないというのが特徴だ。次に、CEOに安心感とお墨付きを与え、成果よりもCEOのマッキンゼー卒業組(Alumni:一般では卒業生であるが、特にマッキンゼー卒業者に使われる)The Firm (会社の中の会社)であり、MBAの就職で一番人気を誇った。
 競合にはボストン近郊のADL、BCGや会計事務所がある。マッキンゼーは会社の中に優秀人材でTask Forceを作り、共同でコンサルを進めるケースもある。つまりは会社内部との共同作業であり、他社に機密が漏れるとか、廊下をあるいて経営情報や内部情報を集められるということもある。

 当方はプロジェクト・マネージメントなら自信があるが、ビジネス・コンサルティングは全く知恵がない。ハーバードのMBAは押し出しが強く、見た目も良いから確かに「好かれる」「外観の良い・背が高い」人材を求めるマッキンゼー向きだ。特にUp or Out(昇進なくば去れ)は体育会系の発想でまさにクォーター・バック育成志向だ。つまりは、見かけも良くて人当たりが良く頭が切れ、いかなる時でも対処できる司令塔というのが理想なのだろう。(比べて、日本では野球の監督志向が強いと思う。専門職の人材活用が組織運営に似ているからだろうか)
 
 マッキンゼーには「経営課題は解決するが、自ら手を下す人間的要素がない」とあり、「リストラ志向」とある。「Mフォーム」は有名な事業部制でMITのSloanも関連しているがマッキンゼーの十八番だ。

 その後、1980年代、日本の隆盛とアメリカ製造業危機の折、戦略志向と専門家育成で脚光を浴びたのが大前研一だ(日立製作所からMITの博士、日本支社長時代はアラン・カントローが補佐)。その後7S(Skill, Stuff, Style, System, Structure, Shared Value, Strategy :当たり前といえばそれまで)フレーム・ワークもあった。

 エンロン事件などでは元MDの逮捕もあったが、まったくマッキンゼーの業績は悪化しなかった。とんがった専門人材を採用し昇格させる方針に変わった。中国などにも進出。しかし、金融系やグーグルに人気で劣り始めた。

 優秀ならコンサルというのはいかにもアメリカ的だ。日本なら大手企業に入り「役員」を目指せだろう。生産とコンサルの分離、CEOの知恵袋と内部昇格の違いを感じる。しかも、コンサルの効果が短期志向であり、間違ったコンサル指導も多いとなると首をかしげるが、隆盛が続くのは「老舗」で「同窓」が多いためかと思う。つまり、アメリカは言われる程自由と平等の国ではなく、経営層が牛耳る利権社会の側面もある。

 読みにくいが一読を薦める


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