都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

明治の「性典」を作った男(赤川学):何が「性典」なのか分からない、人物特定に意味はあるのか

2015-01-26 05:50:18 | 世情

 千葉繁の「造化機論」という明治8年にJames Ashton原著が翻訳された「生殖器、性器」などをテーマとした本が春画より性的という位置付けでベストセラーになったというもの。

 「造化機論」の内容より、千葉繁の人物を探るのが本著の内容で、はっきり言ってつまらない。当方としては「造化機論」がどうしてそんなに流行ったのか、世情や要因を知りたい。

 筆者は沢木耕太郎「キャパの十字架」に触発されたとあるが、はるかに出来が悪いのはキャパの「崩れ落ちる兵士の写真」が有名で既知のものに対し「造化機論」は何か分からない。定義があまい。ミステリでいうとフーダニットだ。

 「伝説のどりこの」は風俗的流行を追ったものでは出色だった。これは筆者自ら足を運び、味わったのが大きい。このような「何で流行ったか」のホワイダニットが面白い。

http://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/569b14ca95d7a038b11fc7a0b255ad53

 筆者の文体や引用事例は、よく言えばくだけた、普通だと俗っぽく偽悪的だ

 時間を無駄にしたと感じた本で風俗研究以外にはお薦めできない

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする